【RL】:というわけで、リサーチいこうか。

【アカシャ】:いえっさー。

【RL】:ちょっと変則的になるけど席順でいこうか。あもり、おまえだよあもり。すねあもさん、どこがいい。

【天杜】:あいあい。もう1シーン船いうてたけど、船じゃなくていいのん?

【RL】:いや、船の中のどこか。

【天杜】:じゃあプールで。ちゃぷちゃぷしてる。

【RL】:把握。

【アカシャ】:ぱしゃぱしゃ。

【天杜】:ぶくぶく。

【アカシャ】:沈んだ!?

【雲外鏡】:てけ、てけりぃ。

【アカシャ】:てけりりり。


●RESERCH#1 : DREAM

◎Scene Card : KUGUTU ( 辛抱の限界 )

○Scene Player: アモリ

・Stage : 豪華客船『アトラス』 / 船内プール

†BGM :『 明日はきっと晴れ / TALES OF LEGENDIA O.S.T Track13 』


 水の音。

 水面に反射する光が、壁を、天井を照らしてい く。

 とても船の中とは思えない、広い船内プール で。


【RL】:ちゃぷちゃぷしろ。

【天杜】:浮き輪にのって、ゆらゆらしながら、ぼんやりと天井を見上げていた。


(イラスト:玻璃乃 真砂)

 顔は、この場にそぐわぬ浮かない顔。それもそのはず、この原因たる存在が…… 。

【RL】:プールサイドにて、しかめ面でアモリを見ているからだ。レンタルのビーチサンダルだけを履き、後は全くの私服のままでプー ルサイドにどっ かと座っている。

 じー。(視線の効果音)

【雲外鏡】:不良や。

【RL】:ギヌロ。

【雲外鏡】:プールの授業欠席して女子を凝視してる不良や。

【RL】:おい、それ不良なのかどうか微妙。

【天杜】:「……楽しくない」

 ちゃぷちゃぷと手で、水をかきわけとろとろ移動してみたりする。

「……」

 思い立って、つるっと輪の中に沈んでみた。

 ぶくぶく。

 おぼれた振りをして、様子を見る。

【RL】:ざぼんっ、という水音。何かが水を掻き分けて近づいてくる。水の中、伸びる手。

【天杜】:その手を、躱。

【RL】:──がしっと、足に、何かが巻きついた。黒い布だった。

【天杜】:「がぼっ!?」

【RL】:ぐいっ、と引かれる。そのまま、水面まで持ち上げられ──。

 ばしゃんっ!!

「……手間を、かけさせるな」

 手首に撒きついていた布を引き戻しながら。

【天杜】:「げほっ、げほっ」 びっくりして飲んでしまった水を、吐き出し咳き込む。

【RL】:アモリの足首を掴み、逆さづりにしたままの格好で、MORIがため息をつく。

【雲外鏡】:とったどー!

【RL】:ジーンズもシャツもずぶ濡れだ。この後どうするのだろう。

「何故浮き輪をつけているのに、溺れるのだ」

【天杜】:「……」 つーん。

【RL】:「……」 ひっくりかえして、浮き輪の上に乗っける。 「次溺れたら助けんからな、肝に銘じておけ」 ざぶざぶと歩いて プールサイドに 戻っていく。

 もりさん泳げないからしょうがない。

【アカシャ】:紙ですし(爆)

【天杜】:魔導書しゃわー。

【雲外鏡】:防水加工してるから大丈夫。てかてか。

【天杜】:「……」

 ばしゃぱしゃと、浮き輪の外にある手足を掻いて逆のプールサイドまで移動すると、浮き輪を引き上げてとことことシャワー室のほうへと向かった。

【RL】:流石にこの一カ月で、シャワーや風呂に類するものには着いてこない。

【天杜】:さっさと着替えると、更衣室を出て、そこにあった姿にうんざりとした顔をした。

【RL】:「終わったな。次は何処だ」

【天杜】:「帰る」 短い返答。

【RL】:「そうだな、それが懸命だ」 生乾きどころか、ぽたぽたと水が滴る服のままうなずく。

【天杜】:「………」

 それをじっと見上げて、もぐもぐと口を動かした後、いいにくそうに、 「ごめん」 といって、クレッドクリスを差し出した。

【RL】:「……何だこれは」 怪訝な顔で受け取り。

【天杜】:「服、他に無いでしょ。買っておいでよ」

【RL】:「……ああ。……。逃げるなよ」

【天杜】:「うん」

【RL】:意外そうな顔をした後、まぁいいか、とばかりに肩を竦めて、売店のほうへと歩いていく。服など要らんのだが、などとぶつぶ ついいながら、 適当にチョイスしているようだ。

 もりさんがショッピングしてる。

【天杜】:ソレを見送って、廊下の海を臨める窓から外を見る。

 はぁ、とため息。 わざと溺れたふりをした、と言いそびれてしまった。

【雲外鏡】:アモリが反抗期。

【アカシャ】:複雑な少女の心。

【天杜】:広がる青空が、曇天のように感じた。胸に垂れ込める、鉛のような重いわだかまり。

「……仲良く楽しくしたいのに」

 きゅ、と窓に手を伸ばした。

【RL】:「いけませんよ。こういった場では、楽しまなければ。楽しめる者が臍を曲げては、うまくいきませんから」

 窓に。見慣れた顔が映った。

【天杜】:「……えっ」

 ばっと振り返る。そんな、まさか。

【RL】:


(イラスト:玻璃乃 真砂)

【天杜】:「せん……せい……」 驚愕に見開かれる瞳。

【アカシャ】:ヴィオレッタ先生!

【RL】:"tragoIDIA"ヴィオレッタ。"聖女"の傍流にして、天杜・ステラの教育係。同時に、"Hexa"が一人──"水 "を司る、魔術 師。

【雲外鏡】:先生!ヴィオレッタ先生じゃないですか!


†BGM :『 それでは御伽噺をはじめよう / 機神咆哮デモンベイン DISC2 O.S.T Track11 』


【RL】:「お久しぶりです、天杜様」 そう言って、彼女は、にこりと笑う。

【天杜】:「本当に先生?」

 背を壁について、久しぶりに会う――複雑な関係ではあったが――知己に、ほうと息をつきながら。

【RL】:「ええ。」

【天杜】:「良かった、それじゃやっと戻れる……」

 と、同時に、この自由も終わるのかと聊か残念な想いと先ほどの重い気持ちの原因のまま続ける旅の、辛さを想って複雑な笑みを浮かべた。

【RL】:彼女は、相変わらずの背筋が冷たくなるような微笑を浮かべて、ずい、と顔を近づけてきた。

【天杜】:思わず、 壁があるにもかかわらず、小さくのけぞった。

【RL】:見えない圧力──久しぶりだというのに変わらないその美貌であるとか──で、天杜を壁に押し付ける。

 そっ、と。 どこか艶かしい仕草で、壁に手をついて、天杜に覆いかぶさる──だが、決して触れない。耳元で、ささやくのだ。

「お戻りになられたいのですか?」

【天杜】:「え?」

【RL】:「本当に?今すぐ?」

【天杜】:心が見透かされたのかと、 無防備に驚いた顔で彼女の顔を見た。そこにあったものは……、ぞっとするような、真意の見えない微笑。

【RL】:「──……お望みであれば、今すぐ迎えのものを呼びましょう」

【天杜】:先生は、いつも恐ろしく、優しい。いつも、先回りをしているかのような問いかけをしてくる。絶対にNoといえないと判って いて。

【RL】:「カニオの造反は既に知れておりますよ。残念ながら、天杜様も死亡したものと此方では目していたのですけれど…」

【天杜】:真綿で首を絞めるように。

【RL】:断片的な情報で、選択肢を狭めてくる。

【天杜】:「え?」

 雲外鏡は、自分の生存を伝えなかったのだろうか?何故? どうして?

