●RESERCH#5 : E.NI.SHI.

◎Scene Card : KAGE-MUSHYA ( 苦労が報われない )

○Scene Player: アカシャ

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』

†BGM :『 鈴蘭 / VALKYRIE PROFILE O.S.T DISC2 Track20 』


 

 薄暗い通路の影。小さな窓から、ちらちらと群れから離れた魚の尾が見える。

 マスターが戻ってくるまで後──……。


【アカシャ】:声に出さず、数え続け、3……2……1――振り返る。

【天杜】:<コネ:アカシャ>【外界】:9+J= 19。

【RL】:きたあああ。

【天杜】:くそーーーー札があああ。

【アカシャ】:数値が、大きい……!

【RL】:ゲラゲラゲラ。

【天杜】: どんッ!!!

 振り返るアカシャに正面からぶつかる。

【アカシャ】:「――」

【天杜】:意外としっかり立っていたアカシャに対し、ごろんと後ろに転げた。

「あうっ!」

【RL】:何故、転げた。

【雲外鏡】:どーん!これがあもりの全力!

【アカシャ】:「……え」 マスターじゃない。

【天杜】:一生懸命身体を起こし、 「ご、ごめんなさい……」 と見上げる。 「余所見をして、ました」

【アカシャ】:目の前の、転げた少女を、ぼうっと見詰め――虚をつかれたような、ぽかんとした表情。

【天杜】:強かに打った――床が絨毯だったのは幸いした――背中を撫でる。 尻餅をついた姿勢だったが、周囲の目を気にして慌てた。

「わ、わっ」

【アカシャ】:「――あ。ダイジョウブ?」 すっと、手が差し伸べられる。

【天杜】:「あ、はい、大丈夫です」 有難う。そういって、手をとった。

【雲外鏡】:顔をあわせるのは初めてか。

【アカシャ】:「ケガハ……無いですか?(――え……)」 手が、自然と、少女を引き上げる。

【天杜】:RL、手をとったよ。アレあるの?ダウンロードうんにゃらってやつ。いつも、あったやつ。アカシャは無いのかな。

【RL】:……ごめん。すっかりわすれてた。ある。

 どくん。

 眩暈のような、それを。触れた指先から、波紋のように広がる衝撃を。

【雲外鏡】:物語が加速していく!

【アカシャ】:って、アカシャがDLされるー!

【天杜】:「え…」

【アカシャ】:「……(――っ……!!!!)」 こちら、が意図せず差し伸べていた、手、から。何かが、伝わってくる――。 「(こ れは……!)」

【RL】:【全 ■万界刻歴■■子第10132葉】【ダウ■ロード開始】【転写■行】【物■加速】

    ザッ!!!

             ザザザザッ!!!

ノイズが脳を焼く。慣れる事などできない感触。 それは天杜だけではなく、アカシャもまた同一。

何かが流れ込む。記憶の蓋にヒビが入る。鬱屈し た泥が希釈され、稀釈され、掻き乱され、こじ開けられる。 だが、それも一瞬──。

【ク リア】【クリア】【完了】【保存】【適応】【シークエンス進行⇒セカンド】【コンプリート】

  【⇒Next ■■■】

  ザッ  ザザッ。

ノイズが薄れていく。ちかちかと星が瞬く視界 が、ゆっくりと──。

【アカシャ】:な、何かされた!

【天杜】:「あ……ああああああ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛……」

 手を握っていた、まま床に座り込む。手の……主は………。

「き……ミは」

【アカシャ】:「―――――(〜〜〜〜っ!!!)」音声・人間の言語では表せない叫びが、アカシャに満ちる。目の前の少女と同じく、 力無く、がく り、と膝をつき――。

【RL】:よし、おわた。

【天杜】:「キミは……」

【アカシャ】:「……」立ちくらみを起こしたような、朧気な瞳で、少女を見詰め返す。

【天杜】:今や、同じ高さで見詰め合うように二人の少女は

「雲…外鏡の、魔導書、“全世万界刻歴光素子第10132葉”……?」

 うわごとのように、先ほどのDL事項を口にする。…………DL?何の事なんだろうか。“全世万界刻歴光素子第10132葉”ということは、あの鏡 の 神を降ろした、魔導書ということになる。

【アカシャ】:今の衝撃で、はしたないことをしようか。

【RL】:なん、だと?

【天杜】:記憶とんだとか、言う気か。

【アカシャ】:「……」 片方の手が、自身の額に置かれる。頭痛を、庇うような、仕草。軽く、首を振り。

「ん……。うん……がい、きょう?まどうしょ?ぜん……」

 きょとん、とした、表情で。だんだんと、眼に光。すくっと立ち上がり――その勢いでまた、目の前の少女を引き上げる。

「大丈夫ですか?ごめんなさい。立ちくらみか何か起こしたみたい」

【天杜】:「あ、ううん、こっちこそごめんなさい。ワタシがぶつかったせいだよね」

 その様子を、不思議そうに見ながら。

「……あの、雲外鏡は……一緒なのかな……」

 言いにくそうにそう言った。

【アカシャ】:「いいえ、貴方のせいじゃない」 と微笑んで。 「…… うんがいきょう? 雲外鏡って、何かしら」 きらりと、好奇心に目が光る

【天杜】:お い。予想通りだぞ。

【アカシャ】:てへ。

【RL】:雲外鏡、忘れられたぞ。

【雲外鏡】:なん、だと。

【アカシャ】:天杜と会ったら、やろうとおもっていた。(爆)記 憶が飛びました、というか、何かが目覚めました。

【天杜】:「え……?」

【アカシャ】:「一緒にいるものなの?不思議なことを言うのね」

【天杜】:「えっと、キミの契約者、マスターじゃないの?」

【アカシャ】:「契約者?マスター?……ごめんなさい、よく分からない」

【天杜】:「……」 ぽかん、と口をあけて。 「えと……」 自分の勘違いだったんだろうか。「へ、変な事言ってごめんなさい」

【アカシャ】:「……くすっ、不思議な子」

【天杜】:今まで、魔導書に触れたときに起こった事だったから、てっきり彼女は……魔導書だと思ったのに。そして、周りがこちらの騒 ぎから興味を 失った――あるいは、急に悲鳴を上げた二人にかかわりたくないのか遠巻――人々を見る。

【アカシャ】:「私は――あれ……えっと……」

【天杜】:「え?」

【アカシャ】:「……えん……じゅ」

【天杜】:「エンジュ?」 名前か、と思い当たる。 「ワタシは、天杜」

【アカシャ】:「……天杜。天杜という名前なのね」 にっこり微笑み。

【天杜】:「エンジュはここに、誰ときてるの?」

【アカシャ】:「…………え……」 その表情は――一旦フリーズしたかと思うと、 「……え、どうして、わたし、ここにいるのかし ら……?」

【天杜】:「………はい?」

【アカシャ】:「え、ここ、どこかしら」

【天杜】:「え」

【アカシャ】:「ごめんなさい、私、分からない……あれ……どうして……あれ……」

 ぐるぐる、目まぐるしく戸惑いの表情。

【天杜】:「あ、う。さっきぶつかった時頭打ったの?エンジュ」

 ごめんね、と慌てて手を握る。

「ここの、係員の人に話して病院行こう。ごめんね、ごめんね」

【アカシャ】:「いいえ、天杜、貴方のせいじゃない。だって、私、倒れても、頭を打ってもいないもの、それは、分かるわ」 苦笑し た。

【天杜】:「と、とりあえず病院、行こう」 ぐ、と手を引く。

【アカシャ】:「どうしてここにいるのかしら……」 と他人事のように呟き。 「天杜は、天杜は、誰かと来ているの?」

【天杜】:引いていた手が、ふ、と緩んだ。

「……ううん、一人だよ」 少し困ったような顔をして。

【アカシャ】:「……」じっとその目を覗き込むように

【天杜】:何かが見透かされそうで、目をそらした。

【アカシャ】:「迷子になっちゃったの?」

【天杜】:「し、失礼だなぁ!迷子になるような年じゃないもの!」

 小学生。立派にそう見える外見だが。

「ここに来たかったから、一人できただけです」

 腰に手を当てて、ぷいと横を向いた。

【アカシャ】:「あ、ごめんなさい。――貴方は一人でここに来たのね」

【天杜】:「そうだよ」

【アカシャ】:「どうして?」

【天杜】:「……え。………」

【アカシャ】:「どうして、一人でここに来たの?」

【天杜】:「水族館、見てみたかったから……」

【アカシャ】:「――」 その言葉に、弾かれたように、顔を上げ―― 大水槽を、ぐるりと見回した。

【天杜】:「昔ね、見た本で、遊園地とかそういうアミューズメントパークがすごく面白そうで」

 その様子を他所に、自分の指をつんつんと胸の前で突き合わせながら。

【アカシャ】:「――スイゾクカン そう、ここは、水族館と言うのね」

【天杜】:「一回見てみたかったの……うん、そうだよ」

【天杜】:蒼い光が、二人の少女をゆらゆらと優しく照らす。

【アカシャ】:「本。遊園地、アミューズメントパーク……」輪唱するように。

【天杜】:「それでね」

【アカシャ】:「うん」

【天杜】:「来てみたんだけど……」 水槽を見上げる。

【アカシャ】:きらきらと――目を輝かせながら、天杜の話を訊き――。

【天杜】:「大きいし綺麗だし、感動したけど」

【アカシャ】:「そうね、凄いわ。こんな沢山の――魚を見たこと無い。初めて」 その続きを促すように。 「うん?」

【天杜】:「一人で見るのつまんないな……」 水槽に小さな手を沿える。厚みのあるガラスは、その向こうの水温を手には伝えてくれな い。

「すごいねって言っても、そうだねって言ってくれる人がいないとつまんないね」

 ぽつんと少女は、水槽の上の上を見ているようだった。

【アカシャ】:「……それなら。一緒に見ましょう」

【天杜】:「でも、病院行かないと」

【アカシャ】:「どうして?」

【天杜】:「エンジュ、記憶喪失、……ぽい?じゃない?」

【アカシャ】:「……。病院行くと、それ、治るの?」

【天杜】:「わかんない……」

【アカシャ】:「天杜は、病院に行きたいの? 水族館を見たいのでしょう?」

【天杜】:背中で手を組むと。 「……でも、そうだね、うん。もし、良ければ、後で病院はいくとしても――ワタシの気がすまないし――取り 合えず順路どお りに一緒に…お魚見てからいこっか」

 アカシャに、自分にうなずきながら。

【アカシャ】:ヒロインを横からかっさらうむーぶ!?(爆)

【RL】:だんせいじんほうち。

【天杜】:ばか、野郎デートはじまります。

【雲外鏡】:おわた。

【アカシャ】:じゃ、女の子はきゃっきゃっしてよう(爆)

「ええ」 にっこり笑って、 「そうしましょう。私も、ここを見ていきたい」

【天杜】:「……うん!あのね、一人で魚見てると、別の本で見たお話でね」

【アカシャ】:「うんうん」

【天杜】:「こう、失恋しちゃった女の人が、さなかを見てへこむっていう話があって、なんかそれっぽくていやだなーっておもったん だ。二人なら違う し、平気だよね!」

 きっと、日本系のラノベじゃない感じの女性向け小説とかでありそう。OL主役なやつ。主人公不倫とかしてる。

【RL】:おい。具体的に言うな。

【天杜】:ヴィオレッタ先生がくれた。

【アカシャ】:なんか、こう。江國香織とか女流作家な雰囲気。

【RL】:ヴィオレッタほんと自重。けどあいつレディコミ似あうな……。

【アカシャ】:「天杜は、いろんなお話を知っているのね」 と、感心したように言うと、 「2人なら、違うわ」 大きく頷き。

【天杜】:「じゃあ、これ、見たい」

 この水槽に入ってるという魚の説明の一つを指差す。マンタ。そう、描いてある。

「このぺったんこで、ひらひらーとしてるの、見てみたい」

【アカシャ】:「私も、見たい――こんな魚が、いるのね」

【天杜】:「うん。……水の中を自由に泳ぐってどんな感じなんだろう」

 周回魚を、目で追いながら。

【アカシャ】:「――凄い……」 ぽつりと呟く、 「どんな感じでしょうね。楽しそう」

【天杜】:「いこっ」 握っていたままの手を引いて。

【アカシャ】:「ええ」にっこりと――頷いて、その小さな手を優しく握り返した 。

【RL】:■Instant!!

【アカシャ】:何かインスタント始まってる。

【天杜】:ゲストがいんすたんと成長した。

【RL】:・精霊体"独立紙片"

     └[05]ウォッチャー:相当品 

<コネ:天杜・ステラ>、【理性】5+3=8。

【雲外鏡】:見られた。

【アカシャ】:ちびもり?

