【RL】:というわけでいきまっしょい。次はアカシャのシーン。もう夜になっちゃった。舞台どうする?

【アカシャ】:ういー!パーティが、始まっているのかしら。

【RL】:はじまりそう。自由参加なので気がはやい連中は勝手に集まってると思う。

【雲外鏡】:気が疾い、と書くと強そう。

【アカシャ】:うーん。雲外鏡と合流かなぁ、と考えていたけれど。

【雲外鏡】:よしきた。

【アカシャ】:明朝には攻撃するって言ってたのと――真実を知り始めたので多分、グルグルしてそう。

【RL】:そんなあなたに真実の使徒、Paxさん。

【アカシャ】:Paxさんっ。

【天杜】:そういや雲外鏡はPaxとまだ会ってないよね。PSがPaxの願い叶えるってあったけど。

【RL】:そういやはなしてないな。

【アカシャ】:そういえば。ショゴスの振りをして、ひとたびの邂逅でしたね。

【RL】:野良ショゴス。

【雲外鏡】:てけり・り。

【アカシャ】:寒そうだけれど、中庭とかなぁ(爆)。

【RL】:オケーイ。

【雲外鏡】:てけり・り、おいら血統書つきのショゴスじゃないよ。

【アカシャ】:クロスブリード・ショゴス。混血児ショゴス。

【天杜】:何いってんだ、ショゴスは細胞分裂だから血はまざんないよ!

【アカシャ】:突然変異……!(マテ)

【雲外鏡】:血液言語版。

【天杜】:おい、アナブラでぃすんなよ。

【雲外鏡】:アメブラににてる。(※ アメーバーブラッドの略か?)


●RESERCH#8 : LOST RE.

◎Scene Card : TATARA ( 精神的な女性像 )

○Scene Player: アカシャ

・Stage : "超弩級城砦型機神:dux"中庭 / White

†BGM :『 導きの星 / TALES OF LEGENDIA O.S.T. Track16 』


『ねえお姉さん、なんでこんなところにきた の?』

『"ベルザンディ"、時間が迫っているわ』


 白い花。青い花。見たこともない花が、其処には舞い踊っていた。まるで、花弁の舞踏場。高い白銀の壁に囲まれたそこは、日当たりは悪そうなのにほのかに 暖かく、ぼんやりと明るい。

 そして、微かに吹き込んだ風が、花々を揺する のだ。


【アカシャ】:「ええ……」

 視線は花を――虚ろに眺め。姉妹達に上の空に返事をする。ため息が白い息に変わる。黎明の海星の――侵攻を、止め無ければ……。しかし。アカシッ クレコードに圧縮された、"NORNIR"――“現在の自分”を創り出したのは――闇のザラストロ。それは、今のマスターの――上司、となるのだから。

【RL】:書庫に圧縮⇒Zip⇒最大圧縮。闇!! 闇!!

【雲外鏡】:ぐるぐる。

【アカシャ】:ざらざら。

 そこに、心に、蟠りのように――重い何かが出来て動けない、といえばいいのだろうか。

「……どうしたらいいのかしら――」

 それは、姉妹に、自分に問うたように呟かれた――。 

【RL】:『マスターは?』 呟くような声。

【アカシャ】:「……今頃、誰かに、サンタさんをしていると思うけれど……」

 視線を、白い花に落とす。

【雲外鏡】:サンタさんが入用になったら出るのゼ。

【アカシャ】:ういういっ。

【RL】: 『そういえばお姉さん』

【アカシャ】:「?」

【RL】: 『マスターのことどう思ってるのん?』

【アカシャ】:「――」 言葉に、詰まる。

 一瞬、ガールズトーク的だった。

【RL】:『……弁えなさい。あー、ベルザンディ、別に下心ある意味じゃないのよ?純粋に、貴方達の関係はなんなのかと、そう聞きた いの』

 妹はそうじゃないかなって……。

【アカシャ】:「え、ええ……そ、そうね」

【雲外鏡】:おかしい、こっちのパーティは何かシリアスが足りない。

【アカシャ】:純粋に、考えるなら――、

「当初の契約からするに――協力関係、かしら」

 お互いの、利が一致した。

「……でも。私の方が、一方的に、御願いを聞いてもらっている気がする。変かしら」

 と、小さく笑う。

【RL】:『んー、んー、まぁそれっぽくはあるんじゃないかな』

 笑い声──。

【アカシャ】:ガールズトーク、きゃっきゃっ。

【天杜】:ねぇ、雲外鏡先輩のことどうおもってるの?おねえさん、みたいな。

【アカシャ】:え、ええ、それってどういう……みたいな。いかん、頭の中でパジャマパーティの様相を一瞬呈した(爆)

【天杜】:やだもぅ、別にそういう意味じゃなくって、どういう関係なのかなーって思ってさ。だって、何ヶ月もずっと一緒にいたのよ? そういえば、組 織での部屋割りはどうだったの?一緒の部屋?それとも別?流行の通いってやつ!?とかそんな。

【雲外鏡】:雲外鏡せんぱい。多分、巷で噂の殺人犯とかだよね。

【天杜】:やめてよね、金髪になっちゃう。

【アカシャ】:金髪! あと、流行の通いって(笑)。

【天杜】:週末婚てのがあるらしい(笑)。

【アカシャ】:あー、土日に、一緒に、みたいな。

【天杜】:そっそ。

【アカシャ】:い、一緒の部屋だったわ。だ、だって、魔導書と魔術師、だし……。

【天杜】:(黄色い悲鳴)

【アカシャ】:ちょ、何でそんな声上げるのよぅ……っ。(枕をぼふっとなげて)

 望めば、個室も与えられそうだけれど(笑)。ショゴスとかも、居そうな気がします。

【天杜】:しょごっ。

『え、でもでもその様子だと』 『しっ、だめよ』 『だって』 『8ヶ月一緒だったけど、何も無かったの?』 『聞いちゃだめっていったのに……』 とかそんなガールズトーク。

【雲外鏡】:てけてけり。

【アカシャ】:脳内会話が大変なことに(笑)。

【RL】:『だとしたら、またお願いしてみたら?』

【アカシャ】:「……侵攻を、止めて、って……?」

【RL】:『そうそう。それとも、彼のお願いを聞いてあげたらどうかしら』

【アカシャ】:「そうね。アモリにも、頼まれているのだし――彼の、御願い、を――?」

【RL】:『うん。迷ってはいるけど手段はあるじゃない、あなたは。女神は、請われた願いをかなえるものよー』

【アカシャ】:「……。そうね、聞きに行くわ――」 すっと立ち上がる。

【RL】:『ごーごー!』

『大体何処にいるかわかるでしょ? 因果が繋がっているもの』

【アカシャ】:「え、ええ……」 ぐっと、目の前で両手を握り。

【雲外鏡】:とても混ざれそうにありません!

【アカシャ】:「寧ろ、そろそろ――」

 来てくれそうな気もする。そう思うのは――アカシックレコードの力、なのか――。

【RL】:雲外鏡がよばれてる。登場はアストラル、コネで10。

【アカシャ】:判定は、呼ぶからこちら側?

【RL】:コネで呼ぶ場合は、コネ判定で雲外鏡の制御値をぬく。

【雲外鏡】:よぶばあいは、(7/14 7/14 2/7 5/13)です。

【アカシャ】:こう、コネをインスタントさせて、貰えればこちらから呼ぼうかと思いますがっ。14以上出せばOKですな……。

【雲外鏡】:なん、だと?

【RL】:きたこれ。

【アカシャ】:やっぱり、コネをちゃんと持ちたいとは思ってます。では、コネ、【感情】で下さいっ。インスタント:〈コネ:雲外鏡〉【感情】で取 得。

 〈交渉〉+〈自我〉+〈永世者〉+(コネ:雲外鏡〉、【感情】【感情】5+ 4(永世者)+2(エトランゼ)+K6+1――18。

 いや、今、ここにある自分が、そう――求めるからか。

【雲外鏡】:「やあやあ、お嬢さん。そんなうかない顔をして、何事かお悩みかな?」

 果たして。庭の大木。なぜかモミの木に腰掛けたサンタクロースが、これまたなぜか煤だらけの顔で微笑みかける。

【アカシャ】:白馬の王子。

【雲外鏡】:白髪の王子。

【アカシャ】:煤だらけのさんたさーん!