【雲外鏡】:……てへ。(←わ すれてた)

【アカシャ】:うっかり 雲外鏡!

【雲外鏡】:いやいや。深い意図があってね?

【アカシャ】:じ。

【天杜】:「……。す、直ぐに…」

【RL】:「──……口止め、しますか?」

【天杜】:「え?」

【RL】:ぴた、と。自らの唇に、人差し指を当てている。子供のような笑みだ。本当にそんな笑みを浮かべられる子供は、きっといない のだろうけど。

「私に、口止めをしますか?天杜様」

【天杜】:「あ……」

【RL】:「元教え子で、元星女様ですもの。頼みごとでも、命令でも、ご随意に」

【天杜】:ぱくぱくと、口を動かし。

 ……元? ……自由?死んだ事になっている? あの窓一つ無い、面白みのない部屋に帰らなくてもいい。苦く、辛い投薬も無い。何も選択の無い短い一生を終えなくていい。ということ?

「いい、んですか?」

 ごくん、と息を呑んで見上げる。

【RL】:「ええ。構いませんよ。そうだ、この客船が寄港する港に、水族館がありましたね」

【天杜】:「水族館」 本で見た事がある。

【RL】:「先ずは其方をご覧になってみては?」 そう、ヴィオレッタが持ってきた本だ。

 ゲラゲラゲラ。ヴィオがぞくぞくしてそう。

【天杜】:たしか、水棲生物がたくさん飼育されていて、自由にソレを見るアミューズメントパークのはずだ。

「ま、ず?」

【RL】:「ええ。覚えていますか?私の渡した本を」

【天杜】:「はい」

 覚えてる。覚えてるにきまっている。彼女の記憶、知識は、それによってなりたっている。面白そうと思っても、決して自分が行く事がない――必要が 無 いから――場所。

【RL】:「泣き虫マリーは、悲しいことが会ったとき遊園地に連れて行ってもらうのが好きでしたわね。天杜様に"遊園地って何?"と 質問されたとき は、説明に困りましたわ」

 そういう絵本があった。ただの子供が読むような。

【天杜】:「いって……みたい、です」 こく、とうなずいた。

【RL】:「──……ええ。それで、いいのですよ」

 笑って、羽織っていたトーガを、天杜の肩にふわりとかけた。白地に、紫の縁取り。彼女のお気に入りだ。

「水族館はお寒いでしょうから。風邪などひいては大変ですね。もう、私も、ノルマもそばに居られませんので」

 飴と毒を交互に天杜の前にちらつかせながら、彼女は笑みを深めていく。

【天杜】:「ノルマ」 弾かれたように食いついた。 「生きているの!」

【RL】:「ええ、命に別状は御座いません」

【アカシャ】:ノルマー、生きて、いるんだ……。

【雲外鏡】:うそ、っぽい!

【天杜】:ほう……と深い、深い息をついた。 「良かった……」

【RL】:「──……何時起きられるかは分かりませんが」

 安心した瞬間、何事でもないかのように呟かれる。

【天杜】:「え?ど、どういうこと!……ですか」

【RL】:「カニオめの術の影響が残っているのですよ」 そんなあわてずに、と掌を見せる。

【天杜】:「ど、どうやったら治るの?」

【RL】:「魔を祓うに必要なのは、魔力と道具、知識と──……時間です。治ったらお知らせしますよ」

【天杜】:「あ……」

 揺れる、揺れる。瞳が、心が。戻って、傍に行った方がいいのではないか。でも、戻ってもあの部屋に押し込められて、会うのはかなわないのではない か。

【RL】:「天杜様はもう星女ではないのですから、わざわざノルマ一人の為にお戻りになることはないのですよ?」 そして。  「──"次の"星女様 が、きっとうまくやってくださるでしょう」

【天杜】:「次……?」

【RL】:それは、毒だったのか、飴だったのか。

「おっと」 そこで、ばっと身を離す。 「螺旋断簡佚書が戻ってきます。私はこれで。口止めの件、了承いたしました」

【天杜】:「あ、……」 別に、一緒にいては困るわけではないのに。何故、彼女があわてたのだろう、と首をかしげる。そして、

「ま、待って、ヴィオレッタ」

【RL】:「はい、何でしょう」 カツ、カツと、ヒールの音が二つで止まる。

【天杜】:「魔導書との契約の棄却方法を、戻って調べようと思っていた……の。何か、方法がある……かな」

【RL】:「契約のディスペルでございますか」

 何故か。ぞっとするような笑みが、口元に再び広がる。

【天杜】:それに、我知らず身を抱き、かけられたショールを握りながら、 「そう」 と、短くうなづいた。

【RL】:「一つは前提条件の破壊による契約の無効化。つまりは死、もしくは魔力の喪失でしょう」 腰から上だけで振り返った姿勢の まま、指を一つ 立てる。 「もう一つは、契約の更新。新たな契約、もしくはより大きな力によって掻き消す、薄める方法です。普遍的なものとなるとこの二つが」

【天杜】:「他は無いの?」

【RL】:少し間をおいて。彼女の場合、演技なのか思考しているのかほんとうにわからない。

「何かはあるでしょう。ただ、個別の方法となると」

【天杜】:よく言えば様になる、悪く言えば総てが虚構に見える。それが、ヴィオレッタという女性だった。

「なると?」

【RL】:「魔導書を読み解くか、調べるか──今すぐ答えることは難しいかと。申し訳ありません。聞いても答えないのなら、知られた くないというこ とです。調べてみてはいかがでしょう?」

【天杜】:「読み…解く?」

【RL】:ええ、と頷く。

【天杜】:螺旋断簡佚書を、読む、ということだろうか。

「……判った、調べてみる」

 こく、と小さな顎を引いてうなずく。

【RL】:「──ええ。それがよろしいかと」 そして、一礼。 「それでは、また。ご健勝であられますよう」

 芝居がかった仕草で振り返り、廊下の向こうへと消えていく。

【天杜】:「先生も、……健やかに」

 その背に届くか届かないか、消え入りそうな声で。

【RL】:「何をしているんだ」 背後から、声。

【天杜】:びくん、と飛び上がる。

「わっ!び、びっくりしたよ!」

 どっどっどっと、心臓の鼓動が耳の後ろで鳴っているようだ。

【RL】:「驚きすぎではないか」

【天杜】:「だって、急に声かけるから」

【RL】:


「──君は肝が据わっているのかいないのかわからんな」

 そこには。全く同じ服──ただし、乾いている──を着たMORIの姿。

【天杜】:「……同じ服?」

【RL】:「売っていた。どの服にすればいいのか分からんかったからな。とりあえず買った」

 これ、ゲームとかでやったら「ああ、立ち絵差分用意しないための言い訳か…」って思われること必至。

【雲外鏡】:おい。

【天杜】:「…………」 ぷっ、と噴出した。

【RL】:「なんだね……」 おい、と唇をへの字に曲げる。

【天杜】:「うん、ごめんね」

【RL】:「……構わん。かえるのだろう」

【天杜】:「さっきは、わざと溺れた振りしてごめんね」

【RL】:「構わ……何?」 驚いたように聞き返してくる。

【天杜】:「MORIが、いけないんだよ。仲良くしたいのに、髪とか引っ張ったりするから。何か仕返ししたかったの。でも。何か、必 死で助けてくれ たから、悪い気になっちゃって……。……次は、服一緒に見に行こうね」

 そういうと、先に立って歩きだした。


†BGM :『 ステラ / TALES OF LEGENDIA O.S.T Track06 』


【RL】:「……お、おい」

 たたっ、と追いかけてくる足音。横に並び、僅かに唇を尖らせて反論してくる。

「別に助けたくて助けたわけではない。あんなくだらんことで死なれては困るの でな──。それと、服を選ぶのは君の仕事だ、現代の流行に乗れというの ならそうするべきだろう!」

【天杜】:「……MORIって、一月で判ったけど」

【RL】:「なんだ」

【天杜】:「もしかして、素直になれない人なの?」

【RL】:「…………」 思い切り、口をゆがめて。 「……君 は想像力が豊かだな」

【天杜】:「それも、キミが反応に困った時、口癖のように言うよね」

 可笑しかったのか、笑うと、だっと走り出した。

【RL】:「……何を言っているのか分からんが、君──あっ!」

 再び追いかけてくる足音──。

【天杜】:少女は廊下を曲がった。外の見える廊下を走る。潮風が、肌を、衣服を髪をなびかせる。

 こんなに景色が美しくて、こんなに気持ちがいいはずだもの。

 楽しくないはずがない。多分。

【RL】:──世界は、美しい。笑顔で見れば、きっと。


 ──SceneEnd...


【アカシャ】:ヴィオ先生は恐かったけれど、ほのぼのした……。

【雲外鏡】:良いシーン。ぼーい・みーつ・がーる!直訳すると、少年が少女を打つ。

【天杜】:打つな!因みに水族館に行くいかないでもめて次のシーンはきっと、はぐれたところからはじまります。

【RL】:おい。いきなりはぐれた、だと?間違いなくもめるけど。


■舞台裏

・雲外鏡

【雲外鏡】:登場失敗 H7。リサーチ:香りについて。

【RL】:<自我><コネ:"記憶の中にある誰か"><デジャ・ヴ><過去よりの使者>。目 標 値:制御値。

【アカシャ】:何という技能の羅列……。

【雲外鏡】:だ、だれだ。(笑)<過去よりの使者 >、【外界】5+DQ=15。なにも、おぼえてないん、だ。

【RL】:さぁ……。

【アカシャ】:そんな雲外鏡がいても……。

【RL】:《守 護神》

【アカシャ】:え、《守護神》!?神業で 守った……!? 何者……紫の薔薇(仮)の人(仮)。

【雲外鏡】:げ、げぇぇ。そこまで知られたくない誰か、だと。

【RL】:それは、泡沫の夢。知り得ぬ筈の、キオクだった。


・アカシャ

【アカシャ】:登場判定:H6 切り。リサーチ:"毒王古韻律"。

【RL】:<社会:アストラル><社会:楽園><社会:M∴C∴A> <コネ:毒王古韻律>、目標値:制 12 19。

【アカシャ】:<コネ:毒王古韻律>、【生命】4+HA――21!

【RL】:制:大地を食らい尽すと世界蛇を奉ずるとされる魔導書。現在の所在は不明。

 12:"大喰らい"であり、神の召還には大規模な儀式とを必要とする。また余りにも巨大な神を呼び覚ます為、召還するだけでその地を消滅させると 謳 われる。水、とくに海との関係が深く、かつて海底に封じられたと言われる。

【アカシャ】:世界蛇……!

【RL】:18:現在のヴィル・ヌーヴ近海の海底に、海底神殿と共に封印されている。神殿を一ツ、更に数千人の人柱を用いて縛られた 封印は非常に強 固。これを解く為には、巨大な神殿を根こそぎ破壊した上で一桁上の数の生贄を用いるか、数百km単位の巨大な魔法陣が必要だろう。

【天杜】:ひいっ。なんかろくでもねーぞ、一万単位で生贄が要るって言ってる。

【雲外鏡】:すげぇ。

【RL】:・BONUS!! "領域"を持つ。

 範囲は"神の身体で囲める内側"。この範囲内では、すべての水、すべての水に生きる生物が"毒王古韻律"の眷属となる。

【アカシャ】:こう、ぐるりと 囲むのかな……。それとも……。中に入っちゃうのかな。鯨のように。

【天杜】:絶対領域をもってるのかもしれない。

【雲外鏡】:ごくん。

【天杜】:俺、次の星女とやらを次ぎでリサーチするんだ。

【雲外鏡】:まだ、いないんじゃないかしら。

【アカシャ】:気になりますよね……!

【RL】:よし、次の舞台を宣言するんだ、うんがいきょー!あかしゃも!

【アカシャ】:舞台指定はちらりとマスターを見る。

【雲外鏡】:ヴィルヌーヴだから、鉄道にでものろうか。

【アカシャ】:世界の、車窓から……!わーい、鉄道の旅だ……!オリエント急行(違)

【雲外鏡】:殺人事件発生。この事件、9シーンもた せる。

【アカシャ】:9シーン!犯人は為五郎(仮名)。

【RL】:タメゴローだれだ!

【アカシャ】:日本人。

【RL】:なん、だと?


●RESERCH#2 : WISPER.

◎Scene Card : KABUTO-WARI ( 突然何かに気づく )

○Scene Player: 雲外鏡【RL】:鉄 道把握。

・Stage : 大陸横断鉄道『ディーシル』 / 車内

†BGM :『 アーカムシティ−嗚呼、麗しき怪異の街よ / 機神咆哮デモンベイン DISC1 O.S.T Track09 』


 ヴィル・ ヌーヴの大地を、リニアカーが奔る。流線型の車体。最新型の大陸横断鉄道の車体は、内部もまた最高級。一流ホテルにもなんら引けを取らない一 室。

 だが、何よりも窓から見える景色が、すさまじ い速さで流れていくのは──……ある意味壮観だった。


【RL】:多分、上のほうに展望室みたいなのがあるんだろう。

【アカシャ】:2階建て!