【天杜】:ちびもり。

【RL】:「……全く」

 天井すれすれ──光量も抑えられており、気づくものは居ない──に、ぱたぱたと蝙蝠のような羽音。身長20cm程の大きさの、小型化した MORI──独立行動用の精霊体だ。

【雲外鏡】:ぱたぱた。

【アカシャ】:かわいい。ぱたぱた。

【雲外鏡】:ぽてん。

【アカシャ】:ぺちん、落ちた。

【天杜】:ぶ ぎゅる。

【アカシャ】:踏まれた。

【雲外鏡】:ぷ ち。

【アカシャ】:弾けた。

【天杜】:ぶギュるるるるるるるるるるるるるるるるるるっ。

【RL】:おい。

「厄介なことに巻き込まれおって。……とりあえず、追うか」

 物陰に着地し、頁に包まれたかと思うと元の姿へと戻る。

「我侭なマスターを持ってしまったものだ──」


                  ──SceneEnd...


■舞台裏

・雲外鏡

【雲外鏡】:登場失敗C3、S4破棄。以上。

【アカシャ】:いよいよ、野郎デート、始まります。ですか。わくわく。

【天杜】:わくわく。わくわく。ずっとまってた。

 ひかり きれい。やろう みえる。

【アカシャ】:やろう ふたり。

【雲外鏡】:おい、おちつけ。

【RL】:まだでねーよ。イベントあるよ。


●RESERCH#6 : ORDO

◎Scene Card : HIRUKO ( 女神のような存在 )

○Scene Player: 雲外鏡

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』

†BGM :『 摩天楼の夜は魔性に魅入られて / 機神咆哮デモンベイン DISC1 O.S.T Track10 』


 戻ってみると、誰もいなかった。

 行きかう人々、水槽の中を悠々と泳ぐ魚の群れ。それだけ。


【雲外鏡】:「――…」

【アカシャ】:マスターを、置いていく魔導書。

【雲外鏡】:カップを二つ。片方にはアイスティー。片方にはい炭酸飲料。両手にそれらを持ったまま、立ち呆け る。

【RL】:赤黒い……だと……。

【アカシャ】:某大陸の国民的飲料……?

【雲外鏡】:某大陸の国民的飲料を作ってる会社が作ってる別の飲料。20種類のフルーツフレーバーが美味しさの秘密。まいきゃすと は、例外なく好き です。

【アカシャ】:20種類!

【雲外鏡】:「えーと……」

 落ち着くため、右の手のカップを傾ける。こくん。20種類のフルーツフレーバーが売りの炭酸飲料が、軽く喉を焼く。

【アカシャ】:うわー、マスターごめん。(爆)

【雲外鏡】:「もしかして」 けほけほ、と咳き込み、呟く。 「振られちゃったかな?」

【RL】:客の数は多い。全部かき集めれば、冗談抜きで小さな都市の人口に匹敵してしまうかもしれない。IANUSが入っていればま だしも、ウェッ トである彼女の捜索は骨が折れそうだ。

 入場IDも──そういえば、雲外鏡の手の中にある。

【RL】:ふと。

 薄暗い証明の下に、ホログラフで編まれた看板があるのに気づいた。

【 占いコーナー 】

 チープなデザインで、何故か一人として客はいなかった。

【雲外鏡】:「ふむむ 困ったときの神頼みも悪くないよね?」

 とりあえず、手に飲料をもったまま、占い小屋へと入ることにする。

「たのもー」

【RL】:薄いヴェールをめくる──一応、対電脳仕様な筈だ──と、そこには一人の女性がいた。

 いまどきCDな、オペラにでも出てきそうな白いドレス。白い髪、白い肌。飾り気の無い衣装ながら、髪飾りに茨と薔薇の花が一輪。その鮮烈な赤だけ が 目に付く。

「いらっしゃいませ」

 仕切りで覆われた狭いスペースには、ただ赤いクロスを敷かれた小さなテーブルが一つあるだけ。

【雲外鏡】:「(赤色、を除けばまるで鏡写しだね)」

 自身の姿と重ね合わせ、魔術師を廃業したら占い師になるのもよいかも、と考える。テーブルの前でよしなしごとを追い払い、微笑。

「やぁ、こんにちは。通りすがりの振られちゃってブルーな青年なんだけど、占ってもらえるかな?」

【RL】:「ええ、かまいませんよ」 平坦な声。 「何を占いましょう?」

 彼女は──年齢がどうにも判断しずらい──ずっと、瞼を閉じたままだ。もしかしたら盲目なのかもしれないが、ニューロエイジでは珍しい。

【雲外鏡】:「檻から逃れんとする彼女の行方を」

 この占い小屋の前に居たから、もしかしたら行方を見ていたかも知れない。

「(そう思って入ったが、占い師が盲目となると期待はできないか)」

【RL】:「どちらのことでしょう?」

 口元に微かな笑みを浮かべながら、問い返してくる。

【雲外鏡】:「……?どちら?」

【RL】:「あなたと面識がある方でしょうか。この先めぐり合う方でしょうか。どちらか一つだけ、教えて差し上げます」

 どこか楽しそうですらある。

【アカシャ】:これは うさんくさい 占い師。

【雲外鏡】:「どっちかだけなんだ?けち」 わざとらしく、しかめつらをつくる。

【RL】:「予言に頼りすぎてはいけません」

【雲外鏡】:「ははっ、それは占い師の言う台詞じゃないよ」

【RL】:「ええ。けれど、予言として言葉にされた時点で、運命が書き綴られてしまいます。その瞬間、あなたは運命の虜になる」

 くす、と笑う。

「世界の一部分として、予言をかなえるタメに動いてしまうのです」

 それは、悲しそうでもあり、楽しそうでもあり。

【雲外鏡】:「――面白い考えだね。僕の知っている人も同じ様な事を言っていた」

【RL】:「それは奇遇ですね」

【雲外鏡】:「世界という葉に書かれた物語は、言わば推理小説みたいなもの。ページをすっとばして、最後の項にある犯人の名を見てしまったら、ペー ジを戻り、過程を踏まえなおしたとしても、結果は変えられない」

【RL】:「すばらしいお言葉です」

【雲外鏡】:「この場合、犯人にあたるのは僕の意中の人。そういうことかな?」

【RL】:「ご想像にお任せします」

【雲外鏡】:笑って、腕を組もうとする。ドリンクが邪魔で失敗した。

「じゃあ、こういうのはどうだろう?僕が占って欲しいのは1つ」

 ぴ、と指を一本立てる。

「果たして僕は」 赤黒い飲料が、揺れた。 「過去と未来、どちらを質問する?」

【RL】:「未来でしょう」 考える間も無く、そう答える。 「私に問う方は、皆未来を問いますもの」

【雲外鏡】:「理詰めだね。占い師を誤解してたかも」

 くすくす、と笑い。

【RL】:「占い師は人を騙す詐欺師です。預言者は、世界を騙すペテン師です。そういうものですよ」 笑い返す。

【雲外鏡】:「怖い怖い。それは騙されないようにしないと。でも、もう遅かったかな?正解だよ、なにせ、さっきの質問自体が未来を問 いかけてたか ら」

【RL】:「ええ」 くす。

【雲外鏡】:「“だから”、僕は、貴方にはこれ以上、問わないことにする。さっき、探し人の一人に質問をしたんだ。水槽を世界とする 魚達は、その檻 から逃れたいか、と。彼女は逃れ、世界を知りたいと答えた。でもね、逃れた先にある世界も、結局はまた1つの大きな檻にしか過ぎない」

【RL】:「檻なんて、存在しませんもの。檻と思えばこそ、檻となるのです」

 人の性ですわね、いつの時代も、と続ける。

【雲外鏡】:「運命という鎖に捕らわれるのも、占い師に未来を聞くのも、似てると思うけどなぁ」 苦笑して。 「ありがとう。良いお 話を聞けた。御代はいくらだろうか?」

【RL】:「喉が渇きました」 そう言って、目を閉じたまま。 「何か一杯頂けます?」

【天杜】:飲み物要求、だと?

【雲外鏡】:「……アイスティーでよろしければ」 少し迷ってからテーブルにカップを置く。

【RL】:「毎度有難うございます」 手をつけずに。 「長き手持つ異神の教典か、救世主の狗をお探しなさい。──と、貴方に呪いを かけておきます」

【雲外鏡】:「!――…」

【RL】:そう言って、彼女は薄らと笑った。カップを取って、ずずー、と啜る。ペースは遅く、もう話すことは無いといわんばかりだ。

【アカシャ】:さようなら、わたしのあいすてぃー。

【雲外鏡】:「凄い呪いだね。物語のネタバレをされてしまった気分だ」

 これも、檻、だろうか。

「貴方とはまた会いたいな、占い師さん。呪いを解かないと」

 それを見越していたように、小屋を後にする。

【RL】:よし、表をしめるかもしくはモリを見つけてください。別の行動でもいいよ!

【雲外鏡】:お、このシーンで?

【RL】:うん。軽く会話して切るけど。

【雲外鏡】:「ふぅ」 吐息を吐き、水に囲まれた廊下を歩く。 「う さんくさい人だったなぁ」

【RL】:お前が言うな。

【アカシャ】:うさんくさい

【雲外鏡】:占い師という職業を1つ詳しく知り、逆にまたあやふやになった。

「やれやれ。アカシャを迷子にしておくわけにもいかないし、呪いに従うとしようか」

 なにせ、あの占い師が言うには、未来を知るものは詐欺師だそうだ。そうなると、自分のパートナーは世界一の詐欺師ということになる。放っておくと 後 が怖い。

【RL】:世界一の詐欺師である。

【アカシャ】:あいあむ なんばーわん ぺてんし。

【雲外鏡】:「――…“Alice in the Mirror”」

【感情】7+CQ+5=22。

【RL】:またなんか、でた。

【雲外鏡】:そろそろエニグマよんどかないと、戦闘入ったときこまりそうだとおもった!

 力在る呼びかけと共に、傍らに姿見が現れる。

「鏡よ鏡よ鏡さん。“長き手持つ異神の教典”はどこかな?」

<過去よりの使者>→MORI 【生命】2+HK=12

【RL】:どんっ、と。雲外鏡の肩に、何かがぶつかる。

「……邪魔だ」

 謝りもせずに、そう呟くのは。

 異界の気配を纏う男だった。

【雲外鏡】:「探し人は鏡の向こう、か」

 姿見に映った自分と男を見て、振り返らず鏡越しに話しかける。

「――やあ。僕の名前は雲外鏡」

【RL】:「──珍妙な名前だな」

 ぴた、と足を止め、同じく振り返りもせずに答える。

【天杜】:もり、うんがいきょーの名前忘れたのか。

【RL】:多分忘れてる。

【天杜】:おい、記憶容量少ないのか。

【RL】:きょうみがない。

【雲外鏡】:「褒めてくれてありがとう。君も中々に摩訶不思議な名だと思うよ。“螺旋断簡佚書”」

【RL】:「──……。思い出した。聞いた名だな」

 背中合わせに、少し声に剣呑な響きが混じる。

「貴様の魔導書はどうした。言っておくが、マスターに危害を加えるならば、防衛せねばなるまいぞ」

【雲外鏡】:「うん?嫌いな呼びかけだった?そうなら、ごめん。MORI、の方が適切かな?」

【RL】:「それも好きではないのだがな」 好悪はどうでもいい、と流す。

【雲外鏡】:「まさかまさか。僕は良い雲外鏡だよ。自分から人に危害を加えないのがモットーなんだ」

【RL】:「貴様の様な者が最も危険だ。大局で見ればな。答えろ。此れはマスターの意向を叶えてやらねばならん。最期の時までな」

 MORIが警戒している。

「その邪魔はさせんぞ。何故此処に居る」

【雲外鏡】:「むー。なんで皆して僕を敵視するかなぁ。えーっと…どう呼んでいいかわからないね。とりあえず、螺旋の君とでも呼ばせてもらうよ」

【RL】:きもい。(笑)

【雲外鏡】:「僕が此処に来たのは、魔道書の回収作業――をしに来た人たちの願いを叶える為だよ」

【RL】:「……」

 胡散臭い、と表情で語る。見えないが。

【雲外鏡】:「え。正直に答えたのに、なんでだまるのかな。螺 旋の君」 お手上げ。炭酸飲料が大きく揺れる。

【RL】:「……その呼び方は止めろ。なんだ、本当にこの近辺に魔導書があるのか?」

【雲外鏡】:質問に頷き。 「それが願いとあらば。相応しい呼び名を教えて欲しいな」

【RL】:「……MORIで構わん」 答えて、さっさと歩き出す。

【雲外鏡】:「では、MORI君」

【アカシャ】:もりくん。小学校みたいだ。もりくん。

【雲外鏡】:立ち止まったまま。

「問いを返すけど、MORI君が此処にいるのはそのためじゃないのかい?」

【RL】:「──……マスターの意向に従っただけだ。此れは用がある、邪魔だけはするなよ」

 あもりを、さがしにいきたいもりさんであった。

【雲外鏡】:「星女様かー。ああ、まってまって、邪魔はしない。というかね」 慌てて呼び止め。

【RL】:「なんだ」 苛立った様子で首だけ振り返る。

【雲外鏡】:「MORI君自身に、願いはないかい?ここであったのも何かの縁だからね。魔道書の願いをかなえるのは、“一人を除い て”意味の無いこ となんだけど」 フフ、と笑い。

【RL】:「…………。今は、迷子の心臓を探し当てたいくらいだ」 ため息。

【アカシャ】:素直だ。

【雲外鏡】:「なら、ちょうどいい。僕も探すのを手伝うよ。僕の魔道書も行方不明なんだ。ひょっとしたら一緒に居るのかもしれない」

【アカシャ】:願いはないかいと問う姿に。ああ、雲外鏡だ、と思った。(爆)

【雲外鏡】:でも、魔道書の願いは基本的にかなえない。自分とは本質が違うから、自分探しの手がかりにならない。(笑)

【RL】:「……」 うろんげな目。 「勝手について来い」

 もう交渉するのも面倒だと思ったのか、足を進める。

【雲外鏡】:「ありがとう、MORI君。きみ、いい人だね」

 ふ、と鏡を消し。振り返る。

「それじゃあ、行こうか。道すがら、あれからの星女様の話を聞かせてよ」

【RL】:「お断りだ」 こっちだ、といって通路の奥に早足で向かう。

【雲外鏡】:「つれないなぁ。人付き合いが下手だと、マスターに嫌われるよ?」

【RL】最期に描写いれるから、退場してくれ!