「――雲外鏡……」 顔を上げて。

【雲外鏡】:むしろ、おじい。

【RL】:白髪のおじい。ただのじーさんじゃねーか。

【雲外鏡】:「よろしければ、この爺めにお話してごらんなさい?」

【アカシャ】:「――ええ、真っ黒なお顔のセントニコラウスのお爺さま?」 その様子に、微笑んで、「……2つあります」

【雲外鏡】:「ほうほう」

【アカシャ】:「1つ、黎明の海星による"白銀宮の歎き"の攻撃はどうしたら止められますか 」 樅木に一歩、歩み寄って、 「――そして、もう一つ。――私のマスターの願いを。そして、その願いを叶えるには……?」

 真っ直ぐに、見詰めて――。

 単刀直入に聞いてみた(爆)

【雲外鏡】:「……ふむふむ」 真っ黒なあごひげに手を当て。 「それはとてもとても簡単なことだよ、心優しいお嬢さん」 世間に浸 透した老人の口 調を真似て。 「1つめは、攻撃をする意味をなくしてしまうこと」

【アカシャ】:「――攻撃する、意味……。」

【雲外鏡】:「その意味は、さまざまな思惑が絡み合い、このサンタの目をもってしても見極められないがの。暗い夜道を照らし出す、ト ナカイのお嬢さ んには見えておるんじゃないかね?」

【アカシャ】:「――え……」 目を見開く。

【雲外鏡】:「それと、もう1つ。お嬢さんの“マスター”の願いは、お嬢さんの願いを叶えること」 途中から口調を戻し。

【アカシャ】:「――」

【雲外鏡】:「さしあたっては、彼女が名を取り戻すこと。もしかしたら、それはもう、叶ってしまったのかもしれないけれど」

【アカシャ】:「――……」 戸惑うように、何かを言いかけるように。

【雲外鏡】:「心配かい?」

【アカシャ】:「……え」

【雲外鏡】:「与えられ続けるだけの願いが。与えることの出来ない願いが」

【アカシャ】:「……」 頷いて、首肯。

【RL】:雲外鏡は、公然とメタ会話が許される雰囲気を纏っているな(笑)。

【天杜】:これは私も、メタ空間に入るしかない。

【RL】:おい。アモリはもっとピュアに。

【天杜】:天杜が「メタ的に考えて負けちゃう。だから、ワタシはあっちにまわる」っていう。

【雲外鏡】:え、雲外鏡は一度もメタ発言したことないよ!

【RL】:スレスレだよね。

【雲外鏡】:「ふふ」

【アカシャ】:「だって――アナタがワカラナイのですもの……」

【雲外鏡】:「それはね、……ううん。なんでもない」 ふ、と微笑を浮かる。

【アカシャ】:「――」 顔を上げて、少しだけ、抗議するかのような顔を。

【雲外鏡】:「心配は要らない。全ては上手くいくよ。白銀宮への攻撃の取り止めも、キミの名を探す旅も、マスターの願いも。そして、 僕の願いも。も う、全ては終幕へと向かっているはずだから。そう。何も心配は要らない」

【アカシャ】:「……どうして……」

【雲外鏡】:「うん?」

【アカシャ】:「――どうして、そう、アナタは居られるのかしら……」

【雲外鏡】:「どうしてだろうね?」

【アカシャ】:「終幕となった時――アナタは、アナタの願いを、本当に、得られるの?」

【雲外鏡】:「どうだろうね?」 笑みを絶やさず。 「それは、その時が来たらわかってしまうことだから」

【アカシャ】:「――……。まるで、私より、知って居るみたい――この先のことを」

【雲外鏡】:「あははは! ないない。それはない。キミは全知の葉で、僕はただの魔術師……じゃなくて、今はサンタだったね。その僕 が未来なんて見 通せるわけがない。そもそもそれじゃあ、意味がないじゃないか」

【アカシャ】:「――……意味が?」

【雲外鏡】:「意味が。結末を知っているのなら、僕はこんなことなんかしてないよ」 こんなことが何を指すかは、触れない。

【アカシャ】:「……」

【天杜】:雲外鏡の相手をしてると、ゲストの相手をしているようだ。

【RL】:全くだ。

【雲外鏡】:キャストなのに、いいキャストなのに。前回は。

【天杜】:今回は?

【アカシャ】:ご、ごめんなさいっ応答が遅くてっ。ぐるぐるしてたっ。

【雲外鏡】:「僕は僕を知りたいだけ。それは僕が僕を知らないから。さっき、アナタがワカラナイといったよね? つまるところ、それ は僕の台詞なの さ」

【アカシャ】:「――……この先に起こる出来事が、アナタを――アナタに、知らしめてくれるのかしら」

【雲外鏡】:「それが見えないから、人は鏡を覗くんだよ。……さて、ぐるぐる回る問答はこれでお仕舞い。とりあえず、1つめの願いを 叶えに行こ う?」

【アカシャ】:「――……」 何かを、言いかけようとして――時間が、迫っていることを思い出す。

【雲外鏡】:アカシャって、見た目的には一人?

【RL】:一人。脳内姉妹だから。

【雲外鏡】:おい、それ新しいな。

【天杜】:それは何か、アレだ。「お兄ちゃんっ」って呼んで欲しい大きいお友達みたいでいやだ。

【アカシャ】:いまは、アカシック=エンジュ=ベルザンディで混じり合った状態+姉妹という認識っ。

【雲外鏡】:混ざりすぎ(笑)。

「あ、そうだ。それでも心配事がなくならないなら」

【アカシャ】:「……?」

【雲外鏡】:「1つ、僕からお願いがあるんだけど」

【アカシャ】:「何、かしら……?」

【雲外鏡】:「うん」 少し言いづらそうに口ごもる。 「あー、ここから下ろしてくれない?」

【アカシャ】:「……」 目を一瞬まん丸く見開く。

【雲外鏡】:「客間からキミが見えたんで、ショートカットしようとしたんだけどねー」

【アカシャ】:「……ふ……ふふふっ」 堪えるように笑う。

【雲外鏡】:「おりられなく…… むむ、笑うことないじゃないか。初代サンタとちがって、僕はカゲじゃないんだよ」

【アカシャ】:「だ、だって……、そんな、猫みたい……」 くすくすと笑って。

 変化で、適当に、梯子を出したことにして良いかな。

【雲外鏡】:うい。てわけで、救出作業で切りかしら。

【RL】:そね。けど変化で梯子出すって、凄いな。

【アカシャ】:何か、そういうアイテムあるかなぁ、って思ったけれど流石にない。

【RL】:梯子は流石にないな……線路ならある。

【アカシャ】:え、線路。こ、購入値いくつ……?

【RL】:やめろ住居だ。

【雲外鏡】:おい。ソリがバッカナルになる。

【天杜】:ねー、言っていい?

【アカシャ】:うい?

【天杜】:Paxが中庭で、ちっちゃい列車の線路ひいてて、 乗ってそう。

【アカシャ】:あー!ありそう(笑)。

【天杜】:Pax……寂しい奴……。

【アカシャ】:しゅっ、しゅっ、ぽっぽっ。……むしろ、色々なヴィークルがあったから、ありそうだなぁ。

【RL】:ありそうではあるけど(笑)。ぽっぽー。

【アカシャ】:「ま、まってね」

 笑いを堪えているせいかやや不安定に力が発動され、周囲の枝やらが姿を変え、梯子のようなものが創出される。

 〈自我〉+〈永世者〉+〈変化〉、【感情】5+4(永世者)+2(エトラン ゼ)+K3――14。14あれば、梯子のようなもの出ていいかしら。

【RL】:いいよ(笑)。


 

 

   ──SceneEnd...


【天杜】:天杜はツリー見に行くのだ。MORIと真っ向から、スパーリング。

【RL】:見に行けよ。そろそろクライマックスってしまうぞ。

【天杜】:パーティーがクライマックスなん?

【RL】:いや、パーティーはイベントの一つで用意しただけで、夜から夜明けにかけてがクライマックス。

【アカシャ】:ういー、ずんちゃっちゃ ずんちゃっちゃっ♪


■舞台裏

・天杜

【天杜】:ここまで情報揃ったら、黎明の海星の狙いを推測できるかな。後、自分がどうなるか、とか。推測の域は出ないかもしれないけ れど。

【RL】:コネか自我で、誠意があれば出来るだろう!

【天杜】:リサーチ:黎明の海星の狙い、それにともない自分がどうなるか!

【RL】:相応しいと思う技能にて判定せよ、目標値:21。

【天杜】:<自我>、JOKER⇒21!、誠意見せた。

【RL】:21:VOLVAの復活が目的と見るべきだ。そこにいたる過程、さらに大本の動機までは想像しかねる。

  しかし、恐らくは感情的な理由だと推察される。となれば必要な要素は、魔導書の三大要素である情報、精霊、奉神を集めること。天杜は、そのうちの一つ── 奉神を復活させるための母体として用いられるだろう。先ず間違いなく、人としての天杜・ステラは終わりを告げる。

【天杜】:ちんだ。

【雲外鏡】:ちんだ。

【RL】:残りの二大要素のうち、情報は現在に至るまで天杜が回収しつづけている。となれば、残りは精霊。 VOLVAの復活という 観点に絞るのな らば、寧ろこの部分が目的であるとも取れる。

【天杜】:眠り姫、か。

【RL】:3ツの内2ツが完成しているのならば、残り一つを呼び寄せることもできるのではないか?それとも、既に完成した素体をそこ に据えるのか? どちらが真の狙いかは現段階では見通しがつかない。もしかしたら両方かもしれない。

☆BONUS!!

 もし、精霊が"向こう側"にいるというのが真実であるなら、生半な手段では取り戻すこと ができない。

 そう、たとえば、神話を再現するくらいのことをしなければ門は開かれないだろう。

【天杜】:ラグナロクの再演だと?そういえば、天鎖教典自体のリサーチってしたっけ。

【RL】:してないと、思う。

【雲外鏡】:俺、ラッパ鳴らすんだ。ぷぺー。

【アカシャ】:黎明の海星が"白銀宮の歎き"を狙うのは。眠り姫を手中に収めるためかー……。

【雲外鏡】:うむす。

【天杜】:攻撃されないようにするのは、眠り姫を無血で引き渡すか、あるいは眠り姫を殺すかかなー?殺したら殺したで激昂しそうでは あるけど。

【アカシャ】:確かに。それとも、眠り姫のスペアとか(爆)。 まぁ、代わりになるのは、無い、か……。

 Paxは、打って出るのか……。別の思惑があるのかな。滅びることは確定している感じだから……。

【RL】:Paxは今、パーティー会場でかわいこちゃん見つけては声をかけてるはず。

【アカシャ】:女好きさんめ(笑)。

【RL】:そしてアモリンリンのシーン。舞台は?