【RL】:ばっか、ニューロエイジだぜ。5階建てくらいだって。

【アカシャ】:なんという展望。

【雲外鏡】:「あはは、凄い速度だね?景色を楽しむ余裕もない」

【アカシャ】:「……」

 流れる景色を、眼がはなさい、とでも言うような様子。まるで、食い入っているかのように見続け…… 。

【雲外鏡】:「うん?アカシャは気に入った?」

【アカシャ】:「――……」

 数秒の間。気が付いたように、顔を雲外鏡に向ける

「え――あ。……気に、入る……ですか」

【雲外鏡】:「?どうしたのかな?」

 コツコツ、と音を立て、少女の元へ寄る。

【アカシャ】:「……心拍数が増大しています」

 胸元に手を当て、そう事実を告げた。

【雲外鏡】:「――」

 目を細める。

【アカシャ】:僅かばかりに、頬が紅潮している様子――。

 つまり、とってもワクワクしているアカシャ。(爆)

【天杜】:陸、海、後は空の旅か。

【RL】:え、飛ぶの。

【雲外鏡】:奴は、空に、いる。

【アカシャ】:そして宙へ。

【RL】:海と大地の狭間に、いっちゃう。バイストンウェルとか。

【雲外鏡】:「アカシャは、鉄道にのるのは初めて?無論、知識として保有しているのは知ってるけれど」

【アカシャ】:「……」 言葉を検索しているかのような、ちょっとした沈黙の後、 「“このアカシャ”が乗るのは、初めてのことで す」

【雲外鏡】:「なるほど。アカシャは不思議だね」

【アカシャ】:「――不思議。不可解、ですか」

 その顔は、いつもの通りの、淡々とした無表情。

【雲外鏡】:「不可解、というと趣が薄れちゃうな。これも不思議なことだけれど」

【アカシャ】:「趣、……人間の――感覚、というもの、ですか」

【雲外鏡】:「人間に限定してしまうのもどうかと思う、と今ついさっきに僕は思ったよ」 フフ、と笑い。 「例えば、アカシャの本質 は“書”だ」

【アカシャ】:「……はい」 頷く。雲外鏡を真っ直ぐに見上げて、そのまま耳を傾けている、様子。

【雲外鏡】:「少なくとも、ロッジを始めとする魔術師においては定義されている。“書”は知識を記録する媒体だ。それ以上でも以下で もない」 続け ―― 、 「そうすると、その他の機能は必要ないはずだよね?だから、不思議なんだ」

 過程を1つ飛ばし、結論付ける。

【アカシャ】:「……不思議」 思わず口に出して、輪唱のように続けた。

【雲外鏡】:「アカシャ、君は理解してないかもしれないけど、さっきの君はきっと、おそらく“わくわく”していたんだろう」

【アカシャ】:「――……」 眼を、見開いて、 「“わくわく”――つまり、“アカシャ”の気分が、高揚していたということ、です か」

 アカシャは、ワクワクを、覚えた。(爆)

【雲外鏡】:「そう。はじめて乗る鉄道に、流れる景色にわくわくしたのさ。それこそ、人間のように。歳相応の少女のように、ね」

【アカシャ】:「……」

 人形のような、感情を映さない、貌だが――その瞳は――確かに、瞳孔を大きくした。

「――何か、さらに、付与されたようです。先程より、心拍数が――」

【雲外鏡】:「ん?それはちょっと、僕にもわからないな」 微笑む。

【アカシャ】:「……」

【雲外鏡】:「ただ、そうだね」 手を伸ばし、少女の髪を撫でる。

【アカシャ】:「?」 眼を雲外鏡に向ける。

【雲外鏡】:「僕も少なからず、今、高揚しているよ。こういった“想い”を理解していくことが、僕らの正体に近づいていく一歩なのか もしれない」

【アカシャ】:「――……」 胸に、手を当て――、その鼓動を感じ。 「はい」 肯定とばかりに、頷いた

【雲外鏡】:「いいこだね」 手を引き。

【アカシャ】:「いいこ……?」 そのまま付いて行く。

【雲外鏡】:「アカシャのことさ。いいこにはご褒美をあげないと」 軽く振り返り。

【アカシャ】:「ご褒美、“アカシャ”は賞賛されることをしたのですか」

 景色を見、気分の高揚というものを“知り”――それが……?と首を傾げて。

【天杜】:いちゃこら。

【RL】:ごほーび!

【雲外鏡】:「はは。アカシャは本当に面白いな。観ていて、飽きない。難しいことは置いておこうか」 笑い。 「この列車は料理も自 慢だそうだよ」

【アカシャ】:「……」 マスターを眼で捉えているが、どうやら、ぐるぐると思考が巡っている様子――。 「料理」

【雲外鏡】:「うん。あの“火”殿が、『良い未知だった』と賞賛するくらいのだから、期待できる」

【天杜】:イヤーゴ。(笑)シベリア鉄道破壊すんじゃないわよ。

【RL】:どーーーーん!メラメラ。きゃっきゃ。それにしても、「良い未知だった」って、酷い感想。(爆笑)

【アカシャ】:「“火”――"PLUgatorio"イヤーゴ、ですか」

【雲外鏡】:「そう。アカシャは会った事が――、ああ。識っていたんだった。愚問。ヘキサの一人。彼は彼で恐ろしい虚無を抱えた人間 だよ。さらに 困ったことに、その虚無を焼き尽くすタイプだ」

 近寄らないようにね、とウィンク。

【アカシャ】:「はい。その人間を、知っています」 必要とあらば、情報を降下させることも可能だが……。 「――ですが、その方の 味覚に対して、 マスターは評価をしているのですね」

【雲外鏡】:「彼自身を評価してる。彼だけじゃなく、ヘキサの人間は、みな、尊敬してるんだ」

【アカシャ】:「尊敬……」

【雲外鏡】:「彼らは僕に似てる。どうしようもない虚無を抱えながら、それと付き合う術を見出してる。例えば、“光”」

【アカシャ】:「……」 じ、と目を向ける。

【雲外鏡】:「彼は尽きえぬ欲望を、栄えを、まさに“光”を目指すことで、己を模っていた」

【RL】:雲外鏡がうさんくさいのに、いいこといってる…………のか…?

【アカシャ】:よい、雲外鏡……?