【雲外鏡】:ずずーとドリンクを飲み干し、ダストシュートへ投げる。……外れかけた。あぶないあぶない。

【RL】:ふわり、と。薔薇の香りが漂う。


【雲外鏡】:おまえか!

【アカシャ】:薔薇の、香り……!だれー!でも、絵は見たこと在る!

【雲外鏡】:いや、だれかはしらない。

【RL】:「お疲れ様」

 瞼を閉じたまま。

「あなたは、まだ、それでいいの」

 苦笑したように言った。

【雲外鏡】:OPの紫の薔薇の人。


                       ──SceneEnd...


【アカシャ】:そのころ、一方のマスターと一方の魔導書は、シュモクザメをグルグル追ってる。(爆)

【RL】:おい、シュモクザメ追うな。

【天杜】:追ってる、だと?追ってそう……。

【アカシャ】:大きいー、泳いでるー、ぐるぐる、わー。


■舞台裏

・天杜

【天杜】:特定の魔導書に触れると度々起こる現象についてリサーチ。

【RL】:<自我><社会:楽園><社会:黎明の海星><コネ:魔導書><コネ:黎 明の海 星><デジャ・ヴ><過去よりの使者>

【アカシャ】:お。同じ事を調べようと思っていました。

【RL】:目標値:10 16 《神業》。

【天杜】:クッ 。<交渉><社会:M∵C∵A><コネ: MORI><コネ:アカシャ>。【外界】9+7+コネ4=20

【RL】:10:何らかの情報体を、天杜の身体へと流し込んでいる。

  魔導書の意ではなく、どちらかといえば天杜の肉体が"そのように出来ている"。水が高いところから低いところへと流れるように、その伝達はごく自然な行為 であるようだ。

  現在まで特に身体への影響はないが、"星女"としての力は高まっている。

16:魔導書にとって情報とは存在そのものであり、流れ込む魔導書には、全てとある共通点があるようだが── 。

《神業》

【天杜】:共通点かー、皆写本とかか?


・アカシャ 

【アカシャ】:登場判定:D4切り、先程のリサーチを魔導書側から調べても、同じ?別の側面が見られたりするかしら。

【RL】:おんなじ。なおこの神業隠蔽の突破の方法は、1:神業で突破、2:全部の魔導書を見てみる、です。

【アカシャ】:ふむー。同じ情報をサーチしよう。情報共有は今の段階だと出来ないと思える。札を回す意味でも!リサーチ:天杜と触れ た時の現象につ いて。

【RL】:<自我><社会:楽園> <社会:黎明の海星><コネ:魔導書><コネ:黎明の海 星><社会:アカシックレコード> <デジャ・ヴ><過去よりの使者>。目標値:10 16 《神業》。

【アカシャ】:〈自我〉+〈永世者〉+〈社会:アカシックレコード〉。【生命】4+4(〈永世者〉)+2(エトランゼ)+H3――13。

【RL】:では、上のと同じ10までのほぼ同じ情報が出た。

 次のシーンはえーと、天杜だから舞台指定ください。

【天杜】:なにすっかな。よし。アカシャともはぐれた!

【アカシャ】:どーん!?

【天杜】:追っかけるのに夢中になりすぎて、振り返ったらいな かった!

【アカシャ】:迷子、第2章開始である。

【天杜】:ちゃうねん、MORIともデートせなあかんなと思い 出した。

【アカシャ】:それは、やるべき。

【天杜】:つい楽しくて、迷子ったけどそういえば好感度上げる シナリオだったはずだ……ふ、危なかったぜ。

【RL】:要望をきこうか!何がしたい!

【天杜】:そろそろもりと水族館を見る段階かと思ったから、天杜のシーンだったら合流かなという。なのでその合流前にやりたいシーン があったら先に そっちから回して欲しい。

【RL】:そっちはどうよ。

【アカシャ】:お二人に任せるっ。天杜のシーン、好きにやるのです!

【雲外鏡】:おまかせしようっ。

【天杜】:じゃあアカシャとはぐれました。

【RL】:把握。MORIも雲外鏡とはぐれた……だと?じゃあ、円状水槽の前でいいね。

【天杜】:ういよー、最下層か?

【RL】:うむ。


●RESERCH#7 : DEEP SEA

◎Scene Card : KABUKI ( 予期しないことが起こる )

○Scene Player: 天杜

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』 / 大水槽前

†BGM :『 強がりなんかじゃない / TALES OF LEGENDIA O.S.T Track10 』


 まるで、聳えるビルのような円状の水槽。

 高さは100m近いという。その周囲を、螺旋状に足場が回っている。

 ぐるぐると回る魚たちを追って回るうち、水面へ──もしくは、深海へたどり着くという趣向だ。


 そこには確かに。

 一つの、セカイがあった。


【天杜】:見上げるままに、 口をぽかんと開き その世界の中にまるで、自分も入ってしまったかのように魅入る。 青い光はゆらゆら、ゆらゆらと生命のリズムを寄せては返し、それが偽物だとしても、確かに、そこに生命のサイクルはあった。

「……すご…い」

 賛辞。水性生物への? いや、何にかわからぬ高揚へ対しての。

「ねぇ、エンジュすごいよ、ほら見て」

 ずっと、追いかけていた大きな魚が 目の前にぐんぐんとやってきて、指を指し振り返った。

【アカシャ】:エンジュ、いません。見失いました。

【天杜】:いない。

「あれ?」

 ざわざわ……ざわざわ……。

 ただの、人のざわめきが聞こえる。それもこの薄暗い空間では、とても静かな時間の一部で。

「エンジュ?」

 左右を見る。スペースを無駄にしないのだろう。円筒の壁には別の魚達の水槽がそれぞれある。

「あ、れ…?」

 しかし、そこを見ているわけでもなさそうだ。

「………」

 急に孤独が身に染みて来た。本部の一人きりの部屋にいるときとは違う。周囲に人の気配があるというのに感じる孤独。ぽつん、と、動きを止めて少女 は途方にくれた。

【雲外鏡】:魔道書クエスト〜消えたアカシャ〜。

【RL】:「一人で出歩くのは止めて欲しいものだ。探すのに時間がかかる」

 聞きなれたため息が、聞こえた。

【天杜】:振り返る。揺れる光に誘われて、床に落ちる影がわずかに踊った。

「えっ」

 お金も持ってなくて、入場権利も二人分自分が持っているはず。何故、彼が。

【RL】:青い光に照らされて、不機嫌そうな顔が微かに翳る。

「魔導書から逃げられると思わんことだ。──……少し苦労したが」

 ずかずかと目の前まで。す、と。天杜の眼前に、何かをつきつける。

【天杜】:びく、と肩をすくめる。

【RL】:「食え」

 かぎなれない香り。けれど、それは確かに──。

【天杜】:また、何かぶたれるのだろうか、頭ごなしに怒鳴られるのだろうか、そう思って……食えという言葉に驚いて、目をそろそろと 開いた。

【RL】:ソフトクリーム、だった。

【天杜】:「……」

【RL】:「こんな行動に出られる程拗ねられては溜まらん。言い過ぎたとは思っていないが、適切ではなかった。これでチャラにしろ」

 口をへの字に曲げて、凍ったように動かない。──見れば、左手にはもう一つのソフトクリーム。

【天杜】:「……

【RL】:あ、豆腐ソフトね。金は雲外鏡が払いました。

【雲外鏡】:おい、金返せ。

【天杜】:呆然と、その手にある甘く冷たいお菓子と、不機嫌そうな彼の顔を見比べた。あんまりにもそれが、似合わなかったから。

「ぷっ」

 口元を押さえて、噴出した。

【RL】:「……」 ますます不機嫌──というか、僅かに拗ねたような顔になる。

【天杜】:「ふ、ふふふふふふふあはははっ」

【RL】:「…………笑うな。人目を引くだろう。また機械人形を呼ばれては溜まらん…」

 しかし、逆に。楽しそうに笑う少女と、仏頂面の青年の姿は、ごく自然にその場に溶け込んでいた。

【天杜】:「にあ、にあ…わなっ……くっ、ぷあはは」

 しかもそうしているうちに、彼の手にあるソフトが若干とけて、悲惨な様子だった。それが、さらに拍車をかけて。

「あははは!ど、どれくらいそれもって探してたの」

 苦しそうに、話す。

【RL】:「どうでもいいだろうそんなことは!全く、君の勝手な行動にはいつもいつも辟易させられる……これ限りにしろ、分かった な!?」

【天杜】:「やだ」 ぷん、と横を向く。

【RL】:「……」 そろそろ手に垂れてきそうだった。 「いいから、この菓子を取ってくれんか」

【天杜】:「……謝ったら、貰う」 貰う側なのに、なんと横暴な事か。少女はそうのたまった。

【RL】:「……」

【天杜】:「最初の事だって謝ってもらって無い」

【RL】:「……」

 何故か、MORIの顔は彫像の様に凍っていた。何かを考えるように。長い沈黙。

【天杜】:ちら、と様子を伺うようなまなざし。ソフトクリームは、いよいよ……ああもうだめかもしれない。

【RL】:余程の抵抗感があるようだ。数度、口を開いて。

「……悪かった。今回は此れが悪かった。……早く取れ!!」

【天杜】:「うんっ」

 もうすでに、たれてしまっている片方を受け取ると、手に付いた分は軽くねぶる。ヴィオレッタが見たら、手をはたかれていたかもしれない。

【アカシャ】:ぺしん。

【天杜】:「冷たくて美味しい!」 泣いたカラスが笑う。

【RL】:「豆腐ソフト、だそうだ。まぁ、トウフとやらを食ったことはないのだが」

 彼自身は、珍しそうにソフトクリームを眺めた後、一度、二度と舐めた。

【天杜】:その様子を見てから、天杜は、 「美味しいね」 と、同意を求めてみた。

【RL】:「……興味深いな」 それは、天杜の表情の変化のことなのか、それとも味のことなのか。だが、結局は。 「……美味いのだ ろうな」 少し 自信なさそうに、そういった。