【天杜】:モミの木の下へ。

【RL】:OK。正面広場にある……でよかったよね(曖昧)?

【天杜】:おい、RL(笑)。

【RL】:モミの木の場所まで、メモってねーんだよ!

【天杜】:めもれ。


●RESERCH#9 : RUN AWAY

◎Scene Card : KABUKI ( 未熟 )

○Scene Player: 天杜

・Stage : "中央広場" / White

†BGM :『 強がりなんかじゃない / TALES OF LEGENDIA O.S.T. Track10 』


 この街の夜は、神と精霊、魔と妖の時間だ。

 大通りを歩く魔術師達に混じって、小妖精や小 鬼、猫妖精や幽霊達が姿を見せ始めている。中でも、竜族が露店を開いているのはいっそ笑えてしまう光 景だった。カムイST☆Rよりもさらに、この街は原初に近い。


【アカシャ】:え、百鬼夜行。


 広場の中央。煌びやかに、だがどこか仄かに。光り輝くモミの木。大きい。余りにも大きい──災厄後の世界に、こんな木があったのかと思うほど。


【天杜】:此処に至るまでの道すがら、この街が素敵過ぎて綻びそうになる頬を引き締め、やや前のめりになる早足でここまでやってき た。

「わ……あ」

 口が、だらしなくぽかん、と開く。周囲を舞う、ティンカーベルのような妖精たちの燐粉さえイルミネーションのようだ。それは、きらきらしていて、 絵本の中から飛び出した宝石箱のようだった。

「凄い」

 綺麗。

 一緒になって、感動を分かち合える人はいないけれど。それでも十二分に美しかった。

 そのまま、見事な枝ぶりのしたまで行く。上を見上げると、真っ黒な天井のように見えた。所々に見られる宿木も、随分と立派に育っている。この街に 流れる年月を感じた。

【RL】:「お嬢ちゃん。あまり近づくと見えないよ。いや、それとも、違うものが見えるのかね」

 かけられる声。ふと気付けば、木の下には一人の老人が座っていた。襤褸切れのような外套を纏っている。毛は伸び放題でしわくちゃだ。

【天杜】:「え」 そちらを振り返る。 「あ、ごめんなさい。あんまり見事な木だったから、近くで見たかったので」

【RL】:「いや、咎めているわけじゃあない。存分に見て遣ってくれ、こいつも喜ぶ。この街でこいつが見れるのも、きっと最後だ」

 細く溜息をつく。老人の口から、ぼう、と火種が漏れた。

【天杜】:「どういうこと?」

【RL】:「城主──Pax卿が、この街の終わりを宣言した。半年くらい前だ」

【天杜】:「え……」

 そんな話は聞いていない。だが、

 ――これで役目も終わり。

 そんな言葉を彼がこぼしていた事を思い出す。

【RL】:「ここは、神という一柱で支えられた幻想。あれが消えれば、消えてなくなるが定め。居心地はよかったんだがね。ここ二百年 くらい、平和に 暮らせたんだが……また、龍殺しどもに追われる日が来ると思うと面倒でたまらんよ」

【天杜】:「龍……あ」

 老人の襤褸の服、袖から覗く腕には薄くうろこのような痣が見えた。龍人なのだろうか。

 ということだよね?

【RL】:うん。正確には人化してるんだけど。

 老人は、シィ、と笑う。陽気な笑顔。

「この街は、愚かな幻想を支える為に生まれた街。眠り姫が一人では寂しいだろうと、行き場に困ったアヤカシと、国土を捨て切れなかった魔術師達を囲 いいれたのが始まりさ。何が起こったかは知らんが、Paxは眠り姫の目覚めを決意した。そういうことだろうよ」

 セグウェイとか輸入してたのは、Paxの趣味です。

【天杜】:「……」

 城を振り返る。ここからでも見える白い城は、今は雲の切れ間から上り始めた、月の光に青白く照らされている。

【天杜】:「そう、ですか」

【RL】:「丑三つ時から、この街は人が消えるぞ」

 持っていた瓶を煽って、老人が立ち上がる。ラベルには、「スピリトゥス・レクティフィコヴァニ」と。度数96のウォトカを口に含んで、火種を吐き 出す。さっきのより巨大だ。

 スピリタスのんで火はいたら、口の中ヤバいことになりそうだが。まぁ龍だし。

【アカシャ】:きっと、そこは平気。こう、含むアルコールによって、火の色が……変わる……!

【天杜】:「え?」

【RL】:「パーティーが終われば、Paxが動き出す。それに備えるのさ。お嬢さん、楽しんでいってくれ」

【天杜】:「……なんだか」

【RL】:「ん?」

【天杜】:「世界の終わりの縮図みたい」

【RL】:「…かァはぁはぁはぁはっ」 大口を開けて笑う。お酒くさい。 「終わらんさ。世界は終わらん。終わるのは、人とアヤカシ だけよ」

 アモリの頭をぐしゃぐしゃと撫でて、古龍の老人は去っていく。聞いたことのない唄を歌いながら。

【天杜】:乱れた髪を整えながら、その背を見送った。

 老人が腰掛けていたその場所に、今度は自分が代わりに腰掛けた。

 人の営み。周囲をせわしなく動く妖精達の合間に見える人の息づいた空間。これが終わるのであれば、……それは、ある種の世界の終わりと相違ないの ではないだろうか。人は、己が認識した世界しか存在出来ない。この世界しか知らぬ存在がいたとすればやはり、己が死んでも別の世界は続くとはいえ、それは その者にとっては世界の終末に違いない。

【RL】:そろそろモリモリくるよ。こないほうがいい?

【天杜】:来てもいいよ。

【RL】:「アモリ」

 雑踏は横に流れていく。その中を、真っ直ぐに歩いてくる影があった。

「探したぞ」

【天杜】:白く、つるりとした眉間に皺が刻まれる。会いたくて、でも今一番会いたく無い奴がきた。

「何か用があるの?」

 視線を上げる。いつも、かなりの角度で見上げなければ彼の顔を見る事はできない。

【アカシャ】:ツンツン。

【RL】:「……。神が来るぞ、君ならばわかるだろう」

【天杜】:「知ってるよ」

【RL】:「強大だ。 君は戦うこともできるし、逃げ延びることもできる。どちらでも、此れが力を貸そう。逃げる事を勧めるがね」

【天杜】:「いいよ、放っておいて」 膝を抱え、小さな顎を乗せる。

【RL】:「そういうわけにはいかん。君は此れのマスターだ」 見下ろしたまま、呟くように続ける。 「どうするつもりなのだ」

【天杜】:「戦わないけれども、逃げもしないよ」 息をついて指に髪を絡める。

【雲外鏡】:ツンツン。

【RL】:「……座して死を待つ──わけはないな。何を考えている?」

【天杜】:「帰るよ」

【RL】:「ロッジにか? それも選択だ。……だが、いいのか?」

【天杜】:「そうだよ。あそこが、ワタシの生まれた場所だから」

【RL】:「帰れば、君は君でなくなるとしてもか」

【天杜】:「うん」

【RL】:「何故」

【天杜】:視線が、左右に泳ぐ。ため息。

「キミに話しても仕方が無いよ」

 嘘をつくのは苦手だ。ならば、話さなければいいのだ。

【RL】:「……。そうか。では、此れが話をしよう」

 そう言って、MORIはモミの木の下に座った。アモリから、一人分の隙間を置いて。

【天杜】:「?何を」

【RL】:「夢の話だ」

【天杜】:「夢?」

 珍しそうに、MORIを見る。彼が、すすんで自らの話しをするのは珍しい。何か、迷っているのだろうか。

【RL】:「最近良く見る夢がある。此れが契約者を殺し、焼き尽くし、滅ぼしてきた記憶の先。そこにあるのは楽園の記憶のはずだ。だ が、此れにはそ れはない」

 自分の掌を見つめながら。

「あるのは、夢か現かも判別のつかぬ──……人の子としての記憶だけだ。……母とも姉ともわからぬ。だが、誰かと共に暮らしていた。そして、彼女を 喪った。此れが弱く、また愚かだったためだ」

 自嘲の笑みが浮かぶ。

「……こんな話こそ、君に話しても仕方がなかったな。すまなかった」

 それは、何について謝ったのか。そういったきり、MORIは顔を逸らした。

【アカシャ】:MORIさんの、過去が。がんばれおとこのこ。

【天杜】:「……」

 立ち上がると、ぱんぱんと埃を払った。

「丑三つ時の前に、黎明の海星の本陣へ行く」

【RL】:「此れも行こう」

【天杜】:「でも、キミはつれていかない」

【アカシャ】:まさかの解雇宣言。

【RL】:「……何故だ。君は此れのマスターだろう。アーティファクトを有用に行使すべきだ」

【天杜】:「向こうに行けば、キミとの契約は終わる。だから、つれていかない」

【アカシャ】:でれ。

【RL】:「勝手な話だな」

【天杜】:「契約が有効な間、キミにはワタシのかわりに、眠り姫を見ててもらう。Paxの仮面が外れた時、何かあるんだって。彼女 を、護ってあげ て」

【RL】:「……。……それが君の望みなら。」 頷いた。

【天杜】:「うん」

【雲外鏡】:でれ。

【アカシャ】:せつない。

【RL】:「アモリ。悔いを残すな」

【天杜】:「メリークリスマス……イヴだけど」

【RL】:「……メリークリスマス」

 ひょい、と。アモリの前に、何かを差し出す。

【天杜】:「何?」

【RL】:「そこで、猫妖精に会ってな。ああ、古馴染みなのだが。貰った」

 薄桃色の包み紙に入った、焼き菓子。蜂蜜のたっぷりはいった、甘い菓子だ。

【天杜】:「……仲直りのつもり?」

【RL】:「……」

 ぺしっ、と。軽く、天杜の胸のあたりに投げつける。

 ハニー返し!