【雲外鏡】:結果は敗北だ。だが、それですらも彼の一部といえる。

「なぜなら、彼はまだ、“光”を失っていないから」

 いずれ“光”の少女と共に、また会合する時が来るかもしれない。その時は――。

「さきほどあげた“火”にしてもそう。彼は、未知を焼き尽くすことで己を模る」

【雲外鏡】:「どちらも僕には出来ないことだからね。尊敬する」

【アカシャ】:「……。“光”そして“火”――力ということですか……」

【雲外鏡】:「あ、だけど、近寄ったらダメだよ?」

【アカシャ】:「?何故ですか」

【雲外鏡】:「アカシャは可愛いから、食べられちゃう」

【RL】:こい、つ。

【天杜】:イヤーゴ、食うのか。

【アカシャ】:「……。イヤーゴは」

【雲外鏡】:「うん?」

【アカシャ】:「人肉嗜食をするのですか」

【雲外鏡】:「……」

【アカシャ】:「……焼いて、食すのですか?」

【雲外鏡】:「……。ぷ」

【アカシャ】:「しかし、それと、“可愛い”との関連は一体」

【雲外鏡】:「あは、あはは、あはははは!」

【アカシャ】:「マスター?」

【雲外鏡】:「む、むずかしい因果、だよね、うん。僕には、答えが、わからないから、他に求めるといい」 息も絶え絶えにやっと答え る。

【アカシャ】:頭の中で、上手に焼けましたの曲が流れました。(爆)(※ モンハン)

【天杜】:おい、イヤーゴ。どっちの意味で食うんだ。

【RL】:なんだよ、しらねーよ。

【天杜】:好きなほうで解釈するぞ。

【RL】:どっちだ。いってみろ。

【天杜】:どっちも好きって事にした。両方いける。両刀。変態。

【RL】:おまえ、でぃすんなよ。後その両方ってどういう意味でだよ。おちつけ。

【天杜】:え、両方。

【雲外鏡】:「ただ――」 ふー、と息を吐き。

【アカシャ】:「……ただ?」

【雲外鏡】:「これから行くところに関するかもしれないから、しつこく言っておくよ」

【アカシャ】:「はい」

【雲外鏡】:「ヘキサの面々には近寄らない方が良い。特に“水”とかには、ね」

【RL】:ヴィオが、めっちゃ警戒されてる。

【天杜】:ほんまや、あんなにいいひとなのに。

【RL】:いいひとでは、ないだろ。

【天杜】:あんなにいいひとなのに。(棒読み)

【RL】:どこがいいひとか、いってみるんだ。

【アカシャ】:「彼等は、“魔導書”を求めているからですか?」

【雲外鏡】:「それもある」

【アカシャ】:「それ以外には?」

【雲外鏡】:「言葉じゃ説明は難しいんだけど。んー」

 考え。思いついて、指を立てる。癖、らしい。

【アカシャ】:その指に、視線が向かう

【雲外鏡】:「彼らは、不可解、なんだよ」

【アカシャ】:「不可解――……。それは、行動が予測出来ない――いえ……。動機が、計りかねる、ということでしょうか」

【雲外鏡】:「……動機があれば良かったんだけどね」 動機があるのなら、願いを託し託せられる事も出来ただろうにと、口の中で呟 き。 「この話は おしまい。ご飯を食べにいこうう」

【アカシャ】:「……それは、動機が……え。……」 小首を傾げ。

【雲外鏡】:「もう、お腹がぺこぺこさ。未知とやらを食べに行きたい」

 きゅるるー、きゅるるるるー。

【RL】:タグに、未知ってつきそうな勢い。

【天杜】:みっちみち。

【アカシャ】:みちみち。

【RL】:おい。

【アカシャ】:「はい、前回の食事から7時間程経過しています。食物の消化作業は完了しています」

【雲外鏡】:「はは。それを聞いてたらなおさらお腹がすいてきたよ」

【アカシャ】:――きゅるる

「……。“アカシャ”の身体も、そのようです」

【雲外鏡】:微笑み。 「それじゃあ、いこうか」

【アカシャ】:「はい」

 ――フシギ フカカイ。マスターの笑う理由、動機が“これ”には“分からない”。それを知る時、“これ”が何であるか――“ワタシ”が何である か、 分かるのだろうか。

 ――一番の不可解は――“これ”なのかも知れない。ふと、想念がよぎる――その後ろ姿を見詰めて――。


 ──SceneEnd...


【アカシャ】:一番のフシギ・不可解は、マスターに違いないという。

【雲外鏡】:あ、リサーチしてねぇ!(笑)

【アカシャ】:あ、して……ない……、ですね。(爆)

【雲外鏡】:これが、魔術争乱、か。

【アカシャ】:そして、いけない、イヤーゴ=変態という認識に。あ、いつものことか

【RL】:おイィ。

【雲外鏡】:イヤーゴはラスボス。


■舞台裏

・天杜

【天杜】:登場失敗、ハート2回し。リサーチ:次の星女。

【RL】:<社会:アストラル> 10、<社会:M∴C∴A> 15、<コネ:"黎明の海星"関係者>   11、<自我> 5。 (すべて同情報)

【天杜】:<コネ:黎明の海星> 【理性】6+5 =11。

【RL】:11:在り得ない。

・BONUS!:"予備"はあるはずだ。星女には確実に予備がある。ただ、この短期間で見 限るには、星女は貴重に過ぎる──はず。

【アカシャ】:予備……とな……

【天杜】:ヴィオの嘘か、もしくはなにかの手段があるのか。

【RL】:水族館でいくか。

【天杜】:うぃー。

【RL】:どんなシーンだ。

【天杜】:んー、喧嘩するか。その次あもりのしーんまわってきたら、あかしゃと合流するんだ。きゃっきゃっ。


●RESERCH#3 : WORLD LIGHT.

◎Scene Card : CHAKRA ( 地道な成長 )

○Scene Player: 天杜

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』

†BGM :『 風の羅針盤 / Harmonia 』


「何かと思え ば〜……」

 空は、透き通るような晴天。

 特殊加工されたタイル張りのメインゲート前 は、休日だということもありそれなりに人だかりができている。

 ゲート上空には、ホログラフにより館内の様子 ──ショウの中継や、人気の魚の映像など──が流れ、人々の視線は上か、前か、隣かに向いている。

 大海原に面した、巨大なアミューズメント・ パーク。 ヴィル・ヌーヴの国立大水族館『バチスカーフ』前にて。

「ま、た、あ、そ、び、かッ!!!」

 MORIは 怒っていた。


【天杜】:「だって……」

 入場権利を登録したクリスを握り締めて、少女は唇を尖らせていた。

「どうしてもきたかったんだもん」

【RL】:「優先順位を履き違えるな」

 とんとんとコメカミを叩く。

【天杜】:「……だ、だってね。もう、その、そう。魔導書、探さなくてもいいんだよ」

【RL】:「──なんだと?」 怪訝な顔。 「なんだ、ロッジとやらに連絡が取れたのか?」

【天杜】:「うん……でも、もう何かワタシ死んだ事になってて、帰らなくていいんだって!」

 しどろもどろ、と言った風だったが、最後のあたりは、晴れやかにそう言った。

【RL】:「……うれしそうだな」 毒気を抜かれたように、小さなため息。

【天杜】:「うん」

【RL】:「それで、どうするつもりだ?」

【天杜】:「もう、怖い事もしないでいいし、嫌な事もされないし、怖い人に会わないで済むし……う?」 羅列して指を折っていた顔を あげる。

【RL】:「それはおめでとう」 見下ろす瞳。

【天杜】:「どうって」

 水族館のほうを振り返り、ちらちらと見る。

【RL】:「……そのサキだ。あんなでかい水槽なんぞどうでもいい。組織という道標を失い、これから君がどうするのか、というな」

【天杜】:「……う」 考えないようにしていた事だった。 「……わかん、ない」

【RL】:「全く。これからどう生きていくかも分からず、遊びほうけるとはな」

【天杜】:「…………」

【RL】:「君の時間は有限、これと契約したことにより更に短縮される」

【天杜】:「………………」

【RL】:「それをこのようなくだらん場所で浪費するなど、此れの品位まで疑われるわ」

【天杜】:「……………………」

【RL】:「いいか、良く考え、これからどう生きるか、残り少ないその命をどう消費するかを──…」

【天杜】:「……かく」

【RL】:「君はもっと──……何?」

【天杜】:「せっかくこれから、水族館とか行くのに……。……いいよもう、一人で行くから」

【RL】:「……アモリ?だから、……おい。待て、勝手に行くな」

【天杜】:「やだ!」

【RL】:「先ずは宿泊先を決めてから──アモリ!!」

【天杜】:大声に、周囲の観光客がどうしたのかと振り返る。

【RL】:「…〜注目を集めるのは得策ではないと何度もいっただろう、学習しない魔術師殿だ、さっさと此処を離れ……」

【天杜】:「MORI は、直ぐ死ぬとか言うから嫌い」

【RL】:「──〜」 苛々とした様子が見えるよう。 「事実を言って何が悪い、君は現実逃避が趣味なのか?」

【アカシャ】:はじまった……!