【天杜】:「……?」

 ぺろぺろと、ソフトクリームを美味しそうに舐めながらその様子を少し不思議そうに見る。

「だろうな?」

【RL】:「いや……食事など久しぶりでな」

 そういえば、この一カ月。食事をしているところを見ていない。

【天杜】:「……そういえば、ご飯食べれないのかと思っていたけど、食べれるんだね」

【RL】:「使わねば忘れるものだ」 ぺろ、と舐める。 「単純な話でな。此れが飯を食う暇も無く、魔術師が死んでしまうのだよ」

 ごう、と。目の前を、巨大なシュモクザメが撫でていく。

【天杜】:それを、うわぁと目で追い、

「……ね、じゃぁ今度から一緒にご飯食べよう」

【RL】:「……食費がかかるぞ。必要ではないものを行う必要は無い」

 目線を水槽の中に固定したまま、うわごとのように言う。

【天杜】:「だって、それじゃつまらないじゃない」

【RL】:「──……反論しても無駄な様だ」

 ふん、と鼻で笑う。

【天杜】:「MORIは素直じゃないよね」

【RL】:「──……君は想ぞ──……」 黙った。 「君が望むなら、そうしよう」 言い直す。

【天杜】:「……」 じぃ、と翠の双眸が男を見上げる。 「ねぇ、MORIはしたい事無いの?」

【RL】:「したい事?」

【天杜】:「うん」

 しゃく、とコーンの部分をかじる。

【雲外鏡】:雲外あもり。

【アカシャ】:え、合体した。

【RL】:「器物として、此れは役目を果たすのみよ」 食べるのは遅い。

【天杜】:「だって、さっき食事をする間もなく、魔術師は死んでしまうって言ったよね。でも、今回は生きて、時間もある。……だか ら、したいことし ていいんだよ?」

【RL】:「──……」

 ゆっくりと、口を開いて。

          ──ザッ

「……ッ」

 とたん、しかめ面になる。

【天杜】:「ど、どうしたの?」

【RL】:「……なんでもない。あるかもしれんが、分からんな」

【天杜】:「……」

【RL】:「興味も無い。先ずは、君のやりたいことをやればいい」

【天杜】:「……。……寂しいね。やりたい事が出来ないっていうのも辛いけど、やりたい事が無いということも寂しいね」

 そういって、少女は己が見たかった魚達を見る。

【RL】:「永劫の孤独という奴だ」

 冗談めかして、そう言う。

「宿命だ。気にするな」

【天杜】:「気になるよ」

【RL】:「やりたいことなど、当にどこかにいったのだよ」

【天杜】:「……もしかして、ワタシすごくおせっかいな事言ってる?」

【RL】:「──……ああ、そうだな」

【天杜】:「迷惑?」

【RL】:「……。迷惑ではない」 ぽつり、と呟くように。 「此れが答えられんだけだ。君は気に病むな……」

 水の光に晒されてその顔は、さびしげな少年のように見えた。

【天杜】:「……」

【RL】:家族にも、友人にも置いていかれて。──一人。そんな、姿を幻視する。

【天杜】:その様子を見て、これ以上この話題を引っ張ってはまずい。そう感じた天杜は。話題を、がらりと変える事にした。

【RL】:あもりさんが気がきく女。

【雲外鏡】:幼い頃から、そういう環境にいたからかのう。

【天杜】:「ねぇねぇ、ところでさ。最初の事、やっぱり謝ってくれないの?だいたいね、契約だからってその、あの、き……キスは駄目 だと思うんだ よ。他に方法無かったのカナ」

【RL】:そういや謝らせるとか、いってたな。(笑)

【天杜】:うん。(笑)一話の契約の時に、謝れってビンタしたあれ、謝って貰ってない。

【RL】:「……あ?最初のこと──って」 ぼんやりとした顔。 「門の前のことではなかったのか?」

【天杜】:「門の前?」

【RL】:「……」 入場の歳の、あの口論だとおもっていたらしい。 「他に方法は無いことも無かったが…あの場では最も適当だっ た。時間も無かっ たしな。だから謝らん」

【天杜】:「なっ!?謝ってよ!」

【RL】:「ははははは」 平坦な笑い。

【天杜】:「そも、他の方法ってどんなのがあったのさ」

【RL】:「七日七晩、一睡もせず大地の実りを何も食さず一糸纏わず月の光だけを浴び続けるのと、聖者の印に習い、五体に杭を穿ち流 れ出た血にて六 芒を描く方法とがあるが、それよりマシと思わんかね」

 適当ほざくもりさん

【天杜】:「……う」

 真剣に迷っているようだ。

【RL】:「まぁ、謝る代わりだ。今日は君に付き合おう。犬のようとは言わんが、素直に後をついていってやる。代わりに、今夜からは 此れの進言も聞 き入れてもらうからな」

【RL】:さっさと行くぞ、と歩き出してしまう。円状の水槽を、下る方向へ。

【天杜】:「ちゃんと聞いてたのに、あっ、ちょっと待ってよ」

 たたっと追いかけかけて振り返る。エンジュは大丈夫だろうか。

【RL】:ふと、振り返った先。数人の男達が、水槽にぺたぺたと触れているのが見えた。別に何とは無い光景だ。

【天杜】:おい、ぺたぺた。

【アカシャ】:ぺたぺた……?

【RL】:水槽に、何か紙のようなものを貼り付けていることを除けば。五分もすれば、悪戯対処のドロイドが清掃してしまうだろうが ──。

【天杜】:「……」

 何だろう? いったい何を貼っているのか、好奇心が先に立った。MORIが下っていくのを尻目に、――すぐ追いつけるだろうし――その紙を張る男たちの背後へそろそろ と近づいてみた。

【RL】:「早くしろ」

「分かっている。他の班はもう作業を終えているぞ」

 ぼそぼそと話している。

「よし。撤収する」

「AMEN」

【天杜】:他の班?首をくりっとかしげる。

【RL】:一人がそう呟き、胸の前で十字を切った。襟の奥で、ロザリオが揺れる。あれは確か、真教の印。男達は身を翻し、ただの通行 人のような足取 りで人ごみに消えていく。

【天杜】:「……」

 とことことその男たちが去った後のガラスを見る。そして手を伸ばし、一枚手にとってみた。

【RL】:パシッ!!

 軽い破裂音。天杜が触れた瞬間、その一枚が細かい紙片になる。

■要求:<社会:アストラル> 10。

【天杜】:ギャアアアアッ。い、インスタントイイカナ。

【RL】:まじで?いいよ。対応するコネでもいいよ。

【天杜】:これ以上該当札をはくと、戦闘ができん。

【RL】:どんだけ札死んでんだ。

【天杜】:<社会:アストラル> 生命インスタン ト。【生命】1+Q=11。

【RL】:ルーン文字、という奴だ。力を持った神秘の文字。石碑に残されるべきものだが、こうして紙に記されたものでも確かな力を持 つ。確か、このルーンが示すのは──。

【天杜】:KRMD[火のルーン!!!](※ KRMDとは、RLの学校のリアル友人の名前で、火のルーンを刻む事が出来るらしい。 刻めるだけで特 に効果は無い)

【RL】:何故分かった。

【天杜】:なんとなく。

【RL】:──火。単一文字。篭められた魔力の方向性によるが、直接的に解釈をすれば破壊の為の力だ。

【天杜】:「え……」

 こんなものがここにあるということは、まさかここを破壊す る、ということではないのか。100mに及ぶ、水槽。その中に入っている水はい かほどの量か。

「……り」

【RL】:「何しとる」

【天杜】:「MORI!」

【RL】:がっ、と。その声にこたえるように、背後にたったMORIが背中を小突いた。

【天杜】:「見て、これ大変だよ!」 手に持っている札と、ガラスにはられたものを示す。

【RL】:「……。ルーン魔術?何故こんなところに」

【天杜】:「わかんないよ、うー、誰かがここを破壊しようとしてるよ。いっぱい人が死んじゃう。何とかできないかなっ」

【RL】:「──……。此れの本領発揮ということか」

 なんだかんだで、楽しそうな笑みを浮かべる。

【天杜】:「本領…発揮?」

【RL】:「此れは器物だ。役割を成す事こそ、その本懐よ。見物は後回しだ。アモリ、魔術師としての役割を果たしてもらうぞ」

【天杜】:「う、うん。何か方法があるんだね?」

【RL】:「単純な話になるがな……先ず、その紙に触れろ。張ってあるもの全てだ」

 口にソフトクリームを押し込んでいる。

【天杜】:「う、うん」

 手にもっていたソフトクリームを、自分の分を押し込み終えて空いたMORIの手に渡し、両手を開けると、ぺたぺたと紙に触れる。

【RL】:パシッ パシッ バシッ!!

【天杜】:先ほどと同じ感覚が指先で起こり、はらりと床に紙が落ちる。

【RL】:「後は簡単だ。全てたどり、全て破壊する。まさか、下手人がまだこの中に残っていることもあるまい」

【天杜】:「わ、わかった」

【RL】:「後は起動が早いか、処理が早いかだ。大まかな方向くらいは分かる」 ため息。 「……。最も此れが薦めるのは君だけが此 処から逃げるこ とだ」

【天杜】:「逃げない」 同時。先読みをしていたかのような返答。

【RL】:「……だろうな」 予想していたように笑う。ならば、これは単なる意思確認だった。

【天杜】:「さっきお友達になった子がいるんだよ、逃げる事なんて出来ないよ」

 きっとまだ彼女はこの中にいるはずなのだから。

【RL】:「友達?……ふん、分かった。君は余程無駄遣いが好きと見える」

【天杜】:「え?」

【RL】:「己の寿命をすり減らす覚悟なら、何も言うまいよ。単なる嫌味だけで言っているわけではないぞ」

【天杜】:「……。……だから、最期の一瞬まで楽しんでやるんだもん」

【RL】:「……」 一拍。 「……それが、君の望みか」

【天杜】:「判らない。望みとか、そんな大層なものじゃないよ。ただ、生き汚いだけなんだから」そういうと、走り出す。 「急ごう よ、のんびり話し てる間は無いよ。あ、それ、食べておいてね」 MORIの手に渡した自分のソフトクリームを指差し。

【RL】:「お、おい…──……分かった分かった。最期まで付き合ってやろう。いつまで持つか、見ものだな」


†BGM :『 征こう、恐怖と絶望と勇気と誇りに満ちた戦場に / 機神咆哮デモンベイン DISC2 O.S.T Track07 』


【RL】:走り出す。

「──生き汚いのは、命ある証拠だ」


               ゴボ……ッ


 水槽の中。異形なるナニかが、微かに蠢いた。

                         ──SceneEnd...


【RL】:デートできたのかな。

【天杜】:好感度はきっと、上がったはず。

【アカシャ】:良いシーン!盛り上がった。


■舞台裏

・雲外鏡

【雲外鏡】:占い師について。

【RL】:《守護神》

【アカシャ】:《守護神》されてる……。

【RL】:ペシッ。(継続中という意味で)

【アカシャ】:ロック掛かった状態なんですね。

【RL】:ゲラゲラ。

【雲外鏡】:以上!

【RL】:札いいんだな。

【雲外鏡】:うむ!あと多分調べること無いよね?

【天杜】:ヴィオレッタが掴んだ情報つーのとかが、どんなんじゃろねーとか海底神殿の詳しい封印解除方法ぐらい?

【雲外鏡】:は。ならアカシャから情報もらわないと。

【アカシャ】:みっ。よっし、それを調べましょうか。


・アカシャ

【アカシャ】:登場判定:K4切り。リサーチ:毒王古韻律の封印解除法について。

【RL】:<社会:アストラル>その他相応な社会。<コネ:毒王古韻律><社会:アカシックレコード >、目標 値:5 21

【雲外鏡】:アカシックレコード。(笑)

【アカシャ】:んー、<コネ:天杜>は 使えない?

【RL】:アストラル相当でいいよ。

【アカシャ】:〈自我〉+〈永世者〉+〈コネ:天杜〉、【感 情】5+4(永世者)+2(エトランゼ)+KK――21。

【RL】:5:ヴィル・ヌーヴ市街にその痕跡があるという。

  この数時間で、ヴィル・ヌーヴ市街に異形の怪物が出現する事件が発生し始めているようだ。

 各魔術組織は、総力を挙げてヴィル・ヌーヴ市街の怪異の撃滅に当たっている。

21:解除方法は二つ。

  封印の要となる海底神殿を破壊すること。これに関しては、各魔術組織の精鋭と、裏工作によって動いたヴィル・ヌーヴ海軍の艦隊及び潜水艦が警護に当たって いる。

  もう一つは生贄と巨大なる魔法陣だが、前者はともかく後者に関しては全く敷設の用意の兆候すら見えない。

  BONUS!

 ヴィオレッタは、とあるマジック・アイテムを持ち出しているという。地脈に干渉する大魔法を行う為の魔具で、広域破壊用の道具と看做されている為 各魔術組織は人員を少数に絞っているようだ。

【天杜】:とあるまじっくあいてむってなんだ。

【雲外鏡】:さて、解決しなきゃならないのがいっぱいだ。(笑) 水族館と記憶喪失の子と、あと、PSのために誰かの願いかなえないと。

【天杜】:ほんまや。(笑)

【雲外鏡】:あ、ソフトクリームでいいのか!?

【アカシャ】:お豆腐そふとくりーむ!

【天杜】:えんじょいじょいんあす!