【雲外鏡】:なんで、シリアスなのにハチミツ臭が。

【アカシャ】:いけません、蜂が来ます。

【RL】:やだはちみつくさい。

「仕返しのつもりだ」

 そう言って顔を逸らした。

【天杜】:上目遣いに――必然的にそうなるのだが――見上げた。

「そっか」

【天杜】:「ごめん」 ハニートーストのこと。 「ちょっとやりすぎた」

【RL】:「君が謝る必要など何処にもないッ!!」

 慌てたように、少しだけ席をずらす。

【天杜】:「じゃあ、ワタシからも。プレゼント、あげるよ」

【アカシャ】:プレゼント交換ッ。

【RL】:「……なんだ」 何故か少し身構える。

【天杜】:「最期になるけど」

 笑って。 

「キミに殺されてなんかやらない」

 笑って。生まれて、はじめてこんな、粗悪な言葉を使っただろうか。

「ざまあみろだ。それが、キミが欲しかっ たものでしょう?」

【RL】:「……アモリ」

 俯く。

「……そんなもの」

 言葉は続かず、ただ、悔いるように唇をかんだ。

【雲外鏡】:いい、しーん。せつない。

【天杜】:「いいよ。判ってるから」

【天杜】:「最初に名前賭けたときも。二度目にURITE呼んだときも。キミは、人を薪だっていいながら、死なせる事を畏れてた。自 分が罰せられる 事を望んでたもの」


†BGM :『 私とワルツを / 鬼束ちひろ 』(hhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm6138795)


【アカシャ】:わたしとわるつを……!

【雲外鏡】:しゃるうぃー。

【アカシャ】:だんす。

【RL】:「……君は想像力が豊かだな」 お定まりの言葉を呟く。

【天杜】:「ほら、何度目かな、そのキミが都合が悪くなった時の台詞」

【RL】:「……ぐ」

 押し黙る。顔に浮かぶのは自嘲と自責。僅かな恥。

 ずっとモリ(がダメ男な)ターン!!

【天杜】:「平気だと思ってたら、死ぬって判ったから、落胆したのと、自責の念に駆られたんだよね、さっき。目を、逸らしたのは」

 ころ、と足元にあった石を蹴る。

【RL】:「……君はいつか死ぬと、言ったおいただろう」

【天杜】:「大丈夫、安心して。ワタシを殺すのは、キミでもURITEでもないよ」

【RL】:「……」

【天杜】:「ワタシは、ワタシの運命に殺される。これで、キミは少し楽になるのでしょう?」

【RL】:「その運命にも抗するのが、君ではなかったのか。此れの事などを何故気に掛ける、自分のことを先に考えろ、思い上がる な!」

 思わずといった様子で立ち上がる。

【天杜】:「思い上がってるのはMORIだよ。自分勝手なのもMORI」

【アカシャ】:天杜の こうげきが とまらない。

【雲外鏡】:HANASE。

【天杜】:「都合のいいときだけ、優しくて。必要無くなったら、自分が傷つくから手を離す」

【RL】:「……」

【天杜】:「相手にも嫌われればなおいい。嫌いな相手に嫌われても、仕方が無いって割り切れるし、しょうがないって思えるから」

【RL】:「君…は」

【天杜】:「違うの?」

【RL】:「違う」

【天杜】:「ホントウに?」

【RL】:「此れは、己が命題に従っただけだ……」

【天杜】:「説得力が無いよ」

【RL】:「五月蝿い」

【天杜】:「そうだね、さようなら」

【RL】:「……」

【天杜】:「さようなら、螺旋断簡佚書」

【RL】:ラッシュが。

【天杜】:ころぬ。

【アカシャ】:SAYONARA!

【天杜】:「今。これでいい。そう、思ってるのかな」

 首を、かしげる。

「でもね。ワタシは出来る事なら、キミに優しくして欲しかったよ」

【RL】:「……何故」 疑問符を投げる。

【天杜】:「何故って……」 目をしばたたかせる。

【RL】:「此れは魔物だ。君を貶め、滅ぼし、殺すものだ。忌むべきものだぞ、最初から思っていたが、君はおかしい」

 物言いが入りました。

【雲外鏡】:その理論はおかしい。

【天杜】:「でも、星女という入れ物、道具としてワタシを見なかった人はキミとノルマしかいなかったし。こんなに会話をしたのは、キ ミとヴィオレッ タしかいなかった」

【RL】:「それだけの理由でか」

【天杜】:「……ワタシは、キミになら殺されても良かったよ。どうせ死ぬのなら、天杜という人間として死んで見たかった」

【RL】:「……。死す事に希望などあるものか……。君は生き延びるべきだ」

【天杜】:「どっちに転んでも死ぬなら、死に方ぐらい自分で決めたっていいじゃないか」

 腰に手をあてる。

【RL】:「……君の望みは何だったのだ?」

【天杜】:「ああもう、うるさいなー。意味ある死をもって死ねとか言ったり、生き延びろって言ったり意見が二転、三転しすぎだよ」

【RL】:「……君がわからん」

【天杜】:「ワタシの望み?そんなものはね。多分、無かった、無かったんだよ」

 星女として、生き。星女として死ぬ。余りにも当たり前に決められていたことで、そこからはみ出る希望など無かったのだ。

【RL】:「此れが言ったことに反発したがっていただけではないか」

 少し憮然とした様子で言う。

「なのに今は運命に殉じるという。それは……君らしくない」

【天杜】:「それは、その方が都合がいいからだよ」

【RL】:「誰にとって」

【天杜】:「ワタシにとって。まだ判らないの」

【アカシャ】:わらかない……んだ……。

【RL】:「……」

【天杜】:「キミが自分のせいでワタシを死なせたくないっていうからだよ。キミを傷つけたくないから。キミがワタシを殺す前に、ワタ シは死ねばよい でしょう」

【RL】:「だからそれが何故なんだといっている……!」

【天杜】:「八つ当たりかな」 横を向く。 「ワタシの考え付く、キミに出来ることで、キミを傷つける最大の事がそれだっただけだ よ。ううぅん、傷 ついて欲しいんだよ」

【RL】:「……」

【アカシャ】:傷、ついて……!

【雲外鏡】:天杜、S。

【天杜】:MORIのMは、マゾのM。

【アカシャ】:理解、した。

【RL】:「君が生き延びる術を此れは知っている。だから、そんな子供のような意地を張るのは止めてくれ」

【天杜】:「いいんだよ。薪にそんな気を使わないでいいんだ」

【RL】:「黙れ。さっさと逃げろ。契約は此れがディスペルしておく。Paxにでも頼めば逃げられるだろうが」

【天杜】:「もう、マスターはワタシなんだよ。それに、いろいろ調べたけど解約の方法なんて無かったんだよ!」

【RL】:「ある!」

【天杜】:「どっちかが死ぬぐらいでしょ!」

【RL】:「それの何が悪いか!」

【天杜】:「いいから、魔導書は魔導書らしい仕事してなよ!解約したら、神々の黄昏がすぐにおこるよ。それまでに新しい契約者探して 頑張ってよ」

【RL】:「しているだろうが、無駄な行動を、愚かなマスターの愚鈍を止めているだけだ!」

【天杜】:「わーわー」

 耳に指をつっこんで聴く耳持たぬ顔。

【RL】:「……このっ!」 手を引っつかんで、無理やり耳を開かせる。 「死ぬなッ!! もっと世界が見たくはないのか!! あん なに遊びたがっ ていただろうが! 此れは、そんなじゃじゃ馬で扱いづらい君の方が好きだ、だから死ぬな、諦めるな、捨て鉢になるな! 勝手なのは、愚かなのは君の方 だ……」

 とん、と。軽くアモリを突き押して背を向ける。

【アカシャ】:どーん!来た。

【RL】:ぷんぷんした。

【雲外鏡】:PUN☆PUN。生き残りたい。

【アカシャ】:まだ生きていたい。

【RL】:「城へいけ。Paxに保護してもらえばよかろう! もう知らん、此れは勝手に君を生き延びさせることにする」

【天杜】:「……」

【RL】:「君如きが、此れをやり込めようなど二百年は早いわ!」

【天杜】:「嫌い」

【RL】:「ならそれで構わん」

【天杜】:「嫌い嫌い」

【RL】:「子供の戯言だ」

【天杜】:「嫌い嫌い大大嫌いッ!」

【RL】:「──……〜〜ッ!!」

 ばさっ、と。黒い外套を翼のように広げて。

「──……じゃあな」

 ぼんっ、と。モミの木を掠めるように、飛び立った。

【アカシャ】:飛んだ……。

【天杜】:何処行った。

【RL】:さぁ……。

【天杜】:それを睨むように見送って、肩で息をしながらしゃがみこんだ。

 Paxが言っていたのは本当だ。疲れやすいのや、息切れしやすいのはたまたまではなかったのだ。

「……COR」

 鞄の中にいるだろう、彼女に声をかけてみる。反応してくれるだろうか。

【アカシャ】:毒王古韻律さん……、だったけ。

【天杜】:うん。

【RL】:こる。ちなみにCORは心臓って意味……だったはず……。どめきは、あうあういっててしゃべれません。

【アカシャ】:どめきー!