【天杜】:「MORIは、死ぬ死ぬ、直ぐ死ぬって考えて生きるのが趣味のマゾ趣味のあるペシミストなの!?」

【RL】:「それなら君は頭の中に花でも生やしているロマンチストだな、それも最悪の部類だ。いずれ人は死ぬが、その平均より君は短 いのだぞ、その 事実をしっかりと認識しろ!そんなに夢を見るのがすきなら、麻薬窟で質の悪い煙を吸って涎でも垂らしていろ、お似合いだ」

【天杜】:「そんなの、MORIに言われなくても知ってるもん!」

【RL】:がし、と腕を掴み。

【天杜】:「嫌、離して!」

【RL】:「知っているのなら、君はもう少し冷静になるべきだ!怪異と戦えとは言わんが、無駄死にをされるのも寝覚めが悪かろう…… 暴れるな、お い!」

【天杜】:「いーやー!誰か、助けて、攫われるよっ!」

 じたばたと、暴れて周囲に向けてわざとらしくそう叫んだ。

【アカシャ】:ざわ……、ざわ……。

【RL】:周囲の視線が、痛うござる。

「なっ、おい、目立つなと…!!」

 ざわざわと周囲がざわめく。

  ピーーーーッ!!

 電子音。 ゲートの脇から、数台の直立した箱のようなドロイドが滑るように向かってくる。 ガードロイドが反応したらしい。

「なっ」

【天杜】:20歳ぐらいの男が、中学生に満たない少女のうでを無理やり掴んでいる。その流れはごく自然だった。

【RL】:流石のMORIも驚いたようだ。慌ててアモリの手を引いて、逃げ出そうとする。

【天杜】:がぶ。

【雲外鏡】:噛んだ、だと?

【RL】:「…だっ」

【天杜】:握る指を噛んだ。一瞬、手の力が緩んだ隙に、離れる。

【RL】:「なっ、お──」

【天杜】:ガードロイドが遮る。

【RL】:「くそっ、どけ、ポンコツ……アモリッ!!」

【天杜】:いくらか走って振り返る。


(イラスト:玻璃乃 真砂)

 その瞳には、今にも零れ落ちそうな程涙が湛えられていた。

【RL】:おまえ何故わざわざ、泣き差分をつくった。

【天杜】:なんとなく。ウケるかと思って。

 そのまま背を向けると、水族館のゲートをくぐって人ごみに消えた。

【RL】:「……」

 ざわめきが、背後に遠ざかり──……。


 ──SceneEnd...


【アカシャ】:なかちた……もり、わるいこ。

【RL】:がんばったのに……。

【アカシャ】:挽回するんだ……!

【天杜】:泣き顔かわいかったろ!

【RL】:かわいかったけど!くそっ、もっと泣かす。

【天杜】:おい。もっと泣かしてどうするんだ。

【RL】:あやす。

【天杜】:まっちぽんぷ……だと……。しかし、ほんとうに天杜が、MORIと喧嘩しかしてない件。これが、魔術争乱か……。

【アカシャ】:心の交流。

【天杜】:親密度上がってる?

【雲外鏡】:下がってる。

【RL】:一応。フラグは消化してるけど、好感度はさがってる。微妙に親密にはなってるかも。


■舞台裏

・雲外鏡

【雲外鏡】:登場失敗、D3。リサーチ:ヴィルヌーヴの魔術的動向について。

【RL】:<社会:アストラル><社会: ヴィル・ヌーヴ>、対応するコネ。目標値:10 18。

【雲外鏡】:<過去よりの使者>→イヤーゴ。DA =21。

【RL】:10:活発。世界魔術教会は勿論の 事、聖母殿汎元殿、その他もろもろの魔術組織のエージェントが入り込んでいる。

 中でも、M∴C∴A、殺戮と混沌の逆十字教団の活動が最も顕 著。大規模な魔術儀式の兆候が見られており、大多数の魔術組織はそれを解析・阻止する ために動いているようだ。

 18:だが、発見されたという報告は無い。組織の選りすぎるのエージェント達が捜索してもダミーの一つもなく、魔術儀式の詳細は謎。

  少なくとも、ヴィル・ヌーヴ市街地には魔術儀式を行う為の用意がなされた痕跡は皆無。


・アカシャ

【アカシャ】:登場判定:S4切り。リサーチ:“水”のヴィオレッタについて。

【RL】:……社会何だ……。持ってる社会でいいや。

【天杜】:ん?<社会:社交界>と かじゃねーかな。<社会:N◎VA><社会:アストラル> <社会: M∵C∵A><社会:ストリート><社会:社交界><社会:軌道>、このへんからやればいいん じゃなかろう か。

【雲外鏡】:おー、結構通じてるね。(笑)

【天杜】:クロマクだから。(笑)まぁでもこれ出しても、アカシックで調べるんじゃないか疑惑。

【RL】:うむ。

【アカシャ】:ですです……。(爆)

【RL】:<社会:アストラル><社会:M∵C∵A><社会:ストリート><社会:社交界 > <社会:軌道>。 対応するコネ、及び<コネ:ヴィオ レッタ>。制 21 。

【アカシャ】:<自我〉+〈永世者〉+<社会:アカシック>は可能?

【RL】:いいよー。

【アカシャ】:〈自我〉+〈永世者〉+〈社会:アカシックレ コード〉。【生命】4+4(永世者)+2(エトランゼ)+H7+4(報酬点)――21。

【RL】:制:カリスマ◎。"水"を司り、喜悲劇を愛する"Hexa"の紅一点。この世界を悲劇一色に染めたいと願っている。"星女 "天杜・ステラ の教育係であったという。

【アカシャ】:何という悲劇好き。

【RL】:21:"毒王古韻律"の封印解除法を発見している。

【天杜】:数 万人にげてぇえええええ。

【雲外鏡】:げぇぇ数万人などという、エキストラは居ない!