【RL】:じゃ、次のシーンは雲外鏡かな。しーんどうする。

【雲外鏡】:じゃあ、さっきのシーンを覗き見してようか。そのあと、アカシャ探しに行く。


●RESERCH#8 : BANG GANG

◎Scene Card : FATE ( 不正 )

○Scene Player: 雲外鏡

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』 / 大水槽前

【RL】:†BGM :『 背徳者の聖域 / 機神咆哮デモンベイン DISC1 O.S.T Track18 』


 去っていく二人の背中。漏れ聞こえてきた言葉は、また別種の呪いである。

 さて、どうするか。──あの占い師は、これを知っていたのだろうか?そう思うことも、呪いであろうか。


【雲外鏡】:「ま。なんにせよ」

 さくり。食べかけだったソフトクリームのコーンを齧り、平らげる。

「仲直りはできたみたいだね」

【アカシャ】:みんなソフトクリームを食す。お腹空いた。アカシャ、飲み物も飲んでいない。あれ。(爆)

【雲外鏡】:頷き、水槽を撫でる。同時に、映し出されていた二人の背中が消えた。

 ※使い魔 破棄。

【RL】:おい、捨てたぞ。

【雲外鏡】:「しかし、星女様とも一緒じゃないとなると、どこへ行ったんだろう?」

【アカシャ】:ぬいぐるみ、ふかふかしてます。

【雲外鏡】:「あの怪しげな連中に捕らえられた、とかだと心配だ」 腕を組み、指を口元に当て、思案。 「(……こうなったら、奥の手を使おう か?)

【アカシャ】:え、なに、奥の手?

【雲外鏡】:「(こればっかりは、かなり選ぶのに躊躇す る、禁断の手だが)」

【アカシャ】:なにを、する、つもり、だ。

【RL】:よからぬことを。

【雲外鏡】:しかし、状況は緊迫している。急ぎ、少女を見つけねばならない。たとえ、それが魔術師をしても、あるまじき手段だとして も。

【アカシャ】:!?

【雲外鏡】:「……躊躇う暇はない、か」 決断し、顔を あげた。

【アカシャ】:なにするだー。

【雲外鏡】:<社会:N◎VA> 【外界】5+ 10=15。

 ぴんぽんぱんぽーん♪(音程上がる)

『お客様 のお呼び出しを申し上げます』

【RL】:なん、だと。

【アカシャ】:な、呼び出し……?

【雲外鏡】:『アカ シックレコードよりお越しの、アカシャ様。お連れの雲外鏡様が、1階、迷子センターにてお待ちになられています』

【RL】:よびだし、おまえ!!(爆笑)

【アカシャ】:ひ、ひどい!!!!(爆笑)

【天杜】:すげー、羞恥ぷれいだ。

【RL】:これ、レコード会社みたいだよね。

【アカシャ】:え、ちょ、雲外鏡が迷子!?

【雲外鏡】:『至急お越しくださいますよう、お願いいたします。ま た、お近くの方でアカシャ様をお見かけの方は、お声をおかけくださいますよう、よ ろしくお願いいたします。お客様の特徴は――』

「……人事を 尽くして天命を待つかな」

 放送を聴きながら、ぷらんぷらんとソファに垂らした脚を揺らす。

【アカシャ】:どういう、尽くし方ですか!(笑)包囲された。

【雲外鏡】:これは非常にタクティカルな手段でしてね?

【アカシャ】:ほほふっ。

【雲外鏡】:これで、館内の敵対勢力及びアモリに、雲外鏡とアカシャの存在が知れた!

【天杜】:たくてぃくらいす!

【雲外鏡】:ごめん、いまおもいついた!

【アカシャ】:でも、雲外鏡って名前を出したことによってアカシャが出られます。

【雲外鏡】:あ、(シーンに)出てくれてかまわない。記憶喪失でも記憶喪失じゃなくてもいいよ!周囲の人か係員がつれてきてくれると おもうから。 (笑)

【アカシャ】:なんというたくてぃかるくらいす! 記憶が戻っても戻って無くても 出て行かざるを得ない!

【雲外鏡】:魔術師として致命的な何かを失った。

【アカシャ】:……。何かを、間違いなく、失っています。魔導書に迎えに来てもらう魔術師。

「fort zieh'n die Gestalten, wer sagt dir wohin? 〜♪……」

 お土産コーナーで手触りの良いぬいぐるみをふかふかと触っていたところ、

「うん がい きょう……?」

 先程の、少女との――天杜との、会話がよぎる――。彼女が言っていた、単語、だ。

「――じゃあね」 と、真っ白なくまのぬいぐるみに声を掛けて、手を振ると、 「迷子センターって、何かしら?何処かしら……? fort zieh'n die Gestalten, wer sagt dir wohin? 〜♪」 と、鼻歌を歌いながら、歩き出す。

 ゆらゆらと歩きながら、天杜は――一緒に来た人に見つけてもらえたのだろうか、と思った――。 あの子の、あの様子からきっと、誰かと来ているのだろうと何となく、思って――。また、会えるかしら、会えないかしら――その貌には、笑みと――寂しさ。

【雲外鏡】:あもりは、ちょっぴり素直に。

【天杜】:すな、お?

【雲外鏡】:……わがままに。

【アカシャ】:ある意味、自分を素直に出しているのかも知れない。(爆)

【雲外鏡】:よし、なんかイベント起こしてもらって、そこにこっちからでるか!アモリ組と合流でもいいし。

【アカシャ】:お。りょうかーい。

【アカシャ】:「es scharret das Maultier bei Tagesbeginn, 」 一所には、 「fort zieh'n die Gestalten, wer sagt dir wohin? 〜♪」 立ち止まれない――。

 何故か歌える、歌を、口ずさみながら。

【雲外鏡】:いずーこゆくーかるろーのたみー。これはアカシャが高校生のときに、合唱コンクールで歌った歌です。

【アカシャ】:え、女子高校生アカシャだと。

【RL】:そんなアカシャがいても、いい。

【雲外鏡】:というわけで、あの放送聴いた敵対勢力とかがどう動くかしら!

【RL】:ゴボッ……。

 視界の端を、何かが過ぎった。

【アカシャ】:「――……?」

【RL】:ゴボ…ッ。

【アカシャ】:「……」 耳を澄ます。

【RL】:■要求 <社会:アカシックレコード>  18。<コネ:彼方より聞こえる声> 成立。

【雲外鏡】:げぇ。(笑)

【アカシャ】:……どっちも札がないから私はインスタント、します。<コネ:彼方より聞こえる声>、インスタントで取っ て良いです か……!?

【RL】:いいよ。(笑)

【雲外鏡】:ごうごう。

【アカシャ】:びりぃ。(経験点チケット)

インスタント:<コネ:彼方より聞こえる声> 【外界】で取得。<コ ネ:彼方より聞こえる声>。【外界】7+D5――12  成立。

【RL】:『■■■■■、見て』 声。 『水槽の中、何もいない。食べられちゃったんだ』

 ゴボ…ッ。

『逃げて。集まってきてる。あのマスター酷いよね、狙ってるんだ!』

【アカシャ】:「――……!」声の言うとおりに、水槽を見―― 。

【RL】:『けど結果オーライかも、狙ってるのかも?ああもう、とにかく──』

 ゴボッ。

 水槽の中。体長は5m程だろうか、牙を剥き出す、巨大な蛇が居た。

【アカシャ】:い、いるー!なにかいるー!

【天杜】:やったね!

【RL】:胴体は丸太のよう。ただの巨大な蛇にはない、その瞳に光るのは知性。

 ──ゴボッ、ゴボボッ。

 四方八方から。音が。

『──逃げてッ!!』

『──逃げるのッ!!』

【アカシャ】:「……この子……何……?」 知らない・聞いたこと無い生き物。

【雲外鏡】:に、逃げてーーー!アカシャにげてーー。あと、雲外鏡は狙ってないよ!たぶん!

【天杜】:あかしゃーーーー。

【RL】:にげろ!

【アカシャ】:その瞳に、自分の目が、吸い寄せられるかのように。けれど、人間も動物だ。恐怖を感じれば――。闘争か逃走か。

【雲外鏡】:なんで、そこで戦う選択肢が!?奴はシステマチックに強いよ!

【アカシャ】:無論。水槽の中の、あんな大きな生き物に立ち向かう術等のないのだから。じり、じり、と足が後退していく。

【RL】:此処は回廊だ。足元を除いて──いや、本来は足場の下も──水槽になっている。

【アカシャ】:逃げないと、逃げないと……。

【RL】:筒のようになった通路を、取り囲む水。その中を、自由自在に泳ぎまわる異形の蛇。

 ボゴッ…!!

 気がつけば、水槽には、無数の蛇が撒きついて。

 ギ……ギギ ギ…ッ!!!

 やっと、客がざわめきだした。

【アカシャ】:「……逃げて……! 逃げて、みんな、逃げて……!」 叫ぶ。

【RL】:蛇が、蛇達が、水槽にその身を巻いて、別の蛇とその身を絡め、一本の巨大なクチナワと化して──締め上げる。

【雲外鏡】:ぎゃ、ぎゃあ。

【アカシャ】:「逃げて――ッ!!」 それは、他の人達に対して。

【RL】:爆発にも耐える特殊素材の硝子が、無機質な悲鳴を上げる──!!

 ビキッ!!

【アカシャ】:「――……!!ッ」 音のした方を見る。

【RL】:硝子に皹が。

【アカシャ】:嫌な予感がする――。

【RL】:そして、その真下には子供連れの観光客──。

『AMEN!!』

  ドグワァッ!!!

 炎が、爆ぜた。皹が入った水槽に、叩きつけられる灼熱の火球。

【アカシャ】:「やめて……!!!」

【RL】:ダカダカダカダカッ!!

 炎に煽られ、悲鳴を上げる客達。なだれ込んでくるのは、手に手にロザリオや仕込み錫杖を持った一団だった。

「見つけたぞッ、浄化しろ!!」

「結界を用意しろ、硝子を破れ!!」

 水の中の蛇達は、硝子の向こうで広がった火炎に僅かに怯んだものの、その攻撃の手を緩めることは無い。次々と通廊に撒きつき、皹を入れていく。

【アカシャ】:〈元力〉で少しぐらい妨害出来ないかな。(爆)

【RL】:できるよ、判定してないし。(笑)

【アカシャ】:「水槽を、たたき割ろうとしているの……!? やめて!」

【RL】:攻撃は続く。ついに一箇所が決壊した。

 ゴッ!!

 結界のようなもので水の行き場所を制限しているらしい。水と共になだれ込んでくる大蛇を、放たれる炎が焼き払う。

【アカシャ】:んと、蛇が外に出ようとして、AMENな人達は、それを制御しようとしているのかな……?

【RL】:蛇は最初っから水槽の中にいたのよ。で、人を襲おうと水槽をブチ破ろうとしてる。AMENな人達は蛇を倒そうとしてるだ け。硝子越しだと なんもできないからルーン貼ってたのは、一掃するためでした。(笑)十三課だもの。そのくらいするさ。

【天杜】:割ってそっから攻撃か。

【RL】:うん。後はテレポートして逃げる。

【天杜】:客は無視、だと?

【雲外鏡】:さすが13課。

【RL】:洗礼受けてないのは護ってもどうせ救世主にすくわれないし……。

【天杜】:ところで13課って何?

【RL】:聖母殿の一番ヤバい実行部隊。(笑)正式名称は聖母殿退魔局13課。

【雲外鏡】:問答無用の任務部隊だとおもってくれれば。

【天杜】:把握!絶滅騎士団よりえぐいのん?

【RL】:んー、やり口的には13のがえぐい印象かな、俺は。絶滅は「投入されれば全滅DA!」で、十三課は「浄化すべきは存在は何 処 だァァァァァ!!」ってイメージ。

【天杜】:ほー今度オーガニ読んでみよう。

【アカシャ】:絶滅の方が、やばいイメージ……。

【RL】:(ルールブック確認)ごめん、やばさはどっこいくさい。絶滅の方が個人主義っぽいけど。

【天杜】:イスカリオテ!

【RL】:エエェェェイメン。

【天杜】:今すごい、音声で再生された。

【アカシャ】:「……!」

 外に出ようとする蛇と、それを手段を選ばず倒そうとする聖母殿。自分はそこに留まるよ。行動としては、客に及ぶ被害にリアクションする、客の非難 を 少しでも助ける、と言うふうにしたいかな。

【RL】:アカシャがいいこだ……。やっちゃっていいよー。

【アカシャ】:水槽から、こちらに来ようとする蛇と、それを――手段を選ばず、殲滅しようとする、十字の一団。

「――いつの時代も……この人達は……!」

 今、何か、思い出した――、けれど、そんなことは今は、いい。

「――逃げて……!」

【アカシャ】:〈自我〉+〈永世者〉+〈元力:生物〉、【理 性】5+4(永世者)+2(エトランゼ)+S8――19 。

 叫びと共にエンジュにはわかり得ない力が弾ける。“刻歴葉” が、闘えぬ者達への降りかかる火の粉を、払う――。

「……っ……」 同時、脳と心臓に――痛みを覚え。

【RL】:「──なんだっ!?」 「……“全世万界刻歴光素子第10132葉”を確認! 集合!」

【アカシャ】:え、集合されたー!?