【RL】:『おぬしら、五月蝿いの』

【天杜】:「ごめんね」

【RL】:『構わぬ。何か用かえ』

【天杜】:荒く息をつく。ひゅーひゅーとなる呼気が煩い。

「楽しい、こと。クリスマスパーティー連れてってあげたかったんだけど、一緒に、黎明の海星に行ってくれる?」

【RL】:『構わん。が、力にはなれんぞ』

【天杜】:「うん。……いてくれるだけでいい」

【RL】:『お安い御用じゃ。のう、巫女や』

【天杜】:「なぁに?」

【RL】:『さっきの、どちらが悪いと思うかえ』

【天杜】:「さっきのって、MORIとワタシの喧嘩?」

【RL】:『そこからしか見ておらん』

【天杜】:「そうだね」

 はぁ、と一言ごとに混ざる酸素を欲する肺に心の中で毒づきながら。

「多分、ワタシ」

【RL】:『あの出来損ないが悪いとは思わんのか?』

【天杜】:「憎たらしいし、腹は立つけど。そうやらないとやってこれなかったんだと思うよ。それを人に無理やり押し付けるのが、悪い とは思うけれど もね」

【RL】:『ふん。ならやはり、両方悪いということではないか』

【天杜】:「そうだね。でも、より悪い方に働こうとしてるのはワタシだから」

【RL】:『くだらんくだらん』

【天杜】:「……そうだね」

【RL】:『男女の諍いなら、大抵男が悪いとしたほうが収まりがよかろうもの』

【天杜】:「なんか、災厄前にね」

【RL】:『ん?』

【天杜】:「流行った歌で、わがままは男の罪だけどそれを赦せないのは女の罪なんだって歌ってるのがあってね。多分、誰かが受け止め ないといけない んじゃないかな」

【アカシャ】:天杜、そんな歌を、知って(笑)。

【RL】:『それ、歌っとるのは男かや。女かや』

【天杜】:「男だよ。きっと都合のいい女を歌ってるんだろうね」

【RL】:『女が歌ったら逆になっとったかもしれんな』

 けらけらと笑う。この半年で、彼女も大分明るくなったように感じる。多分、こっちの正確の方が地なのだろう。

【天杜】:「そうだね」

【アカシャ】:これ、ある意味、ガールズトークだッ。

【天杜】:はぁ、と息をついて木に手をついて立ち上がる。

【RL】:『眷属なら出せるぞ、乗っていくかや。この街なら平気じゃろ』

【天杜】:「ううん。刺激したくないの」

【RL】:『判った。……不幸になる選択だけは、誰がなんといおうと間違いじゃからな』

【天杜】:「大丈夫だよ」

 最初からこうだったのだから、これ以上になるわけがない。

【RL】:『そうかや。なら、それでよかろ』

 鞄から光が漏れる。少しだけ、体が楽になった。毒王古韻律が、何かしてくれたらしい。

【天杜】:「有難う。……いこっ」

【RL】:『うむ』

【天杜】:最後に、モミの木を振り返る。

「………綺麗だね」

【RL】:『然り。矢張り、光の美しさは地上じゃの』

【天杜】:「うん」

 滲むイルミネーション。やけに、不規則に光がゆがむと思ったら瞳に水が溜まっていたらしい。袖でぬぐう。

【アカシャ】:……ほろり。

【RL】:『泣くな』

【天杜】:「うん」

【RL】:『良い子じゃ』

【天杜】:「うん」

【RL】:『頑張れ』

【天杜】:「有難う」

【RL】:『ほほ』

【天杜】:石畳に軽い足音が響く。途中、岩妖精の店で軽く買い物をし。入ってきたのと同じ階段を上った。

【RL】:──背後で、なにやらすごい音がした。

【天杜】:な、なんだ凄い音って。

「う?」 振り返る。

【RL】:振り返ると──……白銀の城が、その大きな手を振っていた。イルミネーションで飾られた、巨大な塔か橋のような手が、ぶん ぶんと振られて いる。

【RL】:『城主にはお見通しのようじゃの』

【天杜】:「そうだね……。ごめんね、Pax−−−−−!!!」

 それに応えるように手を振る。パーティー。行ってみたかったな。アカシャは、彼の主催する最後のパーティーに参加するだろうか。

【アカシャ】:ぱーてぃ……しょぼん。アカシャも多分、行ったみたいと思っていると思うが……。カレーがあったら喜ぶ(爆)。

【天杜】:後で、戻ってきたら聞けばいいだろうか。一段、一段と重く感じる脚を引きずり地上を、目指した。

【RL】:「天杜様。お迎えに上がりましたわ」


 吹雪始めた、街の外で。月光と雪に照らされて。


 彼女が、立っていた。

【アカシャ】:ヴィオ先生!

【天杜】:「ヴィオ……レッタ」 どうしてここに。

【RL】:「来ると思っていました。さ、此方に」

【天杜】:「……はい」

【RL】:「偉大なる導き手、"黎明の海星"様がお待ちですわ」

 手を、伸ばして──。

【天杜】:巡る。脳裏に、彼女に与えられた希望と絶望の時間が。

 頭を振って、振り切る。

「今、参ります」

 手を、取った


希望とは、絶望を招く呼水なり。

私達は、伸ばされた手を取った。

何のために。 生きるために?

きっと──

           ──嬉しくて。



【RL】:これ、NGシーンで雪がふるなかずっとまってるヴィオレッタが、くしゃみしてるシーンが挿入されそう。

【天杜】:雪だるまになる。

【アカシャ】:そのNGシーンはよいNGシーン。


■舞台裏

・アカシャ

【アカシャ】:リサーチ:"天鎖鏡典"ORDO。

【RL】:<コネ:"天鎖鏡典"ORDO><コネ:黎明の海星><コネ:雲外鏡><社会:楽園 > <社会:■■■><社会:アストラル>、全て別情報。目標値:不明。

【アカシャ】:な、なんだと。伏せ字の社会が気になる。

【RL】:隠れバディとアカシックで代用判定のときは、どの社会相当か宣言するんだ。今回はアカシックの代用は-3で。

【アカシャ】:ういうい。

【天杜】:全部別って、剛毅だな。

【RL】:判定が成功すれば理由がわかる(笑)。

【アカシャ】:何だろう?ここは雲外鏡のコネで、報酬点付けてみよう(爆)。

 〈自我〉+〈永世者〉+〈コネ:雲外鏡〉、【生命】4+4(永世者)+2 (エトランゼ)+HQ+1(報酬点)――21。

【RL】:21:雲外鏡に良く似ていた。顔立ちが、とかではない。存在が、だ。無関係な存在ではありえない。そう確信できた。彼女はきっ と、雲外鏡の ──………。

【アカシャ】:ぷ、ぷぺー。

【RL】:《守護神》

【アカシャ】:《守護神》きたー。何だろう 対存在かな……?

【天杜】:おるたなてぃぶ。

【RL】:「そろそろ出番かしら、ねぇ、私の ■──」

【天杜】:何か言ってる。

【アカシャ】:言ってる。

・雲外鏡

【雲外鏡】:C3と4まわすー。

【RL】:で。次のシーン。雲外鏡、要る?正味、次1シーン回したらクライマックス突入ですよ。

【雲外鏡】:なん、だと。ぶっちゃけ収束の方向性がばらばらだから、MORIは秘密だとしてもそれぞれの意図しりたい(笑)。

【アカシャ】:ういうい。

【RL】:じゃあ黎明の海星基地で、合流する?(笑)

【天杜】:ぶw

【雲外鏡】:天杜は、家帰って対面?

【天杜】:エー私は一応

【天杜】:自分の身柄と引き換えに白銀宮の命の保障を考えてるつもり。ただ、組織内でアモリの立場は貴重だけど、進言力はないのでど うなるかは、 RLの腹積もりだろうなって思ってる。

【雲外鏡】:雲外鏡は白銀宮どうにかしろという命令があるので、それへの言い訳くらいは手に入れるためにPaxさんとおはなししたい かんじ。Pax さんと、パーティ。

【アカシャ】:なるる。

【雲外鏡】:願い叶えたいしね。

【RL】:ばらけるならと1シーンずつもうけるか。クライマックスは全員登場であった。そういえば。

【天杜】:取りあえず今回の私は、「Paxと眠り姫の命の保障」が最低ラインなので、他は言ってくれればあわせる感じだよー。

【アカシャ】:こちらも、目的は、ほぼ同じー。

【天杜】:なので提案とかあったらいろいろいってくれれると嬉しい。あ、後MORIがどう出るかによるけど(笑)。

【雲外鏡】:じゃあ、とりあえず眠り姫にあいにいくか。こっち情報たりてない。

【天杜】:うん。雲外鏡そっちに、ノータッチだから……あの二人がいちゃいちゃしてるあの部屋に行けば一石二鳥?あ、でもパーティー があるか!行っ てらっしゃい!

【雲外鏡】:パーティでもいいし、眠り姫部屋でもいいし、それはアカシャの趣味にあわせよー。

【アカシャ】:Paxに会うのと、眠り姫の情報を得ると――。

【天杜】:RLRL、サイゴのパーティーっていってパークス、豪華な椅子にでも眠り姫眠ったまま座らせようぜ。参加!