【RL】:  現在、着々と解除の為の準備を進めると共に、それに関する情報をばら撒いているようだ。本人は、海底神殿の捜索にて情報を得たというが──。

 BONUS!:配下として、しょごすと呼ばれる人造生命体を多数引き連れて いる。


【幕間】

 此方(こなた)は飽いた。

 水は好きじゃ。だが、のう。花が好きな乙女が居たとしよう。

 数百年と花びらに埋もれ、呼吸もままならず、さて幸せといえたものか?

 飽いた。飽いたぞ。

 戯れも、許してもらえるだろうの?

 ──ま、ハナから許しを請う気もないがの。


【RL】:よーし、雲外鏡のシーン…いや、アカシャのシーンだな。(笑)

【アカシャ】:ちーむ。(笑)

【RL】:もう、水族館の中でいい?

【アカシャ】:こちらはOK。


「悲劇かな、喜劇かな、ああそれとも──スラッ プ・スティク?」


●RESERCH#4 : LIFE.

◎Scene Card : KAZE ( 勇み足 )

○Scene Player: アカシャ

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』

【RL】:†BGM :『 君の温もりを感じて / 機神咆哮デモンベイン DISC1 O.S.T Track16 』


 人、人、 人。

 今まで見たことの無いような、人の群れ。

 上空に浮かび上がるのは、水面から飛び上がる スキヤキのイルカ──の、ホログラムだ。そう、理解はしているし、知識にはあるのだが。

 ぬぅ、と。 横から伸びてきた、カジキマグロのホログラフの角に、思わず言葉を失ったりする。


【アカシャ】:「――」

 これは、ホログラフ。光による、映像。だが、実際に、この眼で――光を捉えると、それが映像として、認識すると、やはり、反応せずにはいられない ――。

 目を見開き――織りなされる映像を――声も出せないままに追って。眼が――意識が、奪われている、と言う状態なのだろうか――。

【雲外鏡】:「――どう?」 くすくす、と小さな笑い声。 「わくわくしてる?」

【アカシャ】:「――……はい」 胸に手を当てなくとも、分かる、鼓動の大きさ 。

【雲外鏡】:「それは良かった」 微笑み、パンフレットホロを呼び出す。 「ここはヴィルヌーヴでも最大の水族館らしいね」

【アカシャ】:「カジキマグロ、マイワシ……イトマキエイ……」 目に映る水棲生物の名が音声として紡がれる。 「――はい」

【天杜】:国営か。

【RL】:うん。くに。

【天杜】:国の力を誇示するための施設なのかもしれん?

【雲外鏡】:それっぽいな。多分、全部がすきやき(※)だ。(笑)(※ 天然物の意味。ゲーム内の俗語(ニューロタング)。トー キョーN◎VAの世界では、自然の動物等がほぼ絶滅に瀕している)

【アカシャ】:うわー。(笑)

【RL】:うむ。

【天杜】:実は結構ガードとか、しっかりしてるんだろうな。ガラスは全部防弾仕様。

【RL】:割れたら大惨事or大損害だもん。下手なホワイトエリアのアーコロジーより警備強固かも。(笑)多分、戦車砲くらいなら耐 える。

【天杜】:RPG、ドンッ。

【RL】:アァァァァルッ、ピィッ、ジィ!

【雲外鏡】:防護点、爆20は堅いな。

【RL】:うむ。殴25あれば戦車砲防げるぜ。多分殴20でHP50とかだろうけど。

【雲外鏡】:「災厄前の世界中の海の生態系を、ほぼ100%再現してるそうだよ」

【アカシャ】:「災厄、前――」

【雲外鏡】:「うん。今の生態系は、これとは大きく異なってるから」

【RL】:ほぼ全ての魚が天然モノであることから、"泳ぐ宝石棺"とも呼ばれる稀有な規模の施設だ。 だが、どちらかといえば環境整備の技術の方にコストがかかっているだろう。

 中でも、高さにして100m近い──実際の海の深度分布を再現した円状水槽が目玉として押されている。

 この水族館を上から見れば、世界地図と同じ形になっている、というのは有名な話だ。 災厄前の、だが。──すなわち、その面積のほとんどが水槽なのだ。

【雲外鏡】:「言わば、ここは世界の縮図、かな」

【アカシャ】:「はい。再現されています――」

  “記録”を手繰れば――形状が一致していることが判明する――。

【雲外鏡】:「命をも内包したミニチュア。彼らにとっては、まごうことなく、ここが“世界”なんだろうね」

 水槽に指を滑らせ、硝子の向こうの魚をなぞる。

【アカシャ】:「彼等――」 指を差し 「ここにいる水棲生物たちのことですか。ここが、彼等の、世界。……」 その指を追うよう に、その先にい る、彼等、を追うように自然を泳がせる。

【雲外鏡】:「そう。此処で生まれ――たかは知らないけど――此処で生きてる」

【アカシャ】:「……ここより、外には、出られない……?」

【雲外鏡】:「そうだよ。これまでも、これからも。井の中というわけではないけど、彼らは大海を知らないかわずだね。アカシャはこれ を、どうおも う?」

 自身の口元に指を当てる。

【アカシャ】:「現在の海水とここの海水では各種成分の濃度・種類が違います。彼等がここを出ることは、彼等の生物としての終わりを 意味します ――」 口にしたことは、そうだと仮定して起こり得るだろう現象。 「“アカシャ”が、おもう、ですか……?」

【雲外鏡】:「うん」

【アカシャ】:「……」 じっと、水槽の方を見て。 「今の“アカシャ”は、水生生物の形をとっていません。ゆえに、彼等の感覚を人 間の感覚に置き 換えることは不可能と“考えます”――……。……――」 一瞬、眉をひそめるような、表情。

【雲外鏡】:「ん、どうしたのかな?」 その様子を、面白そうに眺めている。

【アカシャ】:「――ワタシハ、ソトヲ、シリタイ……」 ぼうっとした瞳で、呟く。 「……」

【雲外鏡】:「ソト、とは?」 重ねて問う。

【アカシャ】:「――檻ノ外、コノ世界ヲ包ム、広イ世界――」

【雲外鏡】:「さっきアカシャが言ったとおり、檻を壊したら、中身は死ぬ。それでも?」

【アカシャ】:「――」 ふっと振り返ったその貌は、に、と口角が上がったいたずらっぽい笑み。その貌は、今までにない、表情を宿ら せていた――。

【雲外鏡】:アカシャが、覚醒した。覚醒すると、スピードが3 倍になって、攻撃力が2.4倍。防御力が0.2倍になって、超必殺技のエフェクトがか わります。

【アカシャ】:ちょこっと、覚醒。スーパーアカシャ。

【天杜】:金髪になった。

【RL】:やめろよ。

【雲外鏡】:スーパーアカシャ人。

【アカシャ】:「――ソレデモ」 タン、と踊るように――歩み出た。

【雲外鏡】:「そう。それが“答え”か」 戦慄する。今まで鏡に映ったことの無い、知らない顔だ。

【アカシャ】:「ワタシガ サカナデモ キット アミノソト オリノソト ニ イコウト シマス。シンデシマッテモ ココロハ トマ ラナイ」

【雲外鏡】:「……」

【アカシャ】:水槽を、見上げて――この広い水槽の――さらに、その先、見果てぬ大海を――目指すような、瞳。

「……――」

【雲外鏡】:「アカシャ」

【アカシャ】:よし、スーパーアカシャ人タイム終了。

「……」 ふ、と眼が、水槽を捉える。耳がマスターの音声を捉える。 「……え」

 雲外鏡の方を向く――それは、先程見せたものではなく――。

【雲外鏡】:「……ううん。なんでもない」

 ほう、と息を吐き、首を振る。

【アカシャ】:「……?」

【雲外鏡】:「(コレは、安心、なのかな?)」

 苦笑。観察している対象の急激な変化についていけなかったのだろうか?