【RL】:ざわり、ざわめく。──動く。運命が、がちりと音を立てて動く──。

【天杜】:ここで雲外鏡が颯爽とアカシャを助ける。

【アカシャ】:な、雲外鏡、かっこよすぎる。迷子センターのソファで足をプラプラさせているけれど!

【雲外鏡】:HAHAHA。

【アカシャ】:「な、何……? え、“全世万界刻歴光素子第10132葉”…… え」 その場で、うろたえ、あわてふためき。

【天杜】:ところで、雲外鏡さん。

【雲外鏡】:ういうい?

【天杜】:表のアカシャのマッチポンプ力が高すぎて、私は息切れを起こしています。はぁっはぁっ、おそろしい。はしたないっ。

【アカシャ】:ご、ごめんなさい……!力が止められない。

【雲外鏡】:HAHAHA。

【RL】:ザッ!!

 向けられるのは、敵意──そして。

 ゴボッ…。

 水槽を埋め尽くす、無数の大蛇の群れだった。


 ──SceneEnd...


■舞台裏

・天杜

【RL】:舞台裏やれよ。

【天杜】:何調べよう。

【RL】:札をまわしてもいいんだぜ。どうでもいいけど何故おまえら、舞台裏でしかリサーチしないのか。

【天杜】:・ヴィオレッタの本当の狙い。

【RL】:<心理><コネ:ヴィオレッタ >、天杜のみ<自我>。目標値:制。

【天杜】:<自我> 【理性】6+9=15 …… 怪しいか報酬点乗せよう、+5=20。

【RL】:制御値、20はねーだろ。

【天杜】:クロマクだし、何かしてくるかと思って。

【RL】:ぺっ。

制:魔術儀式を成功させることである。

 だが、彼女の予想以上に事はすんなりと進んだらしい。

 それではつまらない。故に、事態を可能な限り混沌とさせるために彼女はさまざまな要素を投入した。各魔術組織へのリーク。意味も無い眷族の跳梁。 ロッジの配下を百人単位で投入しての意味の無い防衛戦闘。そして、天杜・ステラへの接触。全ては、"毒王古韻律"を召還する為の最大の舞台装置を整える 為。

 同時に、天杜・ステラに迷いを抱かせることである。この二つに優先順位は無く、真実として彼女はその両方を本気で狙っている。

【天杜】:……。

【RL】:なんだ。じゃ、次のシーンどするべ。

【天杜】:うむ。事件おこっちゃってるんだよね?

【RL】:わーきゃーいってる。後いくつかの水槽が全滅してる。ここのことだから、予備がいそうだが。

【天杜】:予備?

【RL】:見えない場所にもいっこ水槽があって魚が病気とかで死んだりしたら、コロっといれかえんの。(笑)

【天杜】:
なるほど。(笑)んっとその人並みを、MORIと掻き分けながら移動しようか。多分、そろそろヴィオレッタ先生が接触してくるんじゃな い か疑惑。後、毒王古韻律何処にあんだ。

【RL】:けらけら。クライマックスにいく条件は一つなんだぜ。「ヴィオレッタが満足して出てくる」。いや、神業で引き出すのもアリ なんだが。

【天杜】:突破で追いつくぞそういうこと言ってると。

【RL】:なんだと。

【天杜】:取り合えず情報を整理しよう。毒王古韻律は物凄い封印をされている。破るには海底神殿を破壊し、生贄いっぱいの儀式をする 必要がある。 ヴィオはその儀式の準備をすでに完成させた。今起こっている状態は彼女の遊び心が生んだ混沌であり、儀式はいつでも発動出来る。というので、あってる?

【RL】:イエス。海底神殿破壊した上で生贄一杯+超巨大魔法陣。この超巨大っていうのは、"召還される神の大きさと同じ"とかそう いうアレね。海 底神殿は封印のダメ押しつーか、安全弁だっておもって。


●RESERCH#9 : SAINT NOW

◎Scene Card : ARASHI ( アンバランスな肉体と精神 )

○Scene Player: 天杜

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』

†BGM :『 未確認神闘シンドローム / VALKYRIE PROFILE O.S.T DISC1 Track14 』


 わぁ懲aaア芥償Bqあああああああああああああああああ!!

 怒号のようなざわめきが聞こえる。

 水槽が割れた──らしい。

 流石の対応の早さで、マップには危険地域が表 示され、係員が誘導に走っている。だが、流石に被害地域の周囲は混乱が渦巻いていた。

 ──その人の群れを、逆走する二人。

「アモリッ、手を掴め!!」

 大柄なMORIはともかく、天杜にはこの激流 を遡るのはなかなかに厳しかった。


【天杜】:「わぷっ」 人の波に攫われそうになる中、 か細い腕を、伸ばした。 「MORIィッ……」

【RL】:「──……く…ッ。アモリッ!!」

 ガッ!!

 大きな手が、少女の小さな掌を掴んだ。そのまま、ぐいと持ち上げる。

「恥ずかしいとかそういうくだらないことを言うつもりがなければっ、背に掴まれ!」

 抱え挙げながら、叫ぶ。おぶされ、ということらしい。

【天杜】:「うっ」 首をぶんぶんとふって。 「わ、わかった」

【RL】:「よし、乗れッ!」

【天杜】:せめて、短いスカートを脚の間に挟んで予防策はしてからうしろから首にかじりつくように腕を回した。

【RL】:「………邪魔だッ!!」

 がっ!という音。人を突き飛ばし、走る走る。柵を乗り越え──、

「下だ、降りるぞ、掴まれッ!!」

 端的に叫んだ。眼下には、まだ20m程の高さが──。

【天杜】:「おち」

【RL】:ガンッ!!

【天杜】:「ちゃうよーーー!!」

【RL】:「死にはせんッ!!」

 ばさぁ、と音。首の周りに、どこからか外套が現れる。器用にアモリを避けるように広がり──、<魔翼>、床の直上で、急減速をかけ た。

【天杜】:「きゃあっ」

【RL】:「アモリ、感じるか!?」

【天杜】:「な、なにを?」 ぎゅうう、とMORIにしがみつきながら。

【RL】:「ルーンの気配ではない! ──怪異だ!」 久しぶりに聞く、あせったような声。 「何故今まで気づかなかったのか…く そっ」

【天杜】:「え、怪異って……」

【RL】:「館内に、深淵なる者の気配がする!!生臭い、例えるならそう──」

 ゴボッ!!!水槽の淵を、通り抜けていく──巨大な蛇。

「──欲望と堕落の権化、大口なる蛇の臭いだ!!」

【天杜】:「な、な、何これ!」

【RL】:「知らんッ!!……雲外鏡の言葉が正しければ、魔導書の眷属といったところか──?」

 どちらに向かえばいいのか、躊躇ったように周囲を見回す。

【天杜】:「魔導書の眷属?……じゃぁ、これがヴィルヌーブにあるっていう……6幹部の探している……」

【RL】:「……目的が叶いそうだな」 

【天杜】:「……」

【RL】: 皮肉と自嘲の入り混じった声。

【天杜】:「MORI?」

【RL】:「なんだ」

【天杜】:「う、ううん……なんか、ううん、なんでもない」

【RL】:「なんだ、はっきりしない奴だな。──それで、どうする」

【天杜】:「どうって、さっき割れた水槽はどっち?」

 下層ではすでに、浸水が始まっているのだろうか。

【RL】:「そこにマップがある──……あっちだな」

途中で見た、視界一面が水槽になっているチューブ状の部屋だ。

【天杜】:「え、あ、あそこ!?あんなとこが浸水したらあっというまに水没しちゃうよ」

 どうしよう、どうしよう。雲外鏡は結局この水族館にいるらしい。とすれば、エンジュはやはり魔導書であるだろう。ヴィオレッタに、雲外鏡、彼らは いったい何のためにここに……。

【RL】:「だから危険区域なのだろう。……あの蛇共も気になるが。──……悩むなら、逃げてしまえ」

悼むように言う。

【天杜】:「……判った」 背からすとっと降りて。

【RL】:どこかほっとしたような顔。

【天杜】:「MORIは逃げて」

【RL】:「却下だ」 すぐに、への字に口が曲がる。

【天杜】:「何で!魔導書は紙だもの、泳げないんでしょ!」

【RL】:「…………泳ぐ必要が無いのだ。ではなく──契約がある。マスターを見捨てて逃げることはできんな。それに、最期まで付き 合うといった。 進言はするが、君が馬鹿をするなら付き合ってやろう」

【天杜】:「……」

【RL】:「此れを撒けば、好きに命を粗末に出来るとでもおもったか?ハ。甘い甘い、貴様の死にすら、価値を添えてやろう。それが此 れの使命の一つ だ」

【天杜】:「MORIって、やっぱり素直になれない人なの?」

【RL】:「──……。想像力が豊かだな、と言っておこう。いいから方針を決めろ。君の力ならば、硝子越しにでもどうにかできるかも しれんだろ う?」

【天杜】:「何それ、無茶に付き合ってくれるんだね、有難うって言おうと思ったのに」 ぶう、と膨らんでからガラスを見る。

【RL】:「礼など要らん、生き延びろ。此れは、奇跡的に例外的に生き延びた君に興味があるのだ。出来れば、君をそのまま生き延びさ せてやりたいと も思っている」

 肩に手が置かれる。

【天杜】:振り返る。

「ワタシが、元星女だから?」

【RL】:「?」 不思議そうに。 「そんな称号に興味は無いし、意味も無かろう」

【天杜】:「ワタシが、おそらくはそのために、何らかの因果があって生き残れたから?」 澄んだ瞳が、青い光を受けて煌いた。

【RL】:「……」

 何を言っているのだ、とばかりに見下ろす。灰色の瞳が、その瞳の奥へと繋がった。

【天杜】:「MORIは……ワタシに良い魔術師になって欲しいの?」

【RL】:「良い魔術師は、死ぬ魔術師だ」 細いため息。

【天杜】:噴いた。(笑)

【RL】:「なんだ。 君こそ、態々小難しい理屈を捏ねて、自らを傷つけるマゾヒストだったのか?君が生き延びたのが、その星女とい う仰々しい称号 のせいであったとしても、此れが契約したのは、抗い続ける、天杜・ステラという名の少女だ」

【天杜】:目が、見開かれる。ぱちくりとして、奇妙な魔導書の精霊を見上げて。

【RL】:「……まだ何か文句があるのか。さっさと動けといっているだろう」

【天杜】:「言われなくてもいくよ!」

 だっと走り出した。下へ、下へ!

【RL】:「──それでい…む、アモリ、上だ」

 ぐい、と。肩を引かれた。

 ボゴッ!!!

 鼻先を掠めて、目の前に落ちてきたのは──黒いタール状の、不定形の物体だった。だが、確かに生き、動いている。

【天杜】:「!な。これ……」 見覚えがある。そう、何度も。

【RL】:「──天杜様、どちらにいかれるので?」

 そして。聞き覚えのある声が、再び聞こえた。

【天杜】:「しょご……え?」

 肩を引かれ、MORIに寄りかかるようにたったまま、声のするほうへ振り返る。

【RL】:上。先ほど二人で飛び降りた柵の上。ヒールだというのに、曲芸士の様なバランスで──何か魔術を使っているのかもしれない が──細い手す りの上に立つ女性。

【天杜】:「ヴィオ……レッタ」

【アカシャ】:ヴィオレッタ先生!ヴィオレッタ先生じゃないですか!

【RL】:「"水"を司る"Hexa"が一人、"tragoIDIA"ヴィオレッタ」 舞台役者──それも、主役の様に一礼。 「満 を持して登場致 しました」

【天杜】:「満を持してって、何を……、そうじゃなくて!この騒ぎは皆キミのせいなの!」

【RL】:「ええ」 笑顔。

【天杜】:「ワタシにここに行けといったのも、此れを見せるため?」

【RL】:天杜に向けていたものと、なんら変わらぬ笑顔。

「ええ。いえ、それだけではないのですけれども」

【天杜】:「え?」

【RL】:「──楽しかったでしょう?貴方は楽しさを知ってしまった。綺麗なものを見てしまった。まぁ、王子様が少し頼りなかったせ いで、退屈して しまったようだけど」

 うふふ、と笑い。

「──もう、星女は嫌だろう?」

 それは、どちらに誘導する言葉だったのか──。

【天杜】:「楽……王子……って…………………え?」

【RL】:「答えておくれよ、"天杜・ステラ"」

【天杜】:RLがきらきらしはじめたぞ。

【RL】:青い光が、薄暗い照明が、舞台照明の様に効果的に彼女を照らした。怪しげな手の動きが、まるで定められたダンスの一幕にす ら見える。

【天杜】:わずかな、足元から響いてくる振動。また、どこかで火のルーンが発動したのかもしれない。

【RL】:「戻りたい?戻りたくない?迷いを持った君は、うふ。戻ったとしても悲しみ、戻らなかったとしても苦しむだろう」

【天杜】:「な…」

【RL】:「──君の生がこの先長引けば長引くほど、それは続く!!!嗚呼!!」

 喜色満面とはこのことか。怜悧な瞳の奥に、確かな愉悦を抱えて。

「今!!君の人生は、悲劇に染まるんだよ!」

 その葛藤を抱えて生きていけと、彼女は叫ぶ。この混沌の中、心優しい少女が、何を抱えるかを知った上で── 。

 ズゥウウウウウ……ン……。

 また、震動が。

 彼女の言葉は、一つの事実を示している。この騒動の原因に、天杜・ステラという、少女の存在が、動機として根強くあったことを。

【アカシャ】:こわい。

【RL】:いじめた。

【天杜】:あもりが来たから、騒動が起きた、だと?