【RL】:良く判ったな。

【天杜】:なん、だと。受信しちゃった……。

【雲外鏡】:最後の晩餐か(笑)。

【アカシャ】:Let's パーティ。

【天杜】:いいなぁ、行きたかったな(笑)。ドレスデザインして遊んでたのにーーー!つい!!!くっ!もりめ!(人のせいにした)

【アカシャ】:PLは申し訳なさそうに思いつつ……PCはよっし、行って来る。

【RL】:じゃあ、パーティー会場でいい?登場する人はお手上げ!

【雲外鏡】:ういうい。

【アカシャ】:雲外鏡に付いていく感じでよいでしょうかっ。

【天杜】:はーい!(爆)

【雲外鏡】:なん、だと。

【アカシャ】:……アモリ、どうやったら来られるかな……。い、意識体……! (爆)

【雲外鏡】:そこで秘儀アカシャアーツ、脳内親友。

【アカシャ】:なっ。

【天杜】:ん、方法あるよ。

【RL】:ほう。

【天杜】:ヴィオレッタが行かせた、っていえば、ありそうじゃね?

【アカシャ】:あー、ヴィオ先生の策略!策略かどうかは、つゆしらずですが……っ。

【天杜】:まぁ、でも混戦するとおもうから様子見る。

【雲外鏡】:アカシャに、電話はありだとおもうよ(笑)。使い魔とか電波でもいいけど。

【天杜】:電話、だと!電波、だと。

【アカシャ】:え、電波。

【雲外鏡】:不思議パワーも可。

【RL】:ではパーティー会場でいいかな!

【雲外鏡】:ういうい

【アカシャ】:ういー。


†BGM :『 レプリカーレ / Harmonia 』

●RESERCH#10 : A Midsummer Night's Dream

◎Scene Card : MAYAKASHI ( 秘密 )

○Scene Player: 雲外鏡

・Stage :"超弩級城砦型機神:dux"大広間 / White


 踊る、踊る、躍る。

 白銀のドレスを纏った少女達が踊る。

 琥珀色の鱗を煌かせ、人魚達が水槽を一瞬の キャンバスへとかえる。不思議な音色を響かせるのは、生きた楽器を手にした魔術師達と、セイレーンの ボーカルだ。

 魔術師と酒は切っても切り離せないもの。見た こともない料理と、芳香をかぐわせる酒。

 最後の晩餐。そんな言葉を、容易に想像でき た。

 舞台の最奥には──白銀に輝く、一際高い高 座。

 そこには、薄桃色の髪をした、決して目覚めぬ "眠り姫"が腰掛けていた。


【アカシャ】:舞台が、もの凄いきらびやかで 妖しく……!

【天杜】:あもさんが、みーって、いきたそうな顔して本陣から白銀宮眺めてたら誰か、かぼちゃの馬車くれないかな……。

【アカシャ】:Paxとか、差し伸べてくれないかとか考えたり。 開戦前夜一時停戦で(爆)。

【RL】:アモリ!!出たいなら、相応しいと思うコネで誠意を見せろ。制御値的な意味で。

【アカシャ】:おお。

【RL】:コネってそういう技能だろ?

【天杜】:ちょ(笑)。まぁ、雲外鏡の用事が終わってからね。

【雲外鏡】:「あれが“眠り姫”かー」 もしゃもしゃ。 「可憐な子だね?」

 いつの間に着替えたのか、白のタキシード姿。手には立食形式の会場から調達した鶏肉が握られている。

【RL】:チキンまるかじり(爆笑)。

【アカシャ】:なっ白いタキシード!きゃーっ(黄色い悲鳴)。

「綺麗。宝石みたい――」 頷き、こちらもいつの間にかドレスで。眠り姫を見て、そう呟いた。着慣れぬ衣服と絢爛な会場に、好奇・緊張・不安を入り 交じらせて。

 アカシャのドレスは変化で出した! 1シーンのみ!(爆)

【RL】:消えるだと?

【天杜】:そんな、どきどき展開。

【アカシャ】:え、極寒の地でドレスが、消える、だと……。

【雲外鏡】:「そうだね。観賞用という意味では、そうかもしれない」 目を細め。 「もの言わぬ“眠り姫”。確かに神秘的な美しさが ある」

 ふふ、と笑い。

【アカシャ】:「観賞用……」 ドレスに零さぬよう、慎重に鬱金色の液体を口に運び。

【雲外鏡】:「その観点からすると、キミは宝石ではなく、花かな?」

【アカシャ】:「――花?」 キョトンとして、雲外鏡を見上げる。

【雲外鏡】:「生ある息吹を感じさせる、石とはまた違った可憐さを感じさせる。そのドレス、よく似合ってるよ」

 微笑む。

【アカシャ】:「生ある――生きている、ということ」 なら――彼女は、と眠り姫を見詰め――。……ぇ――。本当? ……良かった」  と、呟くよう に言う。

 何か、脳内姉妹が、きゃーきゃー言っている気がします(爆)。

【雲外鏡】:なんだその女子高のり(笑)。

【アカシャ】:こう、妹がきゃーきゃーいい、姉が窘めつつも、やっぱり、きゃーっとか言ってそうな。

【天杜】:ドレスは女の子の夢ゆえに……。

【雲外鏡】:「うん。こちらこそ」

 よく分からない言葉を返し。

「本当はもっと花を愛でるのに時間を割きたいところだけど、そうも言ってられないね。この城の主はどこかな?」

 少女へと問う。

【アカシャ】:紅潮した頬を不思議に思いつつ、己の手を添え――。

「ええ」 雲外鏡の言葉に頷き、 「――Pax。仮面を付けたヒト……どこかしら……」

 視線を会場に泳がせる。

【RL】:「や、ねこくん」

 此方に向かって歩いてくる、仮面が見えた。

【雲外鏡】:にゃー。

【RL】:「あ。間違えた。 しょごすくん?」

 にぎにぎと掌を握る。挨拶のつもりか。

【雲外鏡】:「てけり・り」

 手を上げ、挨拶を返す。

【RL】:「どうもどうも。"白銀宮の歎き"の精霊、Paxです。今夜はイヴのパーティーにようこそ?」

【天杜】:Paxが、おしゃれして無い……。

【雲外鏡】:「驚いた。本当に仮面だね。――雲外鏡けど、なんで疑問系なんだろう?」

【RL】:「口癖かな?」

 ワインを持ってはいるが、口をつけた様子はない。まぁ、飲めるわけもなさそうだが。

【アカシャ】:「……?」そのふたりの様子を、少し、首を傾げて見つつ。

【雲外鏡】:「どうやって飲むんだろ?」 素直な疑問とともに首をかしげ。

【RL】:「いやまぁ飲めないんだけどね、持っておかないと駄目じゃない? やっぱ」

【アカシャ】:ワイン、天然物なんだろうなぁ……。

【天杜】:妖精が管理してそう。美味しそうだ。

【アカシャ】:天使のわけまえ!

【雲外鏡】:「なるほど。道理だね。納得したよ」 頷く。

【天杜】:喉にあなあけたらのめるかも……。あ、頬に穴でも……。

【雲外鏡】:たぶん頭からかぶる。

【天杜】:それだ。

【RL】:おまえなにいってんだ?

【雲外鏡】:かぶる。

【天杜】:ぷろーじっと!

【雲外鏡】:「彼女がお世話になったみたいで、お礼を言いたかったんだ」

【RL】:「はは、いやいや。何もしてないよ」

【雲外鏡】:「そうなのかい?」

【RL】:「うん。俺は、黎明の海星に一泡吹かせたいだけさ」 けらけらと笑った。

【アカシャ】:「――それでも、ありがとう、Pax」 その声は、どこか、3重の響きがあるように。

【RL】:「どう致しまして、お嬢さん。自分の名前は思い出せたかな?」

【雲外鏡】:「――…」

【アカシャ】:その言葉に雲外鏡を、確認するように、見て、 「……ええ」 頷いた。

 言わなきゃならないかっ(笑)。何か罪悪感ッ。

【RL】:「そう。始めまして、君の兄みたいなPaxです」

【アカシャ】:「――始め、まして、なのかしら?」

【RL】:「ま、会ったことはないはずだよ」

【アカシャ】:「……うん、何にしても――“今の私”が会うのなら“初めまして”だわ。――お兄様」

 何故か――浮かない顔をするように。後ろめたさを感じるように、そう、返した。

【RL】:「うん。──今の君は誰なのかな?」

【アカシャ】:「……」 一拍、呼吸を置いて。 「――“ベルザンディ”――"NORNIR"が、……一人」 意を決したように。 「――……――で も……」

【RL】:「うん」

【アカシャ】:「“アカシャ”」 顔を上げて。 「自分でも上手く言えないけれど」 そういう口調には、迷いがありつつも。しっかり として。 「い ま、ここにあるのは。きっと、“アカシャ”でも、ある――それは、お兄様も知らない、私」

 何か、罪の告白をしているようでした(爆)。

【RL】:「アヤカシは成長はせず、変化するものだ。己を見失わないようにね? 判断基準まで喪ってしまったら、神になっちゃう よ?」

 ひやりと肌を触るように笑み。

【アカシャ】:その言葉に、目を見開いて――。

「――神、に……」 ぞくりと、“少女”の心が震え上がった。

【RL】:「『我思う、故に我在り』、ね?」

 つん、とアカシャの額を指で突いた。

「書庫の媒体と溶け込んで、大分自我境界が曖昧になってる」

【アカシャ】:「――ごぎす えるご すむ――?」

 それは、“アカシャ”の記録からか。辿々しい音声を紡ぎ出すと、つつかれて、少しだけよろける。

【アカシャ】:「――……」

【雲外鏡】:――とん。その肩を両手で押さえる男。

【アカシャ】:し、紳士!