「(彼ならば、それを“未知”と言うのかもしれない)」

 それとも、その本質に気づくのが怖かったのだろうか?

「喉が渇いたから、何か買って来よう」

【アカシャ】:「――はい」

【雲外鏡】:「商品のラインナップは、アカシャなら解るよね。何がいい?」

【アカシャ】:「はい。オレンジジュース、グリーンティ、アイスティー……」

【雲外鏡】:海洋深層水とか売ってたらほれる。※飲めません、と書いてある。

【天杜】:海洋深層水で作った豆腐アイスクリームが売ってる。

【雲外鏡】:※食べられません、と書いてある。

【RL】:売んなよ。

【天杜】:美味しそうだろ。

【アカシャ】:ラインナップを一頻り述べ、 「アイスティーを」

【雲外鏡】:「かしこまりました。お嬢様」 優雅に一礼し、踵を返す。

【アカシャ】:その姿を、見送るように見詰め――。

【雲外鏡】:「すぐ戻るけど、知らない人に着いて言っちゃダメだよ」

 アカシャにのみ通じる冗談。彼女に知らない人など、居ない。

【アカシャ】:眼を、少し、見開き、

「はい。着いていきません」

 その言葉そのまま、というような調子で、返答をする。

 リサーチいっぱいしたら、水族館の人間が把握出来る!(嘘)

【雲外鏡】:「安心した」 ――彼女は檻の外に出たがっていたから。

 後半は言葉にはせず、少女から離れてゆく。

【天杜】:どうしよう、雲外鏡がきれい。

【雲外鏡】:きらきら。

【RL】:うむ。おかしい。

【雲外鏡】:いいひと!

【アカシャ】:いいひと……あれ、いいひと……。

【天杜】:怪しいい人。

【アカシャ】:人形のように、そこに佇み――。だが、水槽の落とす影に巨大な魚影が映ると、眼が、それを捉えようと、する。動くもの を捉えようとす るのは、人の習性――。

それともそうして、再び、視線を水槽へと、移した。

【RL】:


(写真:江ノ島水族館)

 ざあ、っと目の前を魚群が通り過ぎていく。

【アカシャ】:すいぞっくかーん。かるしうむ!

【雲外鏡】:おさかなさん!おいしい!雲外鏡は退場ー。

【アカシャ】:その動きを、じっと、見詰めて。

【RL】:じゃあアカシャが魚にきゅんきゅんしているところで……あもり、出る?次でいい?

【アカシャ】:きゅんきゅんしてます。

「マイワシの……群れ……」

 これが、生きている、実際の――思わず口から出た言葉にすら、戸惑いを覚えることなく、ただ、魚たちの織りなす世界を見詰めていた。

【アカシャ】:―― ワタシハ シラナイコトガ イッパイアルノ。ダカラ モット モット イロンナ バショヘ  イロンナ ヒトタチト。

「――!?」

 はっと、気が付いたように 、

【アカシャ】:「(……だ……れ……? 今のは、何……誰かの、“記録”が混ざった……?)」

 頭を抱えるかのように、小さく、呻いた――。

【天杜】:ちょ。(爆笑)

【アカシャ】:まっちぽんぷ。超マッチポンプ。

【雲外鏡】:超アカシャ人。

【アカシャ】:「(“刻歴葉”が棄却されていく。更新された“刻歴葉”は雑音が入り交じっている……)」

 ぞくり――心の臓を、何かが、撫でる。

 人間の使う時間にして、あと、30秒――そうして、マスターが、戻ってくる。

 ざわつく鼓動を鎮めるかのように、時間を計測し始めた。

【雲外鏡】:どうしよう。アカシャが止まらない!

【アカシャ】:マスターの代わりに、きっと天杜がそこにいる。(爆)アカシャ、マッチポンプ、終了。

【天杜】:あもりがくる、だと?

【RL】:なん、だと。


        ──SceneEnd...


■舞台裏

・天杜

【天杜】:何調べるかな

・"螺旋断簡佚書" MORI について。

【RL】:ゲラゲラ。今更、これがくるとは…!!

【雲外鏡】:ついに、パートナーの秘密を!

【天杜】:先生が調べろっていってたから。(笑)

【アカシャ】:ああ、先生の助言に従って。

【RL】:<社会:アストラル><社会:楽 園><コネ:MORI>。目標値:制 15 《神業》。

 そういえば言うの忘れてたけど、キャンペーン中、情報隠蔽神業とかは持続するからね!

【天杜】:ねー、コネ同士って組めるんだっけ、だめなんだっけ。

【RL】:コネ同士?コネ二つ以上ってこと?

【天杜】:うん、別の人のコネとコネ。

【RL】:くめるよ。スートあってれば。

【天杜】:<コネ:MORI><コネ:UR><交渉>

【アカシャ】:UR(※)のコネだー。なんか、きらきらする! (※ 難攻不落っ!内で連載された魔術争乱のメインヒロイン)

【天杜】:URを楽園社会がわりになんねーかなーって思って。【理 性】:6+10+コネ3=19。

【RL】:制: 輪廻と円環、世の流転の理を綴った紙片。間接的に時空と次元を歪曲する術を記し、長き手を持つ神を讃えるという。

 その名の通り既に散逸し、遺されたのは僅か十数頁。最後の頁だけは内容とは関係なく、ただ数百の名だけが刻まれている。

 マヤカシ◎。精霊は、二十代前半、死人の様な生気の無い男の姿をとる。

 15:魔導書の精霊として、男性型というのは非常に希少である。

【天杜】:「MORIって三毛猫だったの?」 って言う。

【雲外鏡】:高く売れます。

【アカシャ】:三味線。

【天杜】:わーい!食うに困ったら売ります!

【アカシャ】:質屋にそーい。

【RL】:うんなよ。

【天杜】:だって優しく無いし。

【RL】:神の召還のプロセスに関係するのだが、ともかく汎用性は失われる。わざわざ男性を用いるということは、ある魔術師専用とし て作られたか、 もしくは何らかの事情が介在すると思われる。

・BONUS!

 かつて楽園には、MORIという名を冠する巫女が存在した。


【RL】:というわけで次は誰のシーンにする? アカシャかな。

【アカシャ】:あかしゃんと迷子!

【天杜】:迷子の遭遇。

【雲外鏡】:アカシャと迷子の星女、なんかのタイトルみたい。

【RL】:大長編どらえもんみたいだな。じゃあ、大水槽の前にでもいくか……。アモリは好きに登場するといいよ。適当な社会、もしく はコネで成立で いいや。

【天杜】:ういよー。


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