【RL】:うむ。

【天杜】:なんでさ。

【RL】:アモリをいじめるために、どーんしてるから。まぁ半分は元からの目的のためだから、嘘ついてるっちゃ嘘ついてるんだけど な。(笑)

【アカシャ】:わたわた。ヴィオレッタ先生がきらきらしている。

【天杜】:「そんな、ワタシがここに来たから、丁度いい場所だったから此処を使った……?……ワタシのせい?………………………なん て、言うわけ無 いでしょ!」

【RL】:おや、と整った眉を上げる。

【アカシャ】:お。GO、あもり。

【天杜】:「そんなの、とばっちりを受けただけじゃないか!ここに魔導書は元からあったんだもの。遅かれ早かれ先生は何かしたんで しょう、違 う!?」 びしっと、指を頭上に突きつける。

【RL】:「正、解」 ピンポーン、と口で言う。 「そう、半分はウソ。」

【天杜】:「ワタシが、こようと、こまいと。そりゃ、規模は大きくなったかもしれないけれど、そんなの先生がやったことじゃないか」

【RL】:「あらら。思ったより強くなっちゃったね。ちゃんと自分を正当化できるようになったなんて、嬉しいよ」

【天杜】:ヴィオレッタの言う、"頼りない王子様"を背に庇うように立つ。

【雲外鏡】:MORIが、またヒロインに。

【天杜】:「先生の手口は、嫌というほど付き合ってきたもの」

【RL】:「それは光栄。──なら、まだまだ君は私を楽しませてくれるわけだ。メイン・ディッシュは後、っていうことだよね?

【天杜】:残念!デザートまでもう、Sold Outだよ!

【アカシャ】:あもりかっこいいぞ。

【雲外鏡】:あもりが、つよいこになった。もう、思い残す事 は、ない……。

【天杜】: 死ぬな!

【RL】:ヴィオレッタが本当に嬉しそう。思ったよりも更においしくなってる。

【天杜】:おいしくなってる、とか言うなよ。

【RL】:「なぁに、君には、明日の日が昇るのさッ!!」

 ドッ!!!

 手の動きに合わせるように、ショゴスと、物陰から飛び出した──水滴を滴らせる蛇の群れが襲い掛かる。

 瞬間。

「飛ぶぞッ!!」

 バサァッ!!

 "許可"を得ながら、背後で風が舞った。

【天杜】:「うんっ!」 快諾。

【RL】:背と腰に手を回し、抱え挙げる。掴まれ、と短く叫び。

 ドゥッ!!!

<自我><永世者><魔翼>、【感情】7+4+C7 =18。

 上昇。不定形の触手と、5m,10,20m──多種多様なサイズの蛇の牙をかいくぐり、上る上る。空中で鋭角に軌道を変えながら。

「アモリッ!!どうするッ!!君の意思をかなえよう!!──逃げろ、と、まだ言っておくぞ!」

【天杜】:「……」

【RL】:叫びながら、100m──天井近くまで上昇、一旦滞空する。眼下からは、迫ってくる異形の群れ。

【天杜】:「MORI」

【RL】:「なんだ」

【天杜】:首に回されたか細い腕は、頼りない。だが、

「皆を、助けよう。キミが、ワタシにその力がある、というのなら」

 ああ、人は己を肯定するには、一人では余りに頼りなくて。

【RL】:「──ああ。だが、間違えるな。君にも力がある。此れには、その力を支える力がある」

 肩を掴む手に力が篭る。

「──……今度こそ、死ぬかもしれんぞ。」

【天杜】:「一度あることは二度あるっていうから、きっと大丈夫だよ」

【RL】:「──……根拠になっておらん」 微かな笑顔。

【天杜】:「だって、前例が無いんでしょ?」

【RL】:「ああ」

【天杜】:「根拠なんて見つけれないよ」

【RL】:「……ふん。そういうことにしてやる」 天杜の、手を取る。

【天杜】:「うん。大丈夫、ワタシは死なないよ」

【RL】:「──……死んだら、名を貰うぞ」

【天杜】:「うん」


†BGM :『 RISE ON GREEN WINGS / いとうかなこ 』


【RL】:「今回も生き残ったら、……君のやりたいことを一つ、叶えてやろう。だから、死ぬな」

 その声は、か細く。 彼自身、望んでいるのか、望んでいないのか、分かっていないだろうと思った。

【天杜】:そして、彼自身気づかないぐらいにわずかに、震えていたから。少しだけ驚いた顔を――判らない程度に――して、

「うん、じゃぁ、どんな無茶をお願いしようかな……」 笑った。

【RL】:「──取らぬ狸のなんとやらだ」 笑った。 「来るぞッ!!」

【天杜】:「うんっ」

【RL】:「望みを、アモリ!!」

 バヂィッ!!!

 迫る蛇を、伸ばした布で薙ぎ払い。

【天杜】:「行こうMORI。ワタシ達は、自分達の出来ることを、したいことをする!」

【RL】:「──曖昧極まるな、承知したッ!!」

 魔力の光。伸び上がる閃光。五芒の星が、空を焼き──……。


 ──SceneEnd...


■舞台裏

・雲外鏡

【雲外鏡】:パス。札は万全さ。

【天杜】:ふっ、わたしもさ!


・アカシャ

【アカシャ】:ここは……よし、達成値が足りなかったさっきの情報を頂こう。16番の項目を、こちらはもらっていないので。

・リサーチ:天杜と触れた時の現象について その2。

【RL】:<自我><社会:楽園> <社会:黎明の海星><コネ:魔導書><コネ:黎明の海 星><社会:アカシックレコード> <デジャ・ヴ><過去よりの使者> 目標値:10 16 《神業》。

【アカシャ】:〈自我〉+〈永世者〉、【感情】5+4(永世 者)+2(エトランゼ)+KJ――21。

【RL】:16:魔導書にとって情報とは存在そのものであり、流れ込む魔導書には、全てとある共通点があるようだが──。

【アカシャ】:ということで、16の情報も頂く……!

【RL】:とりあえず現段階で分からないところあるかな!ぶっちゃけ次でヴィオ先生がニヨニヨしながら、クライマックス移行のRL シーンをしてしま うのだけど、その前に、雲外鏡のシーン。

【雲外鏡】:お?

【RL】:アカシャ拾う?、という。

【アカシャ】:アカシャは、今、蛇とAMENな人達に囲まれている感じでしたよね。わたわたしてます。

【RL】:というわけでシーン希望があればいれるよ!次はクライマックスになってしまうので。(笑)ぶっちゃけ神が。

【雲外鏡】:よし、アカシャ、どうする!拾われる?なんかやりたいことある?

【アカシャ】:拾われますっ。

【RL】:じゃ、アカシャの方でいいか。いけいけ僕らの雲外鏡!

【雲外鏡】:しゃかしゃか。

【天杜】:うんがいきょーがひーろーだー!


●RESERCH#10 : MIRROR ON LOVE

◎Scene Card : LEGGER ( 命運の星の影響 )

○Scene Player: 雲外鏡

・Stage : ヴィル・ヌーヴ国立大水族館『バチスカーフ』

†BGM :『 断罪者―白き天使の羽が舞う / 機神咆哮デモンベイン DISC1 O.S.T Track11 』


 ズゥゥゥ…… ン…… 。


 そこかしこから響く震動。あちらこちらにあふれかえる異形の存在。

 ──だが、彼らの動きを見ていれば気づく。都 合、二箇所に向かっているのだ。一つは恐らく、"星女"と"螺旋断簡佚書"。ならば、もう一つは ──。


【RL】:GO、エエエエイメン。

【雲外鏡】:廊下の半分を没させた水面に浮かぶソファに立つ。

「おっと。やっと見つけたよ。迷子の子猫様」

 微笑み――。

【RL】:おまえ、まだソファーにいたのか。職員とっくに逃げてんぞ。

【アカシャ】:ういて、る。

【雲外鏡】:ぷかぷか。アカシャにカメラをごう!

【RL】:ゴウッ!!!

 放たれた炎が、目の前で弾ける。背後に庇われた観光客達が悲鳴を上げ──横合いから飛び出した蛇が、火炎と十字の障壁にブチ当たる。三つ巴──い や、"敵が二組"存在する。この混沌の中、長くは持ちそうにもない。

 アカシャさんが囲まれてます。ゴゴゴゴゴ。

【天杜】:イヤゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。

【RL】:にほんごしゃべれ。

【天杜】:イヤゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ?

【RL】:にほんごしゃべれ。

【雲外鏡】:天杜さんのいいたいことは、よーく伝わった。

【アカシャ】:ごごごご。

【RL】:なん、だと?

【アカシャ】:「――……っ」 先程から力を使っているせいか、呼吸が苦しい。 「逃げて……逃げて……逃げて……」

 それにも、関わらず、叫び続けているからか、敵――2組の振るう、その牙を、せき止めるられるのも時間の――いや、この身体の限界の、問題だ。

【雲外鏡】:「なるほどなるほど」

 その僅かな時間の猶予の隙に、白い何かが、視界に現れる。

【RL】:きたぁああああああああああああ!

【雲外鏡】:「それが、今回の君の望みで良いのかな?」

 くすり、と笑い。白い何かは、腕を伸ばす。延ばされた腕は虚空の途中に呑まれるように消えた。良く見れば、そこにあるのは鏡。鏡面を境に、白い何 か の腕が“向こう側”へと突き抜けているのだ。

【アカシャ】:「――……え」 半ば、朦朧とした瞳。汗だくの顔。突如現れた、白い何か。そして、鏡――。

【雲外鏡】:「ごめんね、貴方達。本当なら貴方達の願いも叶えてあげたいところなんだけど――」

 少女の眼前、白い何かは、火炎の使徒へと話しかけている。

「最も優先させるべき彼女が願ったから、退場願うよ」

【RL】:雲外鏡がかっこいいぞ。

【天杜】:やだなんか、うんがいきょうがかっこいい。おかしい、ワタシこれがAVGだったとしたら間違いなく、雲外鏡が一番好きだっ ていいながらプ レイしてる。(笑)

【雲外鏡】:鏡面から引き出される腕。そこには先まで無かったモノが握られている――。

「せめて、君達には“未知”を与えてあげる」

【RL】:未知が、とられた……。

【雲外鏡】:<コネ:イヤーゴ>+<派遣依 頼>、【生命】A=21。

「おいで」

【天杜】:きゃーー!おいでですって!!!

【RL】:OIDE!!!

【天杜】:おいRL、きもい。

【RL】:おい。なんだその差。

【アカシャ】:きゃー。やだ、かっこいい。

【雲外鏡】:偽火  - Ira -」  ※バサラトループ 自我4・炎4・拡大4。

 轟ッ。

 取り出されたのは、炎の化身の偽身。絶えず怒めきずり猛り狂う、未知の火。未知は、火の使徒と無数の蛇へと襲い掛かる!

【アカシャ】:何か出た!Iraって……。

【RL】:って、Ira呼ぶな。(爆笑)それウチのイヤーゴのエニグマ!!

【雲外鏡】:だ、だって、天杜さんがイヤーゴ召喚するから……。

【RL】:おい、してないだろ。

【天杜】:ゴゴゴゴゴゴゴゴ。

【雲外鏡】:イヤゴゴゴゴ。

【アカシャ】:イヤゴゴゴゴ。おいで、と言われて、来ちゃったIra。

【雲外鏡】:今日のMVPゲスト、イヤーゴ。

【アカシャ】:「火……」その火に、目が奪われたかのように、呆然と呟き……

【RL】:「なッ……障壁展開──」「ダメだ、間に合いませんッ!!」

 ゴウッ!!!