【雲外鏡】:「――」 言葉はなく、ただ少女を見ている。

【アカシャ】:「――あ」

 ありがとう、と続けようとして――言葉が途切れる。動揺と後ろめたさと、そして己の境界が曖昧だという、不安定さと。暗くて、揺らぐ、重い、何か が少女の瞳から顔を覗かせる――。

【雲外鏡】:「だいじょうぶかい?」

【アカシャ】:「――え、ええ。……あ、ありがとう。大丈夫」

【雲外鏡】:「それはよかった」

 いつもの微笑が顔に浮かぶ。

【アカシャ】:「……」その笑みに釣られて、安堵するように、頷き返す。

【雲外鏡】:「キミは自分を取り戻したんだね? ――おめでとう」

【アカシャ】:「……、――私――」

【雲外鏡】:「あとは、さっきの願いを叶えるだけだね」

【RL】:「……」 ゆらゆらとワインを揺らしながら、それを見つめるPax。

【アカシャ】:「……」 言いかけて止める。 「……――え、ええ」

【雲外鏡】:「ごめんね、Paxくん。兄妹水入らずを邪魔してしまうようだけど、もう時間がなさそうなんだ」

 す、と少女に添えていた手を前に押し出す。説明を任せたらしい。

【RL】:「うん。平気平気。さて、俺はどうすればいいのかな? それとも、何を止めればいいのかな?」

【雲外鏡】:状況を整理して、作戦練るか!

【RL】:イエス。整理しようか!

【雲外鏡】:具体的には天杜との合流になるとおもうけど(笑)。

【天杜】:うむ。

【アカシャ】:うい……っ。

【RL】:1:全キャスト、とりあえず生き延びることが目的(ゲーム的には戦う相手に神業で圧殺されるのはよろしくない)。1は例外 あるかもしれな いけど経験点的にとりあえずね?

 2:その上でPSを果たす、もしくはPSを実行可能なように書き換えねばならない。クライマックス前まではPS書き換えを認めるよ。皆自分のPS 覚えてるかな!

【天杜】:少女の名前を知る。

【RL】:アモリを満たした。後は好きにするべき。

【アカシャ】:真実を知る。

【RL】:アカシャも満たした。後は好きにするべき。

【雲外鏡】:Paxの願いを叶える。

【RL】:雲外鏡ハブ。

【雲外鏡】:しょぼんぬ。

【RL】:PS助け合いも考えてPaxが焦点かな?

【天杜】:そうね。

【RL】:で、3。キャストがどうしたいかだよ!ちなみにこのまま正面対決になると1を満たせるかどうかが焦点になるわよ。

【雲外鏡】:ハニトーたっぱに詰めたい!

【アカシャ】:ハニトー!

【天杜】:私はさっき言ったとおり、後は、RLがMORI死なせたがってるけど、CASTは死なせたく無いと思ってるから彼の無茶は 止めるよ。イベ ントだとしても、そう動くべきだと私のPL魂が言っている。

【アカシャ】:ふむふむ。

【天杜】:なので私はPSを、⇒ MORIを生かす or Paxたちの生存なんだけど。

【アカシャ】:Paxの生存、はこちらも望んでいるので、こっちがPSにしますよ。キャストとして、兄弟が争って滅びる様は嫌。それ は、避けたい!  という動機から。

【天杜】:OK、では、私のPSはこうなる。⇒最終的にMORIにざまーみろっていう(訳:MORIの無事)。

【RL】:おまえ……。

【雲外鏡】:MORI救出は手伝うよー。願われれば!取り合えず、Paxの願いをかなえねば(笑)。

【アカシャ】:Paxの生存はターリアの生存とイコールかな……。

【雲外鏡】:「Paxくんは何を望んでいるのかな?」

【RL】:「ハッピーエンド。ターリアが目を覚まして、平和に暮らしてくれること。アモリちゃんが運命に──悪いノルンに打ち勝って くれること。ア カシャちゃんがその役目を果たすこと。──君が、己を知ること」

【雲外鏡】:「――!」

【RL】:「俺は君が誰なのかを本当に知らない。だから君もイレギュラーだ。欄外の役者だ。展開を変えるには、別の役者をいれないと ね。螺旋断簡逸 書だけじゃ足りないのかも」

【雲外鏡】:「MORIくん、か。そういえば、星女様とまた喧嘩してたみたいだけど、二人とも会場にはいないみたいだね」

 何かを誤魔化すように口早に。

【アカシャ】:「……」 その様子を少しだけ訝しげに見る。

【RL】:「そうね」

【雲外鏡】:「それにしても、ふふ。ハッピーエンドか。……いくつか聞いてもいいかな?」

【RL】:「どうぞどうぞ」

【雲外鏡】:「ターリア、って?」

【RL】:「眠り姫の名前。アモリちゃんにつけてもらったんだ」

【雲外鏡】:「そうなんだ? 語源は知らないけど、いい名前だね」

 これであの子も名づけの親かー、と感慨深く呟く。

【RL】:「うんうん」

【雲外鏡】:「その星女様の打ち砕くべき、悪い運命-ノルン-って?」

【RL】:「黎明の海星の定めた、この数千年間の全て。彼が"導く"星。くだらないと思わない? 一人の男の妄執で、こんなにたくさ んの人が生き方 と死に方を定められる。なんとなく気に食わないよ。だから俺は、全力で邪魔するね」

【雲外鏡】:「……なんとも壮大だね。実は僕はその彼から、白銀宮を破壊するように命令されてきたんだけど。ま、いまはそれはどうで もいいかな」

 あとで詳しく聞かせて、と少女へ呟き。

【アカシャ】:それに、頷き返す。

【雲外鏡】:「彼女…… “アカシャ”の役目って?」

【RL】:「本来のVOLVAの役割がなんだったか」 語るように。 「全ての元凶たる"詩のエッダ"の目的がなんであったか? 全 てを記録し、後 の世に保全することだよ」

【雲外鏡】:な。

【アカシャ】:「――……!」

【RL】:「アースガルドの世界が本当の意味で消えないように。アースガルドと同じように滅びる世界がないように──」

【雲外鏡】:なんだってーーー。

【RL】:「判る? 時制を司るノルニルは、その側面も持っているのさ」

【アカシャ】:マカセロって、何か思いました。だ、だって、"NORNIR"の一部だけれど、アカシックであっても良いのよね!

【天杜】:ぐぇーごが漲った。

【雲外鏡】:すごいぞアカシャ。

【アカシャ】:が、がんばる。アカシックは全てを記録する。"NORNIR"も記録する。OK。

【RL】:「"アカシャ"は、最後の切り札になりうる。新しい"詩のエッダ"になれるのさ。勿論、そうなったら黎明の海星の目的はお じゃんになる。 彼が蘇らせたいのは"詩ノエッダという魔導書"じゃなくて、"その精霊VOLVA"だからね。つまり、彼女は俺たちの中で一番原典に近い。だってそうだ ろ? 俺たち七冊の魔導書の、"情報を集めれ"ば"詩のエッダ"の情報は完成する。全ての情報を知りうる彼女は、単体でその条件を満たしている。そうは考 えられない?」

 言った後、数秒黙ってから爆笑。

「ま、俺の推察だけどねー!」

【雲外鏡】:「……」

【RL】:世界には写本が原典扱いされる場合があって、原典が喪われて、写本から●●写本が取れてしまうって場合なんだけど。つまり いなくなった部 分を写本が埋めると。で、一番その可能性が高かったのがアカシャで、それを止めるためにアカシックレコードという形を先に用意してあてはめちゃったのがア カシャ関連の真相。つまりアカシャは、下手すると、世界柱アースガルドを乗っ取れる。

【アカシャ】:ふ、ふむむ。ガンバル。

【雲外鏡】:「あはは、あはははは! そうか! うん、まさにそうだね? これはなんだろう。なんていえばいいのかな?」

 追従して笑う。

【アカシャ】:凍り付いていたような“少女”が、その笑いで、はっと、我に返る。

「え……え……」

【雲外鏡】:都合の良い神様-deus ex machina- 、だっけ?」

【RL】:「然り、だね」

【雲外鏡】:「ずるいなぁ…… ずるいよ。うん、ずるい。そうかー キミはそういう存在だったんだね、“アカシャ”?」

【アカシャ】:「――……わた、し……」

 :生気を取り戻したように、だからこそ、身体が空気を求めて、パクパクと。

【雲外鏡】:すげぇ、設定だな。良く考えるよRL(笑)。

【天杜】: お、つ。

【RL】:こじつけだぞ!ヒギィヒギィ、すごい勢いで原作者をディスってるのはきにするな。

(※ 一話はじめにも申し上げましたが、これは原作者に対し正当性 を主張するものではありません。うちの卓、別の卓で考えていただければ幸です。簡単に言 えば、うちの卓ではN◎VAは滅んだが、別の卓では滅んで無いというレベルです)

【雲外鏡】:「でもさ、それだと少し、キミの願いは矛盾してしまわないかい?」 視線を少女から仮面へ。

【RL】:「うん?」 何が? と首を傾げる

【雲外鏡】:「彼女が役目を終えるためには、新しい"詩のエッダ"になる必要があるんだろう?」

【RL】:「"そうならないように事態が収束する"のもまた役目の終わりさ。うん、けどそうなる場合もあるかもね」

【雲外鏡】:「なるほど。Paxくんとしてはどちらでも構わないわけか」

 彼女がその本質通り、神として覚醒するのも。このまま変化して、新しい彼女として生きるのも。その結末が、彼のたくらみを破壊できるのならば。

【アカシャ】:あー、そうかー な、何となく呑み込んできた……っ。

【RL】:「最終的にはね。俺もまた、一人の男なの。最後にターリアが笑ってくれるなら、──そのとき、その傍らに俺がいなくても、 俺はいいの。 かっこいいだろ、俺?」

 仮面越しに、笑った。

【アカシャ】:「――……Pax……」

【RL】:「まぁ、他の誰を泣かしてもいいって思ってるから、若干黎明の海星のことはいえないんだけどね」

 パークスの動機は本当にコレ。

 仮面つけてるからVOLVAからPaxの顔は見えないけど、PaxからVOLVAの顔は見えるのだった というオチ。

 あひー、やっと設定大体出せたー(笑)。後はお前だ雲外鏡!

【雲外鏡】:おれはだれなん、だ。おもいだせない。ぼくは、雲外鏡、なのか?

【アカシャ】:く、わたし。Paxにターリアの笑顔見せたい……。

【雲外鏡】:「――そのコメントは、彼女にまかせるよ」

 微笑み、再び視線を少女に。

「どう? 僕は彼に願いを叶える力を貸し与えるつもりだけど」

【雲外鏡】:「キミ自身の願いは定まった?」

【アカシャ】:「――……」 頷いて、 「Pax。――それは……言葉にすると」 それは、“少女”の疑問。 「好き――いえ、愛し てるというこ と? あなたが ターリアを」

【RL】:「そうだよ?」

【アカシャ】:「――……」

【RL】:「世界は好きだ。けど、ターリアがいない世界は多分嫌いなんだと思う。だから俺は世界を救うけど、ターリアを救えない世界 は要らないん だ」

【雲外鏡】:ここまで割り切ってると、好感もてるな。悪意はないしな(笑)。

【アカシャ】:「……そう」

 それは、“少女”の好奇心。そして、その言葉は、Paxの言葉によって、彩られた。「私達7冊が争うのは、嫌。――でも、何より私は、“それ”が 見たい――」 ――記録したい。――記憶に、したい。

 ここで、PSを変更っ。Paxとターリアの生存にするっ。

・PS変更 【真実を知る】→【Paxとターリアの生存】

【RL】:こいつら、成立したPSを変え始めた(爆笑)。いいぞぉ。

【雲外鏡】:「うん。決まりだね。なら、一回帰ろうか?」

【アカシャ】:「――ええ」 頷いた。

【RL】:「お。何処にお帰り?」

【雲外鏡】:「君の大嫌いな、僕らのご主人様の元に、ね」

【RL】:「送ろうか?」

【雲外鏡】:「セグウェイで?」 どうやらアカシャに聞いたらしい。

【RL】:「丁度3台ある」 笑う。

【アカシャ】:「――貸してもらえるかしら?」 頷いて。

【RL】:アモリさん、出るかい?この後イベント一つあるけど、その後なら出れるよ。

【天杜】:あいあい。じゃぁ、ちょろっとくるか。

【RL】:じゃあイベントやるから、流れるようにアモリ登場まで。

【天杜】:あいよー。

【RL】:薔薇の。香り。

【天杜】:きちゃった☆てんさきょうてんがきちゃった。

【アカシャ】:うぇるかむ☆薔薇のヒト来ちゃった!

【RL】:「お邪魔します」

 瞬き一つ。傍らの椅子に、彼女は腰掛けていた。目をつぶったままで。

【雲外鏡】:「――…なっ」

 いつの間に? この男には珍しい驚愕の声。

【アカシャ】:「“ORDO”……!」


†BGM :『 うみねこのなくころに〜煉獄〜 / Harmonia 』


【アカシャ】:煉獄!

【RL】:「降伏勧告に参りました。私、"黎明の海星"の使いです」

 置いてあったワインを手に取る。

 ──パキ。

 グラスが割れた。ぱらぱらとテーブルの上に零れ落ちるグラスの破片。しかし、ワインがぶちまけられることはない。まるで、どこかに消えてしまった ように。

【アカシャ】:雲外鏡と、よく似た存在――。彼女は、黎明の海星が何をなすかを見ているのかなぁ……。

【RL】:「Pax、"眠り姫を引き渡しなさい"。それと──、"雲外鏡"」

【雲外鏡】:「――…なんだい?」

【RL】:「"闇"に報告は済ませましたか?」

【雲外鏡】:「いいや。まだだよ」

【RL】:「そうですか。ここからお逃げなさい。明朝、ここは陥落するでしょうから」

 Paxが降伏することなど無いと、確信したように微笑む。

【雲外鏡】:「それは、“お願い”?」

【RL】:「そうですとも」

【雲外鏡】:「あはは。命令だって言ってくれれば楽なのに」

【RL】:「ふふ」

【雲外鏡】:「ふふ」 笑みを交し合い。 「でもね、断る」

【RL】:「何故?」

【雲外鏡】:「願いの対象に、僕は含まれないから」

【RL】:「──……。そう、それでいいのです。あなたはそう、存分に──世界を映すのです」

【雲外鏡】:「……」

【アカシャ】:世界を、映す。

【雲外鏡】:なんか、知られてる。

【RL】:天杜ん、出ていいよ。

【天杜】:え、無茶振り。

【アカシャ】:知っているっぽい

【RL】:どのコネかで、演出かわるよ!

【天杜】:まじで? じゃあ、判定だけするからRLに任せる!

【RL】:OK。

「──あら」

 ふと。瞑目した顔を、上げた。

【天杜】:<コネ:黎明の海星><交渉 >、理性6+J+kone1=17。

【RL】:黎明(爆笑)

【天杜】:そういう、場面だろ!(笑)

【雲外鏡】:げぇぇ。

【RL】:カツ──ン……。

 

【天杜】:あれ、きちゃった。

【雲外鏡】:おい、なぜ、よんだ。

【RL】:ゲスト出演です。

【天杜】:え、なんかだって、ねぇ?

【RL】:扉を開けたのは、一人の青年。彼は、ゆっくりと手を掲げる。

「くぐれ」

【雲外鏡】:ぐぐれ。

【RL】: ヴン──。

 一瞬にて、青年の姿は掻き消える。転移したのか、それとも隠形したのかは判らない。だが、そこにいたのは一人の、少女だった。

【天杜】:そこに在ったのは先ほど、ここから出たはずの星女。

 彼女が纏うのは涼やかな水色のドレスだ。白いミニ薔薇をモチーフにしたコサージュが、縁にしりばめられ、柔らかなオーガンジーとレースがひらひら と動く。もとより華奢な腰がコルセットで縛られ、今にも折れてしまいそうだった。大きく開いたしみ一つ無い背中は、いつもの豊かな髪が、贅沢に生花をあし らい高い位置で結われているがために丸見えになっている。幼さを残す曲線が緩やかに流れる。

 極寒の地では寒々しい装いではあるが、この暖かい部屋でなら平気だった。

【雲外鏡】:描写が、こまけーーー!!(笑)

【天杜】:軽やかに動き、ふんだんに絹を重ねた裾から覗く靴には、夜空に浮かぶ星をひっくり返したような宝石が散らばる。

【アカシャ】:ことこまか!

【雲外鏡】:よほどパーティでたかったのか!(笑)

【天杜】:ドレスは、乙女の夢だっつーの!

【アカシャ】:ですよねー! 素敵(笑)。アカシャは、どこかしらエキゾチックな感じのドレス。

【天杜】:「お招き、有難う……Pax」

【RL】:「──いらっしゃいませ?」 一礼した。 「宴もたけなわ。さぁ、どうぞどうぞこちらへ」

 Paxが、ざわめきに止まった楽団に続行の指示を出す。

「降伏はしないよ」

 ORDOに囁くように。

「最後の晩餐くらいはさせてくれるよね?」

 雲外鏡に手振りで挨拶をして、高座へと去っていく。ORDOは、席に座ったまま視線を逸らした。どうやら、楽団を眺めているようだ。

 いやまぁORDO目瞑ってるけどね。

【雲外鏡】:「やあ、星女様。貴方にはいつも驚かされますね?」

【天杜】:「そうだね、雲外鏡」 紅のさされた唇で言葉をつむぐ。 「今回のキミのかなえたい願いは見つかった?」

【雲外鏡】:「もちろん。でも、まだまだ受け付けるよ? なにせ今夜は――」 懐から真っ赤な帽子を取り出し、かぶる。 「聖夜だか らね?」

【アカシャ】:「――アモリ……!」 目を大きくして、 「――素敵」と微笑む。

【天杜】:「有難う。エンジュも綺麗だよ」

【アカシャ】:「ふふ。ありがとう」

 ――こんな時に。あの魔導書はどこへ行ったんだろう? 心の中に、ちょっとした憤慨が沸き起こるが――。

「……。MerryChristmas というのよね」 と、記録を確かめるように。 「今宵を――“いま”を楽しんで――」

 そういって――雲外鏡の傍らに戻る。



ザッ!!!

         ザッ!!

             ザッ!!

「──……"白銀宮"を目視」


 "黎明の海星"、襲来。


──SceneEnd...


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