 薙ぎ払う。荒れ狂う炎の舌が、蛇と、信徒達を嘗め尽くしていく。

【雲外鏡】:Iraつえーーー、さすがイヤーゴ。

【アカシャ】:「今、よ――逃げて……! 早く……!」 力の渦巻く最中、叫ぶ――。

【RL】:「は、はいっ」 「ひぃ、ぃ、もういやだぁぁ!」 「早く、早くいって!」

 ばたばたと逃げていく。これで全部だ。

【雲外鏡】:「まったく、ダメじゃないか」

 それらを見送り、白い何かが振り返る。

「知らない人についていったら」

 眼鏡に手を当て、嗜める口調で、白い何かは言う。

「言ったよね? アカシャは可愛いから食べられちゃう、と」

【RL】:雲外鏡、惚れる。

【天杜】:かっけー、もりなんかやれよ。

【RL】:おい、やったろ。それなりに。

【天杜】:踊るとかSA。

【RL】: かっこいいこと…・・・おい、ギャグに走らせんなよ。

【アカシャ】:「――……」

 炎が薙ぎ、訪れた、一瞬の静寂。叫んでいた口が、呼吸を忙しくしていた口が、数度パクパクと開いては閉じ――。

【雲外鏡】:「ん?」 微笑み、首をかしげる。

【アカシャ】:「……が……とう。ありが、とう」

 助けてくれたのだ、この人は――だから、息をきらしつつ、辛うじて、そう言うと――。

「――……」

 微笑みを浮かべた――。

【雲外鏡】:「どういたしまして」 笑みに応え。 「でも、残念ながら万全に叶えたとは云い難いんだ。ようやく、元凶が動き始めたみ たい。そっちを 何とかしないと」

【アカシャ】:「元凶――あの子……」

【雲外鏡】:「あの子?」

【アカシャ】:「止めないと……大きな、大きな、蛇――ドクオウコインリツ」

【雲外鏡】:「そう。それも願い事で構わないかな?」

【アカシャ】:「――助けて」

【雲外鏡】:「なら、僕の力をあげよう。この心臓−チカラ−さえ偽りではあるけれど、神を描き出す契約−チカラ−を」

【アカシャ】:「――……」 その言葉に頷いて、紫の眼が――覚悟を決めたとばかりに、煌めいた。

「捧げましょう」

 口から、そんな台詞が出た

【雲外鏡】:「そう。僕の全て−チカラ−を捧げて、キミがキミの願いを叶えるために全てを捧げることが、僕の願い」

 白い何かは朗々と歌う。

【アカシャ】:「貴方が――天使でも、悪魔でも」

【雲外鏡】:「フフ――」

 《不可触》

効果:ハイランダー → バサラ◎。

「天使や悪魔とは詩人だね。だけど、僕はただの“雲外鏡”」

【アカシャ】:「――……」ああ。そうか、この人が。

【雲外鏡】:白い何か…、雲外鏡は手を差し延ばす。

「キミの姿を映し出す、鏡 -master- だよ」

【アカシャ】:その手に、褐色の肌――さらに、すすけた、黒い、か細い手が重ねられる。

「ええ。私の全てを捧げて」

【雲外鏡】:「ならば、いこう」 ふ、と腕を振ると共に現れる姿見。

【アカシャ】:頷く。

【雲外鏡】:「この喜劇か、悲劇か。もしかしたらスラップスティックかもしれない物語を読み終えにね」

【アカシャ】:鏡に映るは瞳に光を宿らせた、少女―― 。

【雲外鏡】:雲外鏡は、アカシャの異変にはきづいてるけど、いまはスルー。

【アカシャ】:「貴方の力を借りて――、行きましょう。元凶の元に――」

 それは、ちっぽけな願いそして、大それたこと。

【雲外鏡】:友達を助ける、かな。


                   ──SceneEnd...


■舞台裏

・天杜

【天杜】:かつて楽園にいたという、リサーチ:MORIという巫女について。

【RL】:<社会:楽園><コネ: MORI><コネ:"螺旋断簡佚書">、目標値:制 《神業》。

【アカシャ】:みこみこもり。

【天杜】:RLこれ、螺旋断簡佚書とMORIのコネについてだけど、もらってんのは、MORIのコネでいいか。

【RL】:もらってんのはMORIのコネだよ。

【天杜】:あーめんどくさい、神業であけてしまいたい。

【RL】:本音…だと?

【天杜】:真実、真実はどこや!

【RL】:おめー、キャンペーンで最初っから、全部情報丸出しでどうすんだよ!

【天杜】:「そ、そんな!」、っていいながら胸の奥に仕舞っておどおどしてやんよぉ。

【RL】:なん…だと?それなりにマッチポンプだぞそれ、大丈夫か。

【天杜】:ばか、そうしないとシナリオ崩壊。

【RL】:なん、だと?

【雲外鏡】:神業あまったら、EDで知ろうぜ。

【RL】:使い切らせてやる……。

【雲外鏡】:ガチバトル、始まる。

【天杜】: <コネ:MORI>+<交渉 >、【感情】6+K+コネ3=19。

【RL】:制:MORI、"永劫文書"の巫女。

  長きに歳月を経て散逸し、"螺旋断簡佚書"と名を代え"編纂"された過去を持つ。

 だが、二千年近く前、とある外ツ神との戦いにより消滅。"螺旋断簡佚書"は時代の闇へと葬られたという。

・BONUS!

 最期に契約していた魔術師と共に、僻地にて人間のような生活を送っていたと古い記録にはある。

【天杜】:RLがちゃんと螺旋断簡佚書の本当の名前を考えてきてて、噴いた。(笑)「考えろよー」「決めてねーよーーー」っていって たのに、きめた のか。でも、アイオーンにしたのは、はしたないとしか言えない。

【RL】:名前ちゃんとかんがえたんだよ!ほめてよ!

【天杜】:うん。(笑)本当に考えてくれたんだ、えらい!

【RL】:アイォオオオオン。

【天杜】:でもあいおーんはねーわ。

【RL】:つい。

【天杜】:はしたない。

【RL】:でぃすられた……。


【幕間】


 そう、貴方は鏡。■の鏡、姿見、虚像、空っぽ。


 けれど、■の■■。


 見せて、貴方の■いを。教えて、貴方の願■を。

 もしかしたら、それが、私の■■………。


【天杜】:RLシーンがくるぞ、GT劇場に備えろ!

【RL】:じゃ、GT劇場はじめますね。

【天杜】:ういっ。

【アカシャ】:備えます!

【RL】:ぶはは、シーンカードランダの正位置だよ。(笑)

【天杜】:希望きたこれ。


●RESERCH#11 : MIDGARDSORMR

◎Scene Card : HILANDER ( 希望 )

○Scene Player: RLScene

・Stage : 原子力潜水艦『アングルボダ』ブリッジ

†BGM :『 宇宙狂騒曲最終楽章 / 機神咆哮デモンベイン DISC2 O.S.T Track08 』


 ──ALERT!! ALERT!!

  ──ALERT!! ALERT!!


 ヴィル・ヌーヴ海軍最新鋭原子力潜水艦『アングルボダ』。

 ヴィル・ヌーヴ近海、コードネーム"トリエス テ"ポイント──海中にて発見された、謎の海底神殿の警護任務に当たっている潜水艦だ。

 今。

 その館内は、真っ赤な警告ランプに照らされて いた。

 音が禁物の 潜水艦内に、警報は鳴り響かない。ただ、そこかしこのホロ・ウィンドウに、真っ赤な警告の文字が鮮烈に点灯する。


「どうしたッ!!」

「艦長、これを──」

「"トリエステ"か、……何ッ!?」

 四十絡みの──艦長としてはまだ若い──将校 が、唸る。レーダーに映るのは──。

「こんな場所に、海溝は無かった筈だ…」

 海底に深く刻ま れる、爪あとのような、巨大な海溝。


【雲外鏡】:げぇ、海溝、だと。


「艦長!! ……ちが、違います、この海 溝……」

 ──広がっていきます!!

  《タイムリー》

 それは、この世の終わりのような光景であっ た。海底が、割れていく。プレートに直接巨大な亀裂が走り、砂糖菓子か何かであるかのように容易く皹が はいっていく。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!

『なんだ、あれはなんだ!?』 『わからん…… ああっ!!』 『神殿が……崩れる!!』

 巨大な亀裂は、海底神殿を横断するように走っ ていく。巨大な神殿が、あっけなく亀裂の中に飲み込まれ、寸断され瓦礫と化していく。駐留していた海 軍も、潜水艦も、それに乗った精鋭海兵隊も、各魔術組織の精鋭達も、ただ、呆然とそれを眺めていることしかできなかった。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… 。

「……まだ、続いている?」

 "アングルボダ"艦長は、目を剥いた。

 この亀裂。この形。それは、確かに──…奇妙 な……。

「……短波スキャ ン開始!!あの海溝の形状を調べろ!!」

「オーギュスト・ピカールじゃあないんだ!!探 査なんぞどうでもいい!」

 腕を組み、唸る。

「あのうさんくさいオカルティスト共の行ったこ とが正しければ……」

 ゴ──………ッ!!!


《タイムリー》効果 ⇒ "神殿"を破壊する効果を持った"魔法陣"を作る。


【アカシャ】:同時に、やった……!

【天杜】:誰だタイムリー使ったやつは。

【RL】:しょごす。


 ヴィル・ヌーヴ沖。海底に刻まれるのは、 巨大な、亀裂により刻まれた──恐らくは、地上最大規模の巨大なる魔法陣だった。

 ズズズズズズズズズ……。

「──……これは……」

 艦長は、思わず席から腰を浮かした。

 この海流。ありえない。ありえないが。

「──……退避ーーー!!百八十度回頭、バラス ト排水開始ッ!!緊急浮上、オーバーフロー!!」

「全軍に伝えろ──津波が起きるぞ──!!」

 巨大な海溝の中、ナニカが、確かに蠢いた。


《 天 変 地  異 》


【雲外鏡】:げぇ。(笑)


 巨大なるソレが、ただ身じろぎをしただけ で、全てを包み込む母なる大河は、全てを滂沱と押し流す、地球の鉄槌へと姿を変える。


効果:⇒ヴィル・ヌーヴの破壊


【アカシャ】:ちょ。ヴィル・ヌーヴがぁぁぁぁぁ!

【天杜】:生贄きたこれ


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハ ハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」

 海底神殿──跡地の直上。海面に、細いヒール の踵を浮かせながら直立する──"Hexa"。 "tragoIDIA"ヴィオレッタ。

「昔の生贄は、動物で代用したらしいね」

 けど、と。艶のある唇に、笑みを浮かべる。

「嗚呼、すばらしきかなニューロエイジ!!自然 の動物を捕まえるより人間を調達するほうが──ローコスト。言ってる意味、分かるよねぇ?」

 沈んでいく。津波に巻き込まれ、海軍艦隊が沈 んでいく。数千数万の、命と共に。

 エキストラ⇒ヴィル・ヌーヴ艦隊、聖母殿絶滅 騎士団、汎元殿エージェント部隊、世界魔術教会エージェント部隊 壊滅。


【アカシャ】:うゎあああ

【天杜】:壊滅したああああああああああああああああ、もうだめだあああああああああああああああ。

【雲外鏡】:ヴィルヌーヴおわた。

【アカシャ】:艦長ぉぉぉ。

【天杜】:M∵C∵A始まりすぎている。


「ぐ……ッ」

 荒波の中、"アングルボダ"艦長は、呻く。

「なんだあれは……あの化け物は──ッ!?」

 あれは、まるで ──……!!!


【天杜】:今回の神は、でっかいなぁ。世界蛇ってなんだったっけ?

【アカシャ】:よるむんがんど?


 其れは、五つの陸を喰らい尽くし、三つの 海を飲み干す者。

 残酷なる祖父を持ち、葉の島たる祖母を持つ。

 閉じ/終える者を父に持ち、心の臓を母に持 つ。

 此方は世界蛇。

 我が名は──……

「偽りの」

「神を持て成す/もてなす」

「宴を開け/啓け」

「舞い手は汝ら也」

海。生命の源。

深き底は今も人の侵入を拒む聖域。

海。

よせてはいつか変える場所。

「人の子よ、海に飲まれて、涙のように沈みなさ い」

 ヴィオレッタが、指揮者の様に指を掲げ。


 「目覚めよ、"毒王古韻律"!!汝が名は──」

           此方の名は──!!

 世界蛇"Jormungandr"。


【天杜】:きちゃだめーーー。

【アカシャ】:よ、よるむんがんどー!

【天杜】:ヨルムンガルド、アカシャ正解!

【アカシャ】:きちゃった☆

【RL】:答えはヨツムンガルドでした!


 ──SceneEnd...


「さぁ、最高の悲劇を始めよう」
⇒Next CLIMAX !!